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前提を合わせないと会話は永久に噛み合わないよっていう話
話が噛み合わない、とか。
なぜか言葉が行違う、とか。
そういうことが起きる原因って何でしょう?
もちろん、そこにはいろいろな要素が考えられるわけなんですが、大きな括りとしては、この二つの視点かな、と思います。
ひとつは、コトバの中身。
そして、もうひとつは、コトバの前提。
中身(内容)は言うまでもないですね。
たいていの場合、多くの人は、ここに問題があるから話が行違うと考えると思います。
でも実際には、もう一つの要素である「コトバの前提」の不一致が齟齬の最大の原因になっているんじゃないかなと、そう思うのです。
コトバの前提って?
ここでいう「コトバの前提」って何か、といいますと――
例えば、こういうこと。
林檎と言われて、あなたはどんな色を思い浮かべますか?
おそらく80%程度の人が「赤でしょ」と答えます。
これが「リンゴ」に対する世間一般の類型的な概念です。
![](https://assets.st-note.com/img/1668478482816-UHf3JdRi1X.jpg?width=1200)
残る20%の人の内、さらに80%は「赤と黄色が混ざっている」と答えます。
これは実物を観察した時のリアルな表現。
リンゴは決してベッタリと赤一色ではありませんからね。
![](https://assets.st-note.com/img/1668478538333-wW8ht4vcFZ.jpg?width=1200)
ここまでが、まあ多くの人が思い浮かべる「リンゴ」像でしょう。
でも、当然ですが、物事に100%はありません。
必ず5%の人がいます(笑)
その人たちは、リンゴという言葉を聞くと、違うモノを思い浮かべます。
例えばこれ。
![](https://assets.st-note.com/img/1668478753452-NpRvP8ubL4.jpg?width=1200)
そうです。黄色いリンゴ。
薄緑色っぽいものもありますよね。
わたしの友人が、この黄色いリンゴが好きだったんです。
一方わたしは、真っ赤な紅玉が一番好きで、黄色いリンゴは苦手。
だから「リンゴ」という言葉が出た時に、黄色いリンゴのことはまったく頭に浮かんでこない。
でも友人は、リンゴと聞けば黄色!なんです。
お互いが相手のこの前提を知らずにリンゴの話をしたら……?
コトバのイメージが食い違うと
想像がつきますよね。
まったく話がかみ合いません (;'∀')
色はもちろんとして、香りも違うし、食べた感触も違う。
そもそもリンゴに対して抱いているイメージが大きく異なる。
でも、どちらも自分のイメージするものが「リンゴ」だと無条件に考えている。だから相手の言っていることがさっぱり理解できない……
そういうことが実際に起きました(笑)
これはモノだったからまだ救われるケース。
実物があれば互いの食い違いは解消します。
ほとんど笑い話です。
語れないコトバだってあるから
でも、この食い違う言葉が観念的なモノ・概念的なモノである場合は、ちょっと面倒になります。
たとえば「愛」。
誰もが知っているコトバです。
でも、これを言葉で説明するのは案外難しい。
そして言葉で説明しにくい、ということは、人それぞれ、一人一人の抱いているイメージが異なるということを意味します。
はっきり説明のつくものは共通理解を作れます。
(もちろんそれだって100%はあり得ませんが)
そうではないもの、間接的にしか言い表しようのないモノの場合には、当然ながら漠然とした理解しかできません。
なんとなくわかった気になる、という程度です。
ところが、私たちはつい、うっかり、相手も自分と同じ感覚・観念でその言葉を使っていると思ってしまうんです。
もちろん、たいていはそれで通じます。というか通じた気になって話が出来ます。
でも、コトバの前提に大きな差異がある場合には、そうはいきません。
同じ言葉を語っているつもりでも、赤いリンゴと黄色いリンゴのように、まったく別のことをイメージしているという事態が起きることは、決して珍しくはないんです。
ありふれた言葉こそ、要注意ですね。
噛み合わないコトバは理解を深める入り口
もしも、会話がどうも噛み合わない、と思うときには、「コトバの前提」に食い違いがないかを疑ってみることが必要です。
話題にしていることを、相手がそもそもどう捉えているのか。
そこに互いの食い違いの原因が隠れているかもしれません。
隠れていた前提を互いに語り合うことで、互いの理解がより深まるなら、会話の食い違いはより良い関係性を育てるための入り口だと言えそうですね。
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