相手に期待しない、自由と責任はセット、フィンランドのジェンダーギャップ
6月に発表された「Global Gender Gap Report」(世界男女格差報告書)で日本は146ヵ国中125位で過去最低を記録し話題になりましたが、フィンランドは同ランキングで3位に位置しています。
機会が平等=責任や覚悟も平等
旅の中で出会った40-50歳代位のフィンランドの方たちも、家庭で男女ともに家事・育児をするのは当たり前という感覚を持っていました。教育も就業や起業のような社会的チャンスも平等なので、文化が異なる移民を支援するプログラムはありますが、女性だけを特別に支援するプログラムはなく、逆にそのような支援は女性を特別視している=ジェンダーギャップになる、という考え方です。
これだけ聞くとパートナーシップ含め、ジェンダーが対等なことにポジティブな印象しか抱きませんが、個人的に印象的だったのは現地に移住した日本人女性の方が言った「教育も社会的機会も平等だから、女性も男性と同じように社会に出て収入を得ることができ覚悟も必要」という言葉でした。フィンランドに生まれ育ったら女性としてもそれが当たり前かもしれませんが、その方の言葉を借りると「女性=庇護される存在という感覚が少しあったので、女性も社会にどんどん出て行くことに覚悟を持つ必要がある」とのことでした。機会や保障が全て平等だからこそ、日本で生まれ育ち、女性が結婚後家庭に入るイメージを少しでも持っていると、社会に出ていくことに対する覚悟や責任について考えることもあるようです。
資源が少ないからこそ、人という資源に投資する
フィンランドにおける男女平等の実現は、1906年から始まっています。議会改革により、身分、性別、社会的階層、財産や地位によって制限されない普通選挙権が、すべての成人市民に与えられました。女性に参政権と被選挙権を同時に認めた世界初の国で、当時は世界的にみても進歩的なことでした。元々農耕民族で男女ともに働くことが当たり前という歴史もあるようですが、個人的には人を資源と考え人に投資するスタンスが、世界的にも有名なフィンランドの個性を伸ばす教育や、ジェンダーフリーにも繋がってるように感じました。男女関係なく実力主義で働けたら、国の経済にも良い影響があるように思います。
さらに多様なジェンダーを認める社会に
LGBTQへの配慮もあり、フィンランドではジェンダーに関係なく入れる共通のトイレも増えています。全て個室で個室の敷居に隙間もないので、心理的安全性も確保されています。
トイレのマークはこんな感じでデザインの意図を調べたところ「このシンボルは、2つの主要な性自認の両方、それらの間のより流動的な定義、性別再割り当て手続きを受けた人々と自分自身をジェンダーレスであると定義する人々の両方を考慮している」とのことでした。
ジェンダーも親子も全ての人間関係で、相手に変な期待をしない
教育現場やその他の場で、フィンランド人が人間関係について話す時によく出てきたのが「信頼」と「期待しない」というキーワードです。ジェンダーにおいても、「男性だから」「女性だから」はなく、例えば力仕事は男性だから任せるのではなく、男女関係なく「その人が得意/好きだから任せる」という考え方で、「男性ならこれをやってほしい」「女性ならこうあってほしい」という変な期待もないように感じました。
今回はジェンダーの視点でフィンランドのレポーティングをしました!
最後までご覧頂きありがとうございます。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?