ぎっくり腰になった人は、どんな夢を見るか?
32年生きてきたが、幸いなことに、ぎっくり腰になったことはない。ぎっくり腰経験者に聞くと「人生が終わったと感じる」ほどにヤバいらしい。そんなにヤバいのか、ぎっくり腰。
ある日、札幌市内のカフェで、私を含めた男女4人で話す機会があった。私以外は全員40代である。そして、私以外の全員が、ぎっくり体験者である。
今日は、彼ら、彼女ら、3人の
ぎっくり腰体験について、書いてみる。
1人目「車から降りるときにぎっくり」
45歳の男性は、休日の家族とのショッピング中、車から降りたときにぎっくり腰になったらしい。
そこからまったく動くことができなかったが、運転中は腰が固定されてラクな姿勢になるので、なんとかして家に帰った、とのことだ。
その様子を見た彼の奥様と子どもたちは、お腹を抱えて文字通りの大爆笑だったらしい。
2人目「時限爆弾式ぎっくり」
43歳の女性も過去に何度もぎっくり腰になっていると言う。複数回のぎっくり体験をしていると、どうやらその兆候がわかるらしい。
「あ、くる」
と思うらしいのだ。
「あ、くる、これはくる、ぎっくりくる…」
「いててて、これはくる、マズイ」
「あいたたたた、またくる、これはくる」
って思ってたら本当にくるらしい。
「私なんてもう、この腰に爆弾抱えてるみたいなもんなんですよ〜、もうほんとにバクハツです〜」
「時限爆弾じゃないですか、それ」
「そうなの〜」
かわいそうだ。絶対なりたくない。
3人目「ぎっくりになると必ず見る夢」
46歳の彼はお調子者だ。
彼もぎっくり経験者らしい。
「ほら、ぎっくり腰になるとさ、まったく歩けねーじゃん」
「うんうん」
「でも、歩きてーじゃん」
「歩きたい、歩きたい」
「で、おれ、ぎっくり腰になると、必ず見る夢があるんだよ」
「なになに」
「緑の草原をスキップする夢」
「なにそれ〜!」
「大草原を楽しそうにスキップすんのよ。現実では歩けねーから、せめて夢ではスキップしたいんだろうなぁ」
「ウケる〜!」
笑った。
普通に笑った。
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