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日本の神様辞典 No.17-①
No.17 伊弉諾神
読み:い・ざな・ぎ・のかみ
神祇:天津神(あまつかみ)
称号:神世七代(かみのよななよ)
別名:伊邪那岐神、伊弉諾尊、伊邪那岐命
神階:なし
神格:国産み、神産みの神
親:なし
配偶者:伊弉冉神(いざなみのかみ)
子:天照大神(あまてらすおおみかみ)、月読命(つくよみ)、素戔嗚命(すさのお)、大事忍男神(おおことおしお)、石土毘古神(いわつちびこ)、大綿津見神(おおわたつみ)、速秋津比古神(はやあきつひこ)、速秋津比売神(はやあきつひめ)、志那都彦神(しなつひこ)、大山祇神(おおやまつみ)、鹿屋野比売神(かやのひめ)、軻遇突智(かぐつち)、泣沢女神(なきさわめ)、衝立船戸神(つきたつふなと)、道俣神(ちまた)、底筒之男神(そこつつのお)、中筒之男神(なかつつのお)、上筒之男神(うわつつのお)など
神社:伊弉諾神宮など
次代:天照大神(あまてらすおおみかみ)
「記紀」の記述
天地開闢において、神世七代(かみのよななよ)の最後に、伊弉冉神(いざなみのかみ)とともに生まれた。
高天原の神々に命ぜられ、海に漂っていた脂のような国土を固めるべく、天の浮き橋から天沼矛(あめのぬぼこ)で海をかき回し、出来上がった淤能碁呂島(おのごろじま)にて伊弉冉神と結婚した。
国産み・神産みにおいて、伊弉冉神との間に、日本国土を形づくる多数の子を儲ける。
その中には、淡路島をはじめ大八洲(本州・四国・九州等)の島々、石・木・海・水・風・山・野・火など森羅万象の神が含まれる。
伊弉冉神が、火の神である軻遇突智(かぐつち)を産んだため、陰部に火傷を負って亡くなってしまう。
伊弉諾神(いざなぎ)が伊弉冉神(いざなみ)の遺体にすがって泣いていると、彼の涙から泣沢女(なきさわめ)が生まれた。
その後、伊弉諾神(いざなぎ)は軻遇突智(かぐつち)を殺すが、その血や死体からも神が生まれた。
また、出雲(いずも:島根県東部)と伯耆(ほうき:鳥取県西部)の国境の比婆山(ひばやま)に伊弉冉神(いざなみ)を埋葬した。
なお、『日本書紀(にほんしょき)』では、伊弉冉神(いざなみ)の生死や埋葬場所について異伝がある。
伊弉諾神(いざなぎ)は、伊弉冉神(いざなみ)に逢いたい気持ちを捨てきれず、黄泉国(よみのくに)まで逢いに行く。
黄泉の火で調理した料理を食べてしまった伊弉冉神(いざなみ)は、最初こそ夫の勧めを断るが、やはり愛しい夫が逢いに来てくれたことだから、自分も帰りたいと考え、黄泉津神(よみつかみ)たちと話し合うことにする。
そのとき、その間は「決して覗いてはいけない」と依頼したが、いつまで経っても伊弉冉神(いざなみ)が帰って来ないため、伊弉諾神(いざなぎ)は妻との約束を破ってしまう。
そこで見てしまったのは、腐敗して蛆(うじ)にたかられ、八雷神(やくさのいかづちがみ)に囲まれた最愛の妻の姿であった。
その姿を恐れ、伊弉諾神(いざなぎ)は地上へ向かって逃走。
追いかけてくる八雷神、黄泉醜女(よもつしこめ)に対し、髪飾りから生まれた葡萄(ぶどう)、櫛から生まれた筍(たけのこ)、黄泉の境に生えていた桃の木の実(意富加牟豆美命、おほかむづみ)を投げながら逃走した。
最後に伊弉冉神(いざなみ)が追って来たが、伊弉諾神(いざなぎ)は黄泉国と地上との境である黄泉比良坂(よもつひらさか)の地上側出口を千引きの岩とされる大岩で塞ぎ、完全な離縁を宣言した。
岩の向こうから伊弉冉神(いざなみ)が「あなたの国の人間を1日1000人殺してやる」と言うと、伊弉諾神(いざなぎ)は「それならば、私は産屋を建て、1日1500の子を産ませよう」と言い返した。
その後、伊弉諾神(いざなぎ)が黄泉国の穢れを落とすため「筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原(あわきはら)」で、禊(みそぎ)を行なうと、様々な神が誕生した。
最後に、左眼から天照大神(あまてらすおおみかみ)、右眼から月読命(つくよみ・のみこと)、鼻から素戔嗚命(すさのお・のみこと)の三貴神が誕生。
伊弉諾神(いざなぎ)は三柱それぞれに高天原(たかまのはら)・夜・海原の統治を委任した。
しかし、素戔嗚命が、母親のいる「根之堅州国(ねのかたすくに)」へ行きたいと言って泣き止まないため、素戔嗚命を追放。
そして、自身は淡道(あわじ)の多賀(たが)の幽宮(かくれみや)に篭った。
『日本書紀』では、素戔嗚命の追放決定後、素戔嗚命が根の国に行く前に、高天原に行く事を許し、淡路の「幽宮」(かくれみや)に静かに隠れたか、天の「日之少宮」(ひのわかみや)に留まったと記されている。