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夏の終わり
こんにちは、ぱんだごろごろです。
昔は、夏も終わりに近づくと、胸を掻きむしられるような切なさと悔しさを感じたものでした。
夏休みという、長い長い自由時間が終わり、また毎日学校へと通う、決まりきった日々が戻ってくる。
そう思うと、絶望感すら感じるのでした。
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あの頃はなぜあんなに、夏が特別なものとして輝いていたのでしょう。
宿題もどっさり出たし、登校日もありました。
学校や勉強から完全に離れていた訳ではなかったのに。
バカンス、太陽、ビーチパラソル、リゾート、砂浜。
あるいは、高原、別荘、森林、木洩れ日の中を散策する午後。
非日常の世界。
そんなものを垣間見せてくれたのは、夏だけでした。
夏は魔法の季節でした。
夏のあいだだけなら、私はお城に住むお姫様や、夏離宮で過ごす公女様、広壮なお屋敷で暮らす貴族の令嬢にもなれたのです。
(夏に、開放的な恋の季節というイメージがあるのを知るのは、それから数年後のことです。
そして、それを知るきっかけとなったのは、夏の恋をテーマにした歌謡曲によってでした)
サルビアの花が色褪せてくるのを見ると、夏と云う季節の終わりを否応なしに受け入れざるを得なくて、子ども心に諦めにも似た寂しさを感じたものです。
夏には、ギラギラした真っ赤な太陽、熱く焼けた砂浜、麦わら帽子にサンダル、日に焼けた肌、そんなものが必要で、少しでも涼しい風が吹こうものなら、それはもう夏ではなく、夏の抜け殻、夏のまがい物になってしまうのでした。
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そんな子ども時代を過ごした私ですが、今は秋の到来を救世主が来るかのように待っています。
秋よ、来い来い。
もうこんな、亜熱帯のようなもわっとした熱気に満ちた場所で暮らすのは、初老の女性である私には無理な話なのです。
ひたすら、つらい。
暑さが、つらい。
一日、生きて暮らしているだけで、疲れる。
通勤で駅まで歩くだけで疲れます。
暑いのです。
職場で働くだけで疲れます。
暑い中で仕事をするのですから。
駅から家まで歩くだけで疲れます。
だって暑いのです。
もう、何なんでしょう、この季節は!
歩いているだけで、足の先から溶けてきそう。
自分がドロドロになって、透明なクラゲみたいになっていくのが見える気がする。
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いや、もう、頭の中身まで腐りそう。
頭ごと冷蔵庫に入れておきたい。
そこまで思って、私はハッと気付きました。
えぇっと、何だか暑くなってくると、もわんとした熱気と汗と匂いを振りまいていた存在が、かつてこの家にいたような。
アレは一体どうなったのだろう。
あまりの暑さにアレの存在を忘れ切っていました。
たまには親にラインくらい寄越せばいいのに。
○○ちゃん、生きてる?
腐ったり、発酵したりしてない?
ちゃんとお風呂に入って、洗濯もしてる?
可愛い可愛い息子から、お返事が来ました。
生きてるにー
お風呂はシャワー専門、洗濯はコインランドリーとクリーニングにお任せだに〜
まあなんとか破綻してないです🐱
どうやら腐ったり発酵したりはしていなかった模様です。
良かった、良かった。
一人暮らしの部屋から、変な臭いがしてきたり、漬け物が腐ったような臭気が漂い出したりはしていなかったようなので、ひと安心です。
それにしても、ちゃんとシーツや枕カバーは洗っているのでしょうか。
(この点については、疑いは晴れません)
何と言っても、息子の部屋には、洗濯機と冷蔵庫がないのです。
狭すぎて、置く場所がないからですが、だったらミニサイズの冷蔵庫くらい買えばいいのに。
お誕生日のお祝いに冷蔵庫を買ってあげようかと提案したのですが、断られました。
お風呂がシャワーのみというのは、多分お風呂掃除が面倒だからでしょう。
一応、アレでも社会人ですから、そう心配することもないのかもしれません。
次は、冬になったら、凍えていないか、冬眠していないか、心配になるんだろうなあ。
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今日も最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
この度の台風で被害に遭われた方々に、お見舞い申し上げます。
この後も、大雨や突風の危険が続くそうです。
なにとぞご注意のうえ、ご自愛くださいね。
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