【ほぼ毎日レビュー】映画「ロストケア」感想★★★★☆親の介護は呪縛か?絆か?
第16回日本ミステリー文学大賞新人賞の葉真中顕の同名小説を映画化した静かなサスペンス。
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所属する介護施設の老人を40人以上を介護殺人の手にかける介護士(松山ケンイチ)と対峙する検事(長澤まさみ)が介護現場の苦労と涙の現実を目の当たりにしながらも事件の真相を追う。
監督は、『そして、バトンは渡された 』の前田哲。出演は松山ケンイチ、長澤まさみ、鈴鹿央士、坂井真紀ら。主題歌は森山直太朗の「さもありなん」。
総合評価 スキ★★★★☆/映画「ロストケア」感想
静かすぎる。ゆっくりすぎる。展開も俳優のセリフもとてもゆっくりで、観ながら「自分ならどうするだろう?」「あのとき父は祖母はどうだっただろう?」と自問自答する余白がある。
介護殺人を間に挟み、介護士(松山ケンイチ)と検事(長澤まさみ)が何が起った、どんな問題を抱える現場なのか? を緊迫するのではなく、ゆっくりとポロポロと少しずつ明らかにされていく。
愛する父を手にかける物理的な殺人のシーンも出てくる。「父さん」といいながら苦しくて苦しくて父のうえにかぶさる介護士(松山ケンイチ)。親を看取るということはこういうことなのかと映画の中で確かに私も追経験した。
今、抗がん剤治療中の私が言うのもなんだかおかしいけれど、苦しくとも、私も父と母を看取らなければならない。
映画の上映時間の間少しずつ介護現場を感じ、スト―リーを追い、考えながらそう思った。
介護士は親子関係は、絆なのか? 呪縛なのか? この問いを終始問い続けてくる。
だけど、映画の中で答えは出ていて、絆だけとか、呪縛だけとかの言葉一つでは表現できない。それをきっぱりと伝えてくる。
あらすじ&概要/映画「ロストケア」感想
ある朝、民家で訪問介護センターの所長と老人の死体が発見される。検事の大友秀美は、捜査線上に浮かんだセンターに務める介護士・斯波宗典(しば むねのり)と、センターの訪問先で40人を超える死亡者との関係性を突きとめる。献身的な斯波だったが、彼にはある主張があり……
ここがよかった/映画「ロストケア」感想
子供の務めだと仕事を辞め脳梗塞で倒れた父の介護をする独身の介護士を演じる松山ケンイチ。
家じゅうをおしっこしながら歩く父親を介護し、生活保護を申請するが役所からは受け入れられない。
7万円の年金とアルバイトをしながら孤独に父の介護をする。介護に手がかかるようになりアルバイトができなくなり、産まれてはじめてまともに3食食べられなくなる。
3食食べられなくなる。この独白がぐわんぐわんと頭を回った。
介護士の松山ケンイチは続ける。「この社会には「穴」が開いている。一度でも落ちるとおかしくなる」「お茶をこぼしただけなのに、父をなぐる。こんなことが何度も起こるんです」
検事(長澤まさみ)「だから父親を殺したというんですか? 身勝手な健常者では?」
介護士(松山ケンイチ)「あなたがそう言えるのは自分が絶対に「穴」に落ちない。安全地帯にいるからです」
介護でも病気でも、仕事でも安全地帯にいられるときはそう長くない。おそらく人生の半分ぐらいだ。さらにピュアに何も考えずに未来だけを見ていられるときはさらにその半分ぐらいかもしれない。安全地帯にいるときは穴に落ちたときを生きぬく力を蓄えるときかもしれない。
印象に残ったセリフ・シーン/映画「ロストケア」感想
「おまえがいてくれて幸せだった。おれの子に生まれてくれてありがとう」
息子である介護士に手をかけられた父の枕の下にこんな手紙がある。
認知症が進む中で、「おまえのことを覚えている間にあの世に行きたい」と言うシーンがある。薄れゆく記憶とをなんとかつかみながら、父はいつか言えなくなる一番大切な言葉を息子に伝えなければいけないと思った。
親としての「父」。
私もこれだけは子供に残したいと思った。
こんな人にオススメ/映画「ロストケア」感想
これから介護と向き合う人。
自分の「死」とこれから向き合う人にはぜひ見てほしい。
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