人間は「試す」ことが大好きなのです【しごたの7】
1924年、シカゴにあるホーソーン工場で、ある実験が行われました。ここは家電を生産していて、従業員は女性ばかりです。どうすれば従業員の作業効率が上がり、工場の生産性が向上するのか、調査をしてみました。
まず最初に、ある仮説が立てられました。「照明を多くして工場内を明るくすれば、生産性があがるのではないか?」。実際、照明を増やすと、生産性は向上しました。しかし、ここで驚くべきことが起こります。なんと、明るさを元に戻しても、向上した生産性が落ちなかったのです。
困惑した工場側は、今度は「照明を少なくして暗く」していきました。すると、信じられないことに、こちらの実験でも生産性がどんどん上がっていったのです。生産性が落ちたのは、「暗すぎて手元が見えない」と従業員から苦情が出始めてからでした。リサーチャーたちはさらに、休憩時間の長さ、部屋の大きさ、仕事台など、さまざまな条件を変えて実験を繰り返しましたが、どの実験を行っても、もともとの作業効率よりも向上していきました。
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