年を取るのが、怖くなくなる! 素敵な彼女の年齢に、早く追いつきたい~憧れのオリヴァ夫人
こんにちは、ぱんだごろごろです。
以前、私は、【年代ごとのロールモデルを作りましょう。あなただったら誰にする?】の記事の中で、今現在の私のロールモデル(生き方のお手本)は、オリヴァ夫人です、というお話をしました。
年を取るのが怖くなくなる方法~年上の女性をロールモデルにする
自分より年上の人をロールモデルに設定することの利点は、年を取るのが、怖くなくなる、ということ。
女性は、年齢を重ねることで、容貌の衰えや、体力の低下など、否応なくネガティブな現実を突きつけられます。
これは、若い頃、美貌だった人ほど、深刻な打撃になるようです。
そして、もう年を取りたくない!、と悩むようになるのですね。
けれど、美貌は数ある魅力のうちの一つ。
もっと大きな魅力が、たくさんあれば、多少シワやシミができようと、白髪が増えようと、誰も気にせず、あなたを愛し続けるのではないでしょうか。
この、美貌以外にも、様々な魅力を持つのが、私の憧れのロールモデルである、オリヴァ夫人です。
彼女を見ていると、年を取るのが怖いどころか、早く年を取って、彼女のようなマダムになりたくなるのです。
オリヴァ夫人とは
アリアドネ・オリヴァ夫人は、アガサ・クリスティの推理小説に登場する人物で、ポアロの友人、準レギュラー級の登場回数を誇るおばさまです。
職業は国民的な推理小説家。
こう書けばわかるように、クリスティ自身がモデルになっています。
しょっちゅう髪型がかわり、ちょくちょく海外旅行に出掛けます。
お酒は飲まないのに、お魚みたいに飲むと思われているのよ、なんて不平も言っていましたし、りんごが好きなのは、クリスティと同じです。
クリスティ自身は、「マン島の黄金」(1930年)という、宝探しのプロットを作っていますが、オリヴァ夫人は、「死者のあやまち」(1958年)の中で、犯人探しのプロットを作っています。
「二匹目の金魚」(または「第二の金魚事件」)が代表作。
探偵役は、フィンランド人のスヴェン・イエルソン。
オリヴァ夫人は、この彼が大嫌い、出来るものならさっさと片付けてやりたい、などと物騒なことを言うのですが。
本当にクリスティもエルキュール・ポアロのことが嫌いで、消し去りたい、と思っていたのでしょうか?(「カーテン」(1975年:執筆は1943年)で消し去ってしまいましたが)
クリスティは自伝の中で、自分自身を美しい娘だったと描写していますが、オリヴァ夫人のこともなかなかの美人、と書いています。
夫人を名乗る以上、結婚歴もあるはずですが、夫のことはいっこうに出て来ません。
「象は忘れない」(1972年)の中で、はるか昔に彼女の世話をしてくれた乳母(ナニー)のミセス・マッチャムが、「何年か前に、ご主人は亡くなったんでしたね」と言っています。
オリヴァ氏とは死別して、気楽な独身生活を送っているのでしょう。
家政婦兼お相手役のようなマリアは住み込みなのでしょうね。
オリヴァ夫人が何より苦手なのは、自作品を褒められることで、理由は、何と返事をしたらいいのかわからないから。
インタビューも好きではありません。
オリヴァ夫人は活動的で、行動力もあります。
「第三の女」(1966年)では、自ら捜査に乗り出し、ある人物を尾行したのはいいのですが、何者かに頭を撲られて、入院するはめになっています。
「象は忘れない」でも、過去の出来事を覚えている人々のもとを回り、話を聞き出すことで、事件解決に一役かっています。
オリヴァ夫人の登場作品
クリスティ作品への初登場は、連作短編集の「パーカー・パイン登場」(1934年)。
パイン氏の事務所のメンバーで、リッチモンド街17の、パイン氏の事務所のある建物の、最上階の部屋に住んで(もしくは仕事部屋にして)います。
「不満な軍人の事件」では、彼女が筋書きを作って、退屈している退役軍人に、スリルとロマンスを提供しています。
パイン氏からは、彼女の作るプロットは「保守的、独創性がない」と辛口な評価をされています。
が、これをクリスティ自身の評価に置き換えると、馴染みのある題材を、一ひねりして、読者に提供するということで、だからこそ、大衆から熱狂的な人気があったとも言えそうです。
彼女の登場作品を時代順に並べて行くと
①パーカー・パイン登場(1934年)
②ひらいたトランプ(1936年)
③マギンティ夫人が死んだ(1952年)
④死者のあやまち(1958年)
⑤蒼ざめた馬(1961年)
⑥第三の女(1966年)
⑦ハロウィーンパーティー(1969年)
⑧象は忘れない(1972年)
このうち、ポアロが登場せず、彼女単独で活躍するのが⑤の「蒼ざめた馬」です。
ここでは、オリヴァ夫人の友人である、マーク・イースターブルックという学者が探偵役です。
マークには、ローダといういとこがいるのですが、夫がデスパード大佐というところから、「ひらいたトランプ」に登場したローダ・ドーズは、同じく登場人物だったデスパード少佐と結婚したことがわかります。
25年の間に、少佐は大佐に昇進したのですね。
ちなみに、ローダは、「ひらいたトランプ」で、オリヴァ夫人から、直筆サイン入りの「第二の金魚事件」を貰っています。
また、デスパード夫妻が主催し、マークとオリヴァ夫人が協力した教会のお祭りには、ケーレブ・デーン・キャルスロップ牧師とその妻が出席していましたが、この夫妻は、ミス・マープルものの、「動く指」(1943年)にも登場しています。
ハーレ・クイン氏もので、探偵役を務めるサタスウェイト氏も、「三幕の悲劇」では、ポアロと共演しています。
クリスティの作品では、こういった趣向も随所に見受けられるので、楽しいのですね。
まとめます。
私のロールモデルのオリヴァ夫人は、アガサ・クリスティの小説に登場する、推理小説家。
あっさりとおおざっぱで、我が道を行くご婦人です。
好奇心旺盛で、旅行好き、仕事に追われながらも、人生を謳歌しているその姿は、年を取っても、そんなことに頓着しない、自由で責任ある大人の女性そのもの。
私も、抱擁力ある、大人の女性を目指します。
そして、さらには、最終ロールモデルである、ミス・マープルを目標にして、気品も気骨もある老婦人への道を模索して行きます!