音楽で繋がるチェンマイの熱い夜 (タイ・ベトナムほぼ女ひとり旅行記vol.6〜チェンマイ2日目〜)
これはタイとベトナムを12日間弾丸ほぼ女ひとりで旅した記録です。
朝ごはんはマンゴスチン
昨日はじっくり休めたので、身体も少し軽くなった気がする。
昨日の遅れを取り戻すかのように、
近くの屋台へ朝からがしがしと繰り出した。
何か朝ごはんになるようなものはないだろうか…。
と物色していると、
山積みになったフルーツたちが並んでいる屋台がずらり。
その中に……、あった、あった。
果実の女王、マンゴスチン。
個売りはしていないようで、重さを測って売ってくれるも、多い…。
数日は持ちそうだ。
ホテルへ帰ってさっそく食べてみる。
いざ、実食。
白い房の実は、見た目はライチに似ているけれど、
味はとろんとしていて、もったりと甘い。
ホテルでチェックアウトまでのんびりと過ごして、
次なる滞在場所へ移動。
歩いて移動しようと試みるも、あまりの暑さとスーツケースの重さに
思わずトゥクトゥクを捕まえる。
ああ、なんて快適なんだろう…。
車内を吹き抜ける風が気持ち良い。
相場さえわかってしまえば値段交渉も楽だし、
私はこの旅でトゥクトゥクという乗り物が大好きになった。
パンさん、元気かなあ…。
バンコクを出る時にちゃんと挨拶したかったな。
心残りは次の旅への原動力。
少し残しとくぐらいがきっとちょうどいい。
ぶらりチェンマイ散歩
チェックインの時間まで少し時間があったので、
スーツケースを預け、ホテルの近くを散歩した。
今回泊まったホテルはターペー門のすぐ目の前。
昨日は旧市街の中を散策したので、
今日は外のワローロット市場の方まで歩いて行ってみる。
途中のアンティークショップをちらと覗くと、
細かく色鮮やかな絵が小さなビンの中に描かれたものたちに目を奪われる。
アンティークショップの楚々とした女主人にこれは何か聞くと、
「snuff」と。
分からず調べると、どうやら昔の中国の嗅ぎ煙草らしい。
こんな小さなビンの中に、こんな細かく綺麗な絵をどうやって描いたのだろう…。
タイにいるとどうやら虎に惹かれるらしい。
虎の絵柄のものを選ぶ。
優しいマダムが450BH→350BHに値下げしてくれた。
途中の屋台でマンゴースムージーをゲットし、
飲みながら市場へ向かう。
旅の間、スムージーを飲んだり、果物を食べたり、屋台飯を食べていたら、
肌の調子がうんと良い。
余計なものが入っていないからだろうか、
あとはきっと毎日暑すぎて滝のように汗をかくから。
帽子か日傘がないと街歩きはちょいと危ないくらいの暑さだ。
市場に着くも、あまりの物の多さと暑さにやられ早々に離脱。
途中の道でふらっと見つけた食堂で腹ごしらえをし、
ホテルのチェックインへ急いだ。
北欧テイストのかわいいホテル
今日から2日間泊まるホテルはターペー門近くに位置する
「Muan Hostel」 (ムーアンホステル)
インテリアが北欧テイストで可愛らしいゲストハウス。
かわいいインテリアに気分が上がり、
散歩で少し歩き疲れたのもあって、ホテルでひとやすみ。
旅の日記や、今日これからの予定をのんびりとノートに書き出してみる。
旅行5日目にしてはじめて筆を取る。
旅には、お気に入りのペンと小さなノートが必要不可欠。
旅で感じたこと、これからやりたいこと、
行きたいところなどをとりとめもなく綴ると、
新しい刺激で膨張した頭が静かに整理されてゆく。
旅先での日記は後から読み返しても、
その時の思考とともに、その場所の空気がぶわっと香ってくる。
もっと早くから書きたかったなと少し後悔。
この後、やらなければいけないタスクをひとつこなし、
灼熱の太陽がおとなしくなるまでしばしの午睡。
ジャズの熱気に酔いしれて
夜、どこか飲める場所はないかとGoogleマップで探していた時に、
おもむろに見つけたジャズバー、
「The North Gate Jazz Co-Op」
ここが大当たり。
入場料などはなく、奥のカウンターで好きなお酒を買って音楽を自由に聴くスタイル。
私はChangを一本手に入れ、
人でひしめき合う店内で、どうにか入り口付近のデッドスペースに居場所をつける。
座っている人もいれば、椅子がなくて立っている人もたくさんいる。
しばらくチューニングするバンドや出入りする人々を眺めていると、
おもむろに演奏が始まった。
それぞれゆるやかに過ごしていた視線が一気にステージへ集中する。
ステージから溢れる音は、まるで風が吹くように熱気がこもり、
なによりも演奏するバンドのひとりひとりがなんとも楽しそうで、
それぞれに視線を交わしながら、
無邪気にその場の空気を遊んでいるかのようだった。
それにのせられるようにジャズバー全体が熱くなり、
客と演者そしてジャズバーの箱ごと陽気に揺れているような感覚。
みんながそれぞれに、それぞれの乗り方でこの場を楽しんでいるのがすごく良い。
こんな海を超えた遠くで、こんな風に音楽を愛してやまない人たちがいて、
そしてまた、どこかわからない遠くの国から集まった人たちが、
その人たちが奏でる音楽を、幸せそうに浴びる。
その光景と、その場のみんなが音楽で繋がっているような、
あたたかな感覚に、少し泣きそうにさえなった。
興奮冷めやらぬまま帰路へ着く。
夜も0時近くとだいぶ更けていたけれど、
中途半端な時間に昼寝をしたせいか、
はたまたジャズの熱気にのせられたせいか、
静かな夜のチェンマイの街に、わたしのお腹の音がぐうと鳴り響く。
よし、腹ごしらえをして帰ろう。
暗い夜道にぽつんと灯る明かりを見つけ、
運よく巡り合えた食堂でよく分からぬ炒め麺を適当に注文する。
ジャズの興奮がまだ身体にみなぎっていたせいか、
無我夢中で食べてしまい、味があまりしなかった。
(ただ単に薄味だったのかも)
音楽って、すごい。
「ジャズすげーーー…。」
ひとり何度もつぶやきながら、ホテルへと帰る。
音楽さえあればほとんど全てのことは解決するんじゃないか、
と思うくらいパワーを持った、なんともアツい夜だった。
タイ・ベトナムほぼ女ひとり旅行記、次回は🇹🇭チェンマイ3日目!→
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