日本硬貨のデザイン。
みなさん、お金は好きですか?
生命保険外交員として、私がセミナーや研修の冒頭でこう質問すると、ほとんどの人は「好き」だと答えるわけ。ニヤリとしながら。
中には「好きも嫌いもない。お金は道具だから」という高潔な意識を持った人もいるが、やはりほとんどの人が「好き」だと答える。
今日の記事は、みんな大好き「お金」についての記事である。それも「日本硬貨のデザイン・その意味と由来」に光を当てて書こうと思う。
なぜ書くかといえば、先日こう思ったからだ。
思っちゃった。
思っちゃったんだから、調べた。
調べたよ、もう。
てなわけで、この記事では、今より少しだけお金(特に硬貨)への愛を深めていただくことを目指す!
では、いってみよう!
れっつ!マニー!
▶︎1円玉のデザイン(若木)
実在しない植物
描かれているのは「若木」である。が、この若木は実在しないものらしい。「特定のモデルがないので、どの木にも通じる」という謎の理由らしい。
表面の若木に描かれている葉の数は8枚。若木は日本が伸び行く姿を象徴したもの、だとのこと。
「8」という数字にも意図を感じる。
調べても出てこなかったが、この「8」という数字が持つ、中国由来の古来からある考え方については、以下の記事を参照してほしい。
【8の秘密】要するに縁起のいい数である8
一円玉のデザインは公募で募集した
一円玉は、日本で発行中の6種類の通常硬貨のうち、デザインが一般公募によって決定された硬貨である。
1954年、全国から2,581点もの応募があり、この若木が採用されたらしいゾ。
▶︎5円玉のデザイン(農、工、水、林)
焼け野原から復活する決意
五円玉は涙ぐましい。戦後日本の決意みたいなものがデザインされているからだ。もう、文章で説明するのも面倒なので、画像を引用する。
1959年(昭和34年)以降、製造発行されている五円硬貨には「日本の産業」に関するモチーフが用いられている。
・稲穂は農業
・歯車は工業
・横線は水面で水産業だ。
「おれらアメリカにボコられたけど、マジで頑張ろうな、ここからだよな、んなっ」感を感じる。
ちなみに裏面の双葉は林業、民主主義に向かって伸びていく日本を表しているらしい。
五円玉に穴があいている理由
五十円玉と共通だが、
・視覚障害の方への配慮
・偽造防止
・製造経費の削減
であるようだ。
▶︎10円玉のデザイン(平等院鳳凰堂)
平等院鳳凰堂が描かれた理由
表面には京都府宇治市にある世界文化遺産「平等院鳳凰堂」が描かれており、上下に配された「日本国」と「十円」の文字の周囲には唐草模様があしらわれている。
裏面には「10」と製造年、そして、リボンに結ばれた枝の姿があるが、これも一円玉同様、どうやら特定の樹木ではないらしい。
十円玉の平等院鳳凰堂は細密にデザインされている。これは発行開始当初の十円玉が、最高額硬貨であったため、偽造ができないように精密な図柄を、という趣旨。
ならば、と当時、世界遺産に選ばれたばかりの
平等院鳳凰堂が選ばれたらしい。
▶︎50円玉のデザイン(菊の花)
小銭入れに入っていると、少し嬉しい五十円玉。これは過去に発行されたものも含め(デザインは大きく異なるものの)全ての五十円硬貨で一貫して菊の花が題材として採用されている。
日本における「菊」
菊は放射線状に整っているために、太陽になぞられて百花中最上位にランクされている。
日本のほぼ最高位の勲章にも「大勲位菊花大綬章」というめまいのする文字の羅列があるが、この中にも「菊」が入っている。
「菊」には、不老不死・延命長寿・無病息災・邪気払い、の基本的意味がある一方で、万物生成の根元・精神・気力の充実・安定・気高さ・落ち着きなどの意味にも解釈されるらしい。
「菊」はとにかく縁起のいい花らしいのだ。
▶︎100円玉のデザイン(桜の花)
みんな大好き百円玉。百円玉はお財布に何枚あってもいい。日本硬貨の長男感あふれる硬貨、それが百円玉である。
百円玉は桜
百円玉には日本の「国の花」である桜が描かれている。五十円玉が菊なら、ここは桜だ。種類は山桜(ヤマザクラ)であるらしいぞ。
ちなみにこの桜は、百円玉だけでなく、千円札、二千円札、五千円札、一万円札にも描かれているらしい。さすがは古来から親しまれてきた日本という国の花である。
ちなみに山桜の花言葉は「純潔」「高尚」「淡白」「美麗」そして「貴方に微笑む」だってさ。
▶︎500円玉のデザイン(桐)
プチボーナス的な五百円玉。小学生ならば貯金箱に大量に入れておきたい硬貨であり、百円玉が長男ならば、五百円玉はお父さんである。これがポケットから出てきた日には「あぁ!なんてツイてるんだ!」と思わせる存在だ。
世界有数の高額硬貨
五百円硬貨は、日本の硬貨で最高額であるばかりでなく、世界でも有数の高額硬貨であるらしい。そうなんだ。となると、偽造防止に躍起になる気持ちも分かる。
画像の五百円玉は最新のデザインであるが、これがお財布に入っていると「お!」となる。自動販売機などでは使えない点がなんとも悩ましい。
やっぱり縁起のいい植物たち
五百円玉のデザインだが、表には桐。
裏の上下には竹。左右に橘が描かれている。
「桐」は古来から縁起の良い木、幸福をもたらす木として尊ばれている。皇室に縁の深い木として尊重されてきたとか。
「桐」の紋は、古くから家紋の最高使用順位の第1位として天皇家で使用されており、菊と同様に朝廷の木だったらしい。
・後醍醐天皇が足利尊氏に桐の紋を送った
・豊臣秀吉の紋、太閤桐
このような文化が桐の高級感を創り、現在でも日本政府の使用するものや皇室関係には桐が使用される。「桐」はすげえな。
また、「橘」は「文化は散ることがない」ということから、文化勲章のデザインにもなっているらしい。ひな祭りのひな壇にも、「右近の橘、左近の桜」として、飾られているところに名残が見える。
「竹」はもう、分かる。ぐんぐん伸びるから。
▶︎おわりに
やっぱ「お金」って大切なんだなぁと思ったし、もっと好きになった(語彙力)。なぜならこれだけ縁起だとか色んなことを考えてデザインされているからだ。
また、日本における菊、桜、桐などの植物たちが意味するところもよく分かった(なにこれ、自由研究?)。
これで私のマネーセミナーのラインナップには新たに「日本硬貨のデザイン」というテーマが出来たぞ。
つみたてNISAがどうだとか、保険の見直しがどうとか、そんなことよりこっちの方がよっぽど楽しそうである。
よーし、今度セミナーをやってみよう。
その時も最初に、こう質問するんだ。
「みなさん、お金は好きですか?」
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