私の大切な本
Webライターラボ2410コラム企画に参加しました。
テーマ:「お気に入りの本」
お気に入りの本には、色々な思い出があります。
いくつかをご紹介します。
平野啓一郎 著 『私とは何か』個人から分人へ 講談社現代新書
家族、仕事、人間関係・・・日々悩みは尽きません。
「疲れたな。」と思った時に手に取り、心が楽になりました。
あの時の私、今の私。全て私なのでした。
古井由吉 著 『杳子・妻隠』 新潮文庫
『杳子』を初めて読んだ時、独特の世界観についていけず挫折。
しかし、改めて読み直すと、じわじわと惹かれてしまいました。
今では、なんとも言えない世界観が大好きです。
古井由吉 著 『ゆらぐ玉の緒』 新潮社
「文章は初めの一文が大切」とよく言われます。
『ゆらぐ玉の緒』の第一文に激しく心撃たれました。
言葉の静謐な美しさがたまらなく好きです。
古井由吉 著 『この道』 講談社文庫
老いを感じながらも書き続ける日々。
四季、音、香、色、生、死、光。
読み返すたびに、静かで美しい文章に惹かれてしまいます。
『向田邦子 ふたたび』 文春文庫<ビジュアル版>
向田邦子さんの著書から一冊を挙げようとしたのですが、どれも好きすぎて選べませんでした。
そこで、文芸春秋編として出版された書籍をご紹介させて頂きます。
幼少期からの生活の様子や没年までの作品、親しくされていた方々からの文章が写真と共に綴られています。
NHKドラマ「阿修羅のごとく」「男どき女どき」「思い出トランプ」で向田さんを知り、作品を読み始めました。
当時は、TVドラマ「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」も大人気。
私が向田さんと作品に惹かれるのは、以下の言葉に集約されているのだと感じます。
「前後左右、全部の言葉は点であり線でもある。だから、バカっていう言葉も無限の愛情を示すこともあり得る。文章は先にあるものではなくて、たくさん思ったり感じたりしなかったら、一行も出てこないものだと思うの。どれだけ思えるか、感じられるか、自分の気持ちが揺れ動くか。氷山の下が大きければ大きいほど、自然に文章は出てくると思うんですね。」
引用:NHK「あの人に会いたい(向田邦子)」より
心行くまで本を読みたい
年月が経っても心に残る作品の数々。
歳を重ねると感じ方は変わるのかもしれません。
読みたくなったら、また手に取りたいと思います。
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