人の生活がゆらゆらと流れていく。この時間は空気が満たされていて、ゆっくり息ができる。

私はこの時間帯のマクドナルドが大好きだ。今は妹の引っ越しについて長崎に来ている。彼女の家で母も私も泊まっているから、3人、少し居心地が悪い。昼間にやり残した作業もあったから、歩いて15分くらいの商店街にある24時間のマクドにいる。商店街の通りが見えるカウンター席に1人で座っている。

右っ側の席にカップルがいて、楽しそうに喋ってた。「頼みすぎたね（笑）」とか言ってた。多分大学生だろうなあ、2人は一緒の家に帰るのかな。
左っ側の席ではイヤホンしたおじさんがぶつぶつ言いながらハンバーガーを貪った後、1時間くらい寝てた。いつの間にか帰った。
後ろの席では、恐らく地元出身のママ友会が開催されてた。「あの先生、〇〇ちゃんのお母さんには優しいよね。」とか、「バレンタインデーで△△ちゃんがチョコ持ってくるのは良くて、ホワイトデーにお返し持ってきたら全員怒られたのやっぱおかしいよね！」とか何かしら愚痴と噂話のオンパレードだったけど、楽しそうだった。

そんな人達もみんな帰っちゃって今は私1人でこんなことを書いている。
大したことはしてないのだけど、この時間が堪らなく好きだ。
夜のマクドのプレイリストは私の存在を包んで沈めてくれる。LEDの電球に照らされてこんなにも明るいのに、深い藍色の中に落ちていく感覚になる。

ここのマクドは商店街の交差点にあるから、近くの飲み屋でお酒を飲んで少しよろつきながら歩いている人たちがぽつぽつと通る。
今日も一日働いていたのかな、ご飯は楽しかったかな、家に帰ってお風呂に入って寝るのかな、ベッドに直行かな、

人の生活がゆらゆらと流れていく。この時間は空気が満たされていて、ゆっくり息ができて、心地がいい。
あ〜私も生きていきていけるかも、大丈夫かも、って思える。この時間に私は生かされているのかもしれない。