一眼二足三胆四力
一眼二足三胆四力 ( いちがん にそく さんたん しりき )
この言葉は、
「剣道」で使われる言葉のひとつで、
古来より剣道において大切とされるものを
重要なものから順に並べているのです。
一眼
第1に大切なのは「眼」。
剣道においては、相手の心とその動作とを見破る眼力、
洞察力が最も重要。
この眼力を養うことで、心と心の戦いを制するというのです。
二足
第2は「足」。
足はすべての動作の基本。
剣道においては、
「立合いは竹刀で打つな、手で打つな、胴造りして足で打て!」
と教えています。
初心者は手先だけで打って、
足がこれに伴わないことを戒めているのです。
三胆
第3は「胆」。
「胆」とは、「胆力」つまり「腹構え・度胸」のこと。
戦いには、驚き・懼(おそ)れ・疑い・惑(まど)いがつきものです。
これらの弱い心を払拭するのが「胆力」。
どんな相手、どんな状況にあっても、
冷静に対処・決断し、果敢に挑むための力です。
四力
第4は「力」。
「力」といっても体力のことではなく、「技(わざ)の力」のこと。
4番目にしてはじめて「技術」の鍛錬を位置づけたところに剣道の教えの奥の深さを感じます。
このことは、
なにも剣道に限らず、
私たちの「生き方」にもあてはめて考えることができます。
とりわけ、若い先生・指導者には、意識してほしいと思います。
このほかも、次のような言葉が、剣道にはあります。
残心(ざんしん)
剣心一如(けんしんいちにょ)
直心是道場(じきしんこれどうじょう)
打って反省、打たれて感謝
「有効」「効果」などの加点ポイントがあって勝負がつく柔道やレスリングと違い、ひとつの技が決まるかどうかでしか勝負がつかないのが、剣道。
その道は、受け継がれてきたものの深さとあいまって
とても厳しいものなのです。
私が初めて剣道部の顧問となった時に学んだことです。