本記事は、ラスムセン・コンサルティングが発行しているメールマガジンTHE GAZETTEのバックナンバーを、日本語訳をしながら、コメントを加えながら読んでいくシリーズの一つである。レゴ®︎シリアスプレイ®︎(LSP)のファシリテーター・トレーニング修了者向けに書いている。
この記事の引用元原文はこちらのPDFから読むことができる。
今号では企業の創造性をレゴ®︎シリアスプレイ®︎でどう引き出したかの事例を中心に書かれている。
Fidelity Investmentsはアメリカを代表する投資信託の販売会社である。抱える顧客は2500万を超え、従業員も4万5千人を超えている。大企業だからといって安定しているわけではなく、大企業で多額の資金を取り扱うからこそ環境の変化からの影響は大きく、競合からの圧力も強い。
空間を創る、プロセスを開発する
大企業の中でイノベーションを起こしていくために、特別な「スペース」を用意するという方法は良く取られる方法である。以前に筆者の記事で扱った「フューチャー・センター」もその1つだということができる。自社の事業や製品・サービスを強化・革新するアイデアをそこで生み出していく投資をしっかりとしているというわけである。
Fidelity Labsでのこと
単にLSPを導入するというだけでなく、LSPの力を最大限引き出すために、多様性をもつようなチーム編成をするという下地を整えている点に注目したい。横のコラムには、チームメンバーの多様性をさらに引き出すための取り組みが写真と共に紹介されている。
参加するメンバーにも普段から多様な顧客の声を集めさせている、というのはワークショップを設計・提案する側にとっても頭に入れておきたい方法の一つである。
成功事例
定量的な側面で「良さ」を定義できないとき、定性的な側面から「良さ」を再定義しなければならなくなることが多い。感覚的で、多角的に「良さ」を探らなければならないとき、LSPのワークショップは参加者から、その「良さ」についての潜在的な知識を引き出すことに向いている。横のコラムには、そのワークショップで出されたとみられる意見が写真と共に紹介されている。
このような声を掬い上げ、とりまとめていくことによって、顧客にとって良い弁護士を再定義し、新たな商品・サービスの提供につなげていくということである。イマジネーションを最大限に膨らませ常識を打ち破る方法もあるが、顧客視点や従業員感覚の多様性をうまく引き出すことも非常に有力なレゴ®︎シリアスプレイ®︎を使ったイノベーション手法だと考えられる。