窓から星と雪が見えるよろこび。
今日の札幌は夕方前まで雪だった。深夜から降り始めた雪は朝も変わらず降っていて、すこし雨混じりだったのだけど、すこしずつ本格的な雪になり、日中外に出るころには路面にべちゃべちゃな雪がつもっていた。当然、クツの中も濡れる。いやだ。
新しい家に引っ越して自分の部屋を持つことにした。前の家には自分の部屋がなかったから大きな変化である。夜眠る前、カーテンもまだないベッド脇の窓からは夜空がよく見えた。前の家は建物に囲まれ外の様子がよくわからなかったし、ましてや空など見えもしない。
札幌の街あかりは夜でも煌々としているので星を見ることはこれまでなかったが、いまは星をちらほら見つめることができる。ま、小さなころに見ていた田舎の星空ほどではないけれど。
夜、窓にかじりつくようにして星を眺めてみる。うすーく光った三連星があり「あ、あれはオリオン座だな」と気づく。もうしばらく見つめていると、オリオン座の左ななめ上にひときわ輝く黄色の恒星が見えた。調べてみると「カペラ」という一等星であるそうだ。知らんかったわ。
昨夜も眠る前に窓の外を見た。ポツポツと聴こえるような気がしたので雨かなと思って見つめると、雨独特の線形の軌跡が見えない。代わりにやや大きな粒がゆらめきながら降っている。ここで雪だと気づく。
例年11月は雪が降ることが少ない気がするし、今日降った雪も明日には溶けることだろうが、やはりこの街には雪が降る。
寒さの朝に歩きながら、またこの季節がきてしまったかと思い絶望し「このビハインドの中で生きている自分たちってやっぱ偉くね?」と思った次第である。
【関連】雪が降る街に暮らすビハインドについて