1997年のクリスマスプレゼントが思い出せない。
覚えている限りで最も古いクリスマスプレゼントは「超力戦隊オーレンジャー」のおもちゃ「オーレンジャーロボ」である。
5才のクリスマスの朝、リビングに行くとほかの兄妹たちのプレゼントといっしょにオーレンジャーロボが置いてあった。
あの嬉しさ、不思議さったらない。
オーレンジャーが放送されていたのは1995年であるらしいのだが、戦隊シリーズでいうと、私は「恐竜戦隊ジュウレンジャー」のころを覚えている。ジュウレンジャーは1992年放送であるらしい。私は1990年生まれであるからなんと2才のころの記憶があることになる。すごい。
戦隊シリーズの中で最も熱を上げて見たのは1993年放送の「五星戦隊ダイレンジャー」であり、あれは録画したビデオが擦り切れるまで見た。
あまりに見過ぎてとうとうビデオテープが機能しなくなり、最後には擦り切れたビデオのテープを引っ張り出し、あの黒く細長いテープにダイレンジャーの画像がないかを血眼で探した。当然テープに画像など写っているはずもなく「ぼくのダイレンジャーがない! ないったらなーーい!」と泣いた。
ちなみにダイレンジャーの変身アイテムは「オーラチェンジャー」というカブトムシみたいなやつだ。「気力転身! オーラチェンジャー!」のオーラチェンジャーである。あれも持っていた。オーラチェンジャーがクリスマスプレゼントだったのかどうかの記憶はない。
次に記憶にあるクリスマスプレゼントは「ニンテンドー64」である。
たしかマリオカートのカセットと一緒にリビングに置いてあった。抱き合わせ販売なのであろう。ニンテンドー64の発売は1996年であるらしい。ということは1995年のオーレンジャーロボから翌年は一気にゲーム機に格上げになったことになる。
もうひとつ記憶にあるプレゼントは「ゼルダの伝説 時のオカリナ」だ。
これの発売は1998年なのだが、そうなると1997年に私はサンタから何をもらったのだろう? 記憶をいくら呼び起こしても1997年のプレゼントが思い出せない。
空からアンゴルモアの大王が降ってこなかった1999年のクリスマス。
9才になった私はサンタに「MDコンポ」をねだる。実は1998年の「時のオカリナ」の時点で、サンタが親であることに気づいてしまった。
おばあちゃんの家からの帰り道、車の中の後部座席に「時のオカリナ」の箱を発見してしまったのである。見てはいけないものを見てしまったと恐怖した。
サンタの正体を知った上で挑む1999年のクリスマス。親にねだったMDコンポはたしかに届いた。紫と銀色のコンポである。
プレゼントがサンタから届く直前の夜、MDコンポが自宅内のどこに隠されているのか静かに探した。
サンタは父さんと母さんだ。だからこの家のどこかにMDコンポが隠されているはず。そう思って探した結果、トイレのとなりにある納戸の奥底にコンポを発見する。悲しくも自信が確信に変わった瞬間である。
それからは高額なプレゼントが届くことはなくなった。代わりにお菓子の詰め合わせセットみたいなものが届くようになる。それでいいと思った。
さて、サンタの正体が親だとバレた場合、子どもの夢を壊さないためにどのように説明すればいいか。ネットでさまざまな言説が見られる現代、私は以下の説明を使いたい。
......
...
子ども「サンタさんはいないの? お父さんとお母さんなんでしょ! ずっと嘘をついていたんだ!」
ワイ「うるさい。いいか黙れ。サンタさんは世界中の子どもたちにプレゼントを届けているんだ。サンタさん1人ですべての子どもにプレゼントを配れると思うか? しかも一晩でだぞ?」
子ども「無理ポじゃないかな」
ワイ「せやろ。難しそうだろ。だからサンタさんの労力を減らすために、お父さんとお母さんはサンタさんから依頼されてキミにプレゼントを渡しているのだよ」
子ども「ウソだ! サンタさんいないよ! 同じクラスのケンタも言ってた!」
ワイ「ケンタは騙されている。目を覚ませ。ケンタは情弱だ。サンタはいるんだ。マジだ。ほらこれを見てみろ」 (ピロッ)
────サンタと私がこれ以上ない笑顔で写っている写真と動画を見せる。
子ども「う、うわあ! マジだ! すげぇ! サンタはフランチャイズモデルを採用してるってことかぁ〜!」
ワイ「お前頭いいな! Amazonもびっくりのサプライチェーンを持ってるんだサンタは!」
子ども「クリスマス特化だからそんなことができるんだね! そっか、サンタさんってフランチャイザーの社長だったんだ〜」
ワイ「フハハハハハ! さすが俺の子だ! 今度サンタ社長に会わせてやるからな! 俺を尊敬しろ!」
子ども「うん! リスペクト〜!」
簡単である。
にしても1997年のクリスマスプレゼントが思い出せない。いったい何をもらったのだろう。
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