『静かな人の戦略書』をお守りにしたい
voicyが好きで、そこでたまたま近藤弥生子氏の「心を守りチーム力を高める EQリーダーシップ」の存在を知りました。
この本も面白かったのですが、そこにジル・チャン氏の「静かな人の戦略書」という本が紹介されていたので、こちらも読んでみました。
これが、読んでとても感銘を受けました。
内容を簡単に説明すると、内向的な人が社会で活躍するにはどのような性質を強みに変えて立ち振る舞えば良いか、という内容です。
ちなみに、内向型か、外向型か簡単な診断がついていたのでやってみたら内向型でした。
内向型の特徴が書いてありましたが、自分は「人見知り」「話を聞く側である」「謙虚」「冷静」「観察力がある」という点は当てはまっていても、「戦略的思考」「慎重」「準備力」は欠けていると思いました。
本書には準備の大切さがかなり書かれていましたが、能力によってはその準備が充分にできない内向型もいるのではないかと思います。
現に、私がそうです。自分では完璧に準備したつもりでも、実際にやってみると不十分だったことが何度もありました。
だからかもしれませんが、他の方のレビューを見ると「自分にはできない」「筆者が優秀なだけ。自慢話みたい」というコメントが見られます。
しかし、外向型のように友達をたくさん作って、行動しながら考えて、頭の回転を速くして自分の意見をバンバン言えないのであれば、やはり失敗しながらでもいいから努力して準備に時間をかけ、物事を慎重に且つ深く考えるようにする力を磨いていく必要があるのではないかと思いました。
私の大学の友達で、自分と同じように内向型の人がいましたが、その人は本書にあるように準備にかなり時間をかけ、慎重に物事を考える人でした。
その人は人前に出ることが得意ではなさそうでしたが、プレゼンが非常に上手く、結局人前で話す仕事に就きました。
本書を読んでいてその人のことを思い出しました。
さらに、「内向型リーダーは脇目も振らず目標に集中し、粘り強く達成を目指す」とあり、さらに「一度に取り組むことはひとつだけ」と書かれているのも共感できます。
複数のことを両立してやると、キャパオーバーしがちなので、一つに絞って集中して取り組むとより力を発揮しやすいのでしょう。
内向型の私は、周りの外向型の友達や先輩に憧れて複数のことを両立してやろうとしたことがありました。そうすると「二兎追うものは一兎をも得ず」ではありませんが、どれも中途半端に終わり、後悔だけが残りました。
リーダーでも、リーダーでなくても「自分は内向型かもしれない」と自負がある人は本書を読んで、どういう力を磨くべきか、目標を立てる指針にもなると思います。
学生で、内向的だけどリーダーを任されたという人も、読むと自分の力の発揮の仕方がわかるでしょう。
ただし、本書は「内向的=受動的」という解釈で書かれてはいないと思います。「内向的且つ受動的だけど、こんな自分でも認めてもらって上手くいくにはどうしたら良いか」、と考えている人は本書を読んでがっかりするかもしれません。
まあ、そんなに上手い話はないということだと思いますが。
社会的に成功したかったり、人間関係を良くしたかったりするにはやはり受動的ではダメでしょう。内向的でも努力は必要です。
それも、外交的になろうとする努力ではなく、内向的な自分の性質を見極めた上で、それに合った努力が。
ビジネス書や自己啓発書は、日本のものや欧米のものが多い印象ですが、ジル・チャンは中国系です。日本人と感覚が近いものがあるので、欧米の本よりは同じ目線や気持ちで考えられることが多いように感じました。
内向的ですが、私は教職という人前に立つ仕事を選んでしまったので、この本を何回も読み返して実践できるようにお守りのように持っていたいと思います。