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どこかの誰かが描いた好きな絵
準備なんてしなくても。
バウムクーヘンのような。
言葉なしで。
そのまま流れこんでくるような。
夫と2人とあるイベントに出かけたら、そこで地元の絵画サークルの展示会も催されていた。受付をされていたのはそのサークルの年配の方。見にきているのも年配の方が多く、その中へふらりと誘われるように入って行った。
たくさん壁に展示された絵をゆっくりじっくり見て回る。水彩、油彩、パステル。プリンタインクなどで使われるトナーで描かれている絵もあった。
光がきれいに描かれている絵。同じ景色が描かれているけど、描く人によって現れる個性。写実的に描かれた絵。ファンタジーのように、現実には見えていないものも描かれた絵。ふんわりやわらかな印象の絵。かちっとした絵。細かく描かれた絵。優しい色合いの絵。コントラストがくっきり際立つ絵。
夫とあれこれ感想を言いながらゆっくり見て回ってると、その絵を描かれたおじいさまが絵の説明を楽しそうにしてくれた。まだ絵を描き始めて1年たっていないそうで、絵を描く楽しさが話しぶりから伝わってきた。楽しいこと好きなことに夢中になってる姿っていいなぁと思った。
たくさんの絵の中で好きだなぁと思った絵が数点。波に映る光がきらきらとした海辺の風景の絵。黒いトナーで描かれたぼんやりと明かりが灯る夜景の絵。
すごく気に入って、部屋に飾りたいと思った絵がひとつあった。どこかの景色が描かれていたのだけど、全体的に色を乗せるのではなくて、白を残した少し抽象的な絵。ラフな黒い線とシンプルな数色の色で描かれていた。売り物ではないけど、家に持って帰りたいと思う素敵な絵だった。
光と影が描かれてる絵が好きなんだ、と気付いた。光だけじゃ物足りない。影ばかりじゃ心が踊らない。
小さな頃からずっと絵を描くことが好きだったけれど、結婚してからはすっかり絵を描くことから遠のいてしまっていた。絵を描く仕事をしたいなとチャレンジしていたこともあったのだけど、絵を描きたい気持ちもすっかり忘れてた。でもまた気持ちに余裕の出来た頃に絵を描くのもいいな。
絵を見て、刺激を受けた1日だった。