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おばけ
2022年6月1日 15:11
月々の星々という140字小説コンテストに投稿していて、春の時期の分をまとめておく。3月(お題は「解」)卒業式の帰り、もうすぐ春ねと彼女が笑った。雪が解ければ春が来て、彼女は都会に進学する。私は地元就職組だ。最近失恋して髪を短く切った彼女の横顔は清々しく美しい。「帰省したら遊んでね」と言う彼女に曖昧に頷く。雪が解ければ春が来て、私もこの町を捨てる。山に埋めた死体が見つかるその前に。体は打