ロングセラーの本を信用すべき理由【ベンツ19】
ベストセラーには2つの見方がある。
ひとつはその時代の読者から支持を得たにすぎないという見方だ。多くのベストセラーは、その時代の社会状況にマッチしたから売れたもので、もともと価値の高い良書だったからベストセラーになったのではない。
内容がよかったから売れたのではなく、時代的な状況、社会的環境、読者の要求にぴたりと一致したからベストセラーになったのだ。多くのベストセラーがこうしてある時期だけ売れ、たちまち消えていくのは、本そのものに固有の価値がないからだ。
もうひとつの(ポジティブな)見方は、時代的な状況と顧客の需要を充足させるだけでも、ベストセラーは十分な価値があるというものだ。本も商品であり、時代的な使命を果たせば価値があるという考え方だ。
結局、この2つの見方はどちらも、ベストセラーが少なくともその時代の人々にある程度役立ったという事実を認めている。
★★★
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