なぜあなたのダイエットは失敗するのか(5) ~体脂肪とカロリー、あと筋トレ
維持カロリーについて掘り下げる前に、体脂肪とカロリーの関係について触れておきます。
痩せるとはどういうことか
今更ですが痩せるとはどういうことなのか確認しておきましょう。ここで問題にしている「痩せる」とは当たり前ですが体脂肪が減ることを指しています。これは細かいことを言うと「体重が減る」ということと、同じではありません。人間の体は骨、筋肉、体脂肪、内臓、脳、血液、皮膚、髪の毛、爪・・・などなどからできており、それらすべての重さの合計が「体重」です。ダイエットで減らしたいのはこれらのうち体脂肪のはずです。それ以外のものが減って体重が軽くなってもうれしくないですよね。髪を切って体重が軽くなったとしても、それを「痩せた」とは言いません。なのでここでは体脂肪を減らすことをダイエットの目的と定義します。
体脂肪とカロリー
体脂肪を減らすにはカロリー収支をマイナスにします。ではどれくらいマイナスになれば、体脂肪はどれくらい減るのでしょうか?
脂肪は1グラムあたり9kcal でしたね。つまり1キロあたり9000kcal です。ただし体脂肪として体に蓄えられているとき、20%程度水分を含むため、体脂肪1キロは7200kcal になります。
9000 × 0.8 = 7200 (kcal)
体脂肪1キロ減らすには、7200kcal 消費すればよい、ということになります。まあ単純に考えて7000kcal ととらえてもいいです。カロリー収支をマイナス700kcal にしたとすると、10日で体脂肪1キロ減る、ということです。
※カロリー収支マイナス700kcalというのは運動なしの場合、結構無茶な数字ですので、ここまで読んで「すわ食事制限でマイナス700kcalじゃあ!」と突っ走らないでください。健康を損ないます。
減るのは体脂肪だけではない
先ほどの計算通り、7000kcal の消費で体脂肪だけが減ってくれればいいのですが、残念ながら体脂肪だけでなく筋肉も減ってしまいます。ダイエットと並行で筋力トレーニングも行った場合、筋肉の減少をある程度食い止めることはできます。筋トレなしでカロリー消費した場合、だいたい
体脂肪:筋肉 7:3
くらいの割合で減ると思ってください。筋トレを並行して行った場合、うまくいけば9:1くらいまで筋肉の減少を抑えることができます。筋肉が減らない分、体脂肪が多く減るので、効率が良いとも言えます。あと個人的には筋肉が残っていたほうがスタイルがいいと思います。ただし初心者が効率よく筋トレをするというのは現実には難しい面もあります。
筋トレは必要か
そういうわけなので、「ダイエットには筋トレが有効」と巷でよくいわれていることについては、私も同意見です。ただし初心者の方はあまり筋トレにこだわらないほうがいいような気がします。筋トレをすれば痩せるというものではないし、しなければ痩せないというものでもないからです。筋トレをするのがおっくうになってダイエットに挫折してしまうのは本末転倒です。それよりカロリー収支をマイナスにすることに集中したほうが良いです。もちろん、できる範囲のトレーニングをしよう、というのであればそれは素晴らしいことです。
それからもう一つ。「筋トレをすると代謝があがって痩せやすくなる」という話をよく見聞きしますね。まったくの出鱈目とは言いませんが、ダイエットにおいて重要ではありませんので忘れてください。「リバウンド」についても同様です。これらについては別の機会に詳しく書きます。
終わりに
カロリー収支をマイナスにして痩せるということはどういうことなのか、確認しました。次回は維持カロリーについて書きます。
続きはこちらです。
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