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夢を実現しようと努力した人が、世界の勝利者となる。【人間は~3】
前回のnoteで、本書の著者、アール・ナイチンゲールは、人生の真理――「人間は自分が考えているような人間になる」――を見つけました。そして彼は、この言葉にいたる最大のきっかけとなった人物、ナポレオン・ヒルに出会ったのです。
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なぜ私は、もっと早くにこの真理に気づかなかったのか、そしてなぜ、多くの人がこの事実に気づいていないのか、私にはとても不思議だった。しかし、私はついに秘密のカギを握ることができたのだ。
即座に、私はラジオ番組の台本を自分で書いて生計を立てようと決意した。CBSを辞め、独立することにしたのだ。1950年3月、この決意を実行に移して以来、私の人生は順風満帆である。そして六つの単語が私に革命を起こした。12歳のころからの疑問がついに解けたのである。
この真理を発見するきっかけとなったのは、今日ではすでに古典的名著との評価を得ている1冊の本のおかげである。それはナポレオン・ヒル博士の〝Think and Grow Rich〟(日本語版『思考は現実化する』田中孝顕訳、きこ書房刊)であった。
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後日、世界一の損害保険グループであるエーオン・コーポレーションの会長でナポレオン・ヒル財団の前理事長であるW・クレメント・ストーンの紹介で、このナポレオン・ヒル博士と会うことができたが、このときのことは一生涯忘れられない思い出となっている。
場所はシカゴのファー・ノースサイド(遠北地域)の旧エッジウォーター・ビーチホテル。曲がりくねった大理石の階段を、笑みを浮かべた細身の老紳士が下りてきた。そして私に近づきながら手を差しのべ、「ナポレオンです」と短いあいさつをしたのだった。
ナポレオンという歴史上の人物と同一名であることに引っかけて、「はじめまして、アレクサンダー大王と申します」という言葉が舌の先まで出かかったが、どうにか抑えたことを今でも覚えている。
しかし、この人物をからかわなくてほんとうによかったと思う。なぜなら、ナポレオン・ヒル博士こそ、大哲学、世界の宗教、アメリカン・ドリームの体現者の言葉を巧みに利用し、明解に人生の目的を説明してくれる当代随一の人物だったからである。
私は『思考は現実化する』を読み、その後ナポレオン・ヒル・プログラムを学んだ。このプログラムは、人生やビジネスの成功とかヤル気を持続させるプログラムとしては、文句なく世界最高のものといってよい。私はこのプログラムを学んだことにより、物質面のみならず精神面でも〝巨富”を築くことができた。
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成功したいというのは、人間にとって当然の願望である。もっと生活を豊かに、はりのあるものにしようと考えるのは当然のことであり、また必要なことでもあるのだ。
夢を実現しようと努力した人が、世界の勝利者となる。
すなわち、人生の成功者とは、しっかりした将来の設計を行い、この目標や願望のためにあらゆる努力を惜しまなかった人たちのことなのである。
テオドシウス・ドブジャンスキー(訳注…アメリカの遺伝学・進化生物学者。コロンビア大学教授、遺伝学専攻。一九七五年没)は、『人類の進化』の中で次のように書いている。
どのような未来のイメージを持っているかで、その人物の性格や将来がわかる。あなたの知りたいと思っている人物は、何を考え、何に最も価値を置いているのか、また自分の目標や願望(もしあるなら)を実現できると考えているだろうか? 人が将来に抱く構想は、気質や精神に影響されやすいものである。
あなたが抱いている未来構想を私に教えてくれれば、あなたがどんな人物か教えてあげよう。
この本をあなたが読んでいる今こそ、「未来の自分の構想は何か」を自問するうってつけの機会である。自分が何を考えているのかわからないなら、人生も迷い多きものとなるだろう。未来への構想がしっかりしているかどうかで、人間の運命が決まってしまうのである。実際、あなた次第なのだ。
しかし決まりきった割り切り方はしないでほしい。そんなことをすれば、あなたは植木鉢の縁をぐるぐる回る毛虫のような存在になってしまうだろう。どうか、しっかりと「自分の、あるいは自分の組織、自分の家庭の将来はどうあるべきか」を考えていただきたい。
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『人間は自分が考えているような人間になる』
きこ書房