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結婚後、過食嘔吐がいよいよ…②
ダイエット歴を綴っています。
前回の続きです。
ついには彼が家に居る休日にも、過食嘔吐の欲求をどうすることもできなくなります。
その時に何をどれくらい食べていたのか、やはり遠慮しながら吐いていたかなどの記憶は定かではありませんが、ひとつだけ覚えていることがあります。
わたしがトイレにこもるので、吐いていることは彼も知っていて、でも何も言わないので一度、こういった行為をしているわたしをどう思うかと訊いたことがあります。
そしたら彼は『吐いた後の顔がイヤ』と言いました。
そりゃそうでしょうね。
終わった後フラフラしながら、手を洗い、顔を洗い、歯を磨き、目は真っ赤で、顔の毛細血管は切れやすくなっていたので、赤い点々がいっぱいのこの顔を見るのは、それは嫌だったと思います。
でもわたしはその時の彼のその言葉が意外で、
『なーんや、そんな大したことじゃないねんな。』と思いました。
今考えると、寂しかったのかなとも思います。
でもその時の感じたのは、それだけでした。
そして今思えば、今振り返れば、何でもわたしの思い通りに動いてくれた彼は、わたしに何かを言ったところでという思いもあったのだろうと思います。
彼も彼で不満というか、この頃から本当の自分とはかけ離れた生活へのしんどさが溜まり始めていたのかもしれません。
あの頃のわたし達の
"若さ"とは、"視野の狭さ"と言い換えれるような
そんな時代を過ごしていたのです。
結婚を機に、フルタイムに増やしていたパートのお仕事には行けなくなっていました。
みんなが当たり前にこなしている毎日を、若くて体力もあるはずのわたしはこなせないのです。
それをきっかけに過食嘔吐を繰り返すのをやめたのか、
嘔吐がうまくできずに、増える体重や体型に耐えられずに仕事をやめたのかは、定かではありませんが、
とにかくわたしは、外へ出るのが怖い人になります。
醜い自分へ寄せられる人目が怖いのです。
今ならこれは、ダイエットと過食嘔吐を繰り返したことによる症状だとわかるのですが、まさかその頃のわたしにはそれを知る由もなく、ましてや両親からすると、ほとほとガッカリする出来事だったと思います。
彼にしても収入が減る不安もあったでしょうし、それもこれも頭では分かっているのに、耐えられないのです。
短期のアルバイトすら続かずに、本当に情けないと自分を責めても、奮い立たすことはできず、食べて横になっているだけのどうしようもない人間だと思っていました。
そしてわたしはよく怒り、よく泣き、感情の起伏の激しさは前にも増していたかもしれません。
自分の感情のコントロールがうまくできないのです。
それでも彼は怒鳴ったりはせずに、いつもなだめてくれていました。
しかし
"良い奥さんであれば、旦那さんに大切にしてもらえる"
小さな頃からのわたしの夢に突きつけられる現実は厳しくて、彼の方からも小さなギブアップが聞こえてきます。
でもそんなはずはない、男は働いて稼いで帰ってくるのが当たり前なはず。
思い通りにいかない、ショックな出来事があるたびにわたしは、コンビニに走り、普段ガマンしている菓子パンやアイスを買い込み、身体にギュウギュウに詰めてから吐く。
歯車が確実に狂い始めていたにもかかわらず、わたし達はそれに気づかずに、手にした幸せを、わたしの両親から与えられているこの幸せを離すまいと、懸命にしがみつきます。
自分たちで何も成し得ないまま、わたしの両親に勧められるままに家を買うことになり、
わたし達のこれからを案じている両親の愛を存分に受けているはずなのに、わたしの心はいつもソワソワしていて、怒ったり泣いたりを繰り返す自分に、処理できないことが起こると食べずには吐かずにはいられない自分に、嫌気がさしていたのにもかかわらず、理想の自分、理想の結婚生活をまだ夢見ていました。
わたしは、後に離れることになる彼のことを、ひどい人間だとずっと思っていました。
でもそもそもの原因は、わたしが、わたしの理想に彼を引きづりこんだことによるものです。
様々な葛藤もありましたが、結果、彼を自由にしてあげられて良かったと今は心から思っています。
何より、結婚相手が彼でなければ、この後生まれてきてくれる面白い娘には出会えなかったわけなので笑
彼女には寂しい思いをさせることになってしまい、その事でもずいぶん長い間、自分を責めてきたのですが、でも今のわたしはそれでも彼に心から感謝をしていて、娘にもありがとうの思いの方が勝っています。
大人になったわたし達は何人も、全て自分で選んできたということを認知できれば、誰かや何かのせいにすることはなくなるんですね。
それは自分の肩の荷を下ろすことにも繋がる、とても大きな"成長の証"とわたしは捉えています。
そして
過食嘔吐はこれで終わりかと思いきや、一番酷い時期はまだ少し先になります。
それはまた次の機会に。