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連載「菌活ボーイがゆく」②菌は生きている
こうじの魅力にはまった猫サラリーミャンの菌活実践記です。
「育て上げた醤油こうじを食べてしまうのが心苦しくて」の心境で菌との触れ合いの日々を送る。
さっちー師匠ににゃんだかんだ巻き込まれながら“菌友”(菌活友だち)づくりに励む。
文/菌活ボーイ
イラスト/ちぐ
![](https://assets.st-note.com/img/1725700152-o3zCdNj2Tu0cZfa18LlgFMPH.png)
ぼんっ。小気味よい発射音。
指の間をすり抜けて、ボトルキャップが飛び出した。
慌てて見回す間に、ノズルから醬油こうじがあふれ出す。
まるで、火口から流れ出す溶岩。
僕はただただ立ち尽くし、ぼうぜんと見つめるだけ。
連日の猛暑で、わが家の菌はやたらとハッスル。
ボトル世界は気泡がいっぱい。
呼吸しやすいようにキャップを緩めたら、ぶしゅ~っと噴出ガス。
勢い余ってキャップが飛ぶたび、台所の床をはいずるはめになる。
ボトルに詰めるこうじの量はほどほどにすべし。
キジトラ流菌道のたしなみに必要だろう。
日ごとにキャップの家出が増えてきた。
見張っているわけにもいかないし。捜索は大変だし。
「どうしたらいいでしょう」
さっちー師匠にすがりついたら、「経験したことにゃい」とつれない返事。
まさか、弟子の苦難に興味ないのでは。
いやいや。でも…。いやいや。
きっと、「道は自ら切り開け」という教えに違いない。
台所にこもり、試行錯誤の31分。
ついに、新たな育菌の技を編み出した。
(続く)