【栄養士さんに聞いてみた! 〜栄養素編〜】第7回:子どもの夏風邪は、ビタミンC不足が原因?
こんにちは。KIDS SNACK LABです。KIDS SNACK LABは、子どもの食生活のあり方について、日々研究を重ねています。本企画は、KIDS SNACK LABの研究員が、子どもに必要な栄養素について栄養士さんにお話をうかがい、子どもの健やかな食生活のヒントを得ていく連載です。
第7回目では、子どもの夏風邪とビタミンCの関係について、栄養士の川田麻実さんにお話を聞きました。
子どもの夏風邪の原因は、ビタミンC不足かも?
――最近だんだんとあたたかくなってきましたが、気温の高い時期ほど、子どもが風邪をひきやすくなるような気がしています。これにはどういった原因があるのでしょうか。
川田さん:風邪って冬にかかりやすいイメージがあると思うのですが、実は汗をかきやすい時期ほど、免疫が下がりやすくなるケースがあります。というのも、実はビタミンCって、汗とともに排出されやすい栄養素なんですね。だから、汗をかきやすい時期になると、ビタミンCがどんどん流れ出てしまい、免疫が下がってしまうんです。子どもが夏風邪をひきやすい場合、もしかしたらビタミンC不足が要因になっているかもしれません。
――たしかに、気温が上がってくると、大人でも夏風邪をひく人が増えますよね。ビタミンCが不足すると、なぜ免疫が下がってしまうのでしょうか。
川田さん:ビタミンCの働きと免疫力が、大きく関係しているからですね。ビタミンCを多く含む血液中の白血球やリンパ球は、体の中に細菌が入ってくると戦い、ウイルスに抵抗します。ビタミンCをしっかり摂ることで、免疫機能が強化され、病気への抵抗力が高まりますよ。
ビタミンCが不足すると、どうなるの?
――では、汗をかきやすい季節は特に、意識してビタミンCを摂ったほうがよいということなんですね。
川田さん:そうですね。あともう一点意識してほしいのが、ストレスです。ストレスに抵抗するホルモンの生成にもビタミンCは不可欠な栄養素。ストレスを溜め込んでしまうと、どんどんビタミンCが消費されてしまうんです。
――ストレスが溜まれば溜まるほど、体内のビタミンCが減ってしまうんですね……!
川田さん:大人だけでなく、子どもたちにも、学校で集団生活をしたり、習い事で新しい環境に飛び込んだりと、不安や緊張を感じるシーンがたくさんありますよね。そういったストレスによって、体内のビタミンCが不足することも少なくないので、季節を問わず積極的に摂ることをおすすめします。
子どもが、日常的にビタミンCを摂取するための工夫
――ビタミンCは、どんな食材に含まれていますか?
川田さん:赤ピーマンや黄ピーマン、ブロッコリーと言った緑黄色野菜と、アセロラやキウイ、レモンなどのフルーツですね。また、意外に思われるかもしれませんが、じゃがいもにもビタミンCが多く含まれているんです。
――じゃがいもにビタミンCが……! たしかにそのイメージはなかったです。
川田さん:「太りそう」「あまり栄養がない」というイメージを抱いているママさんたちも多いのですが、実際には優秀な食材なんですよ。というのも、じゃがいもに含まれるビタミンCは、比較的加熱に強いんです。長時間煮込んだり、水にさらしてしまうと減ってしまいますが、短時間の加熱なら大丈夫。子どもも食べやすい食材なので、普段のお料理にも取り入れやすいのではないかと思います。
――おやつの時間には、どのように取り入れていますか?
川田さん:それこそじゃがいもですね。我が家では、じゃがいもを薄くスライスして、少量の油をひいたフライパンで両面を焼き、ちょっと塩振ったものをおやつによく作っています。青海苔をかけたり、カレー粉なんかをまぶしてもおいしいです。あとはフルーツですね。カットして出すだけなので手軽だし、栄養もしっかり摂れます。
*
実は、日常生活を送っているなかで排出してしまっているビタミンC。汗をかきやすくなるこれからの季節はもちろん、日々のこまめな摂取を意識して、子どもたちの風邪やストレスを予防していきましょう。
取材・文=ひらいめぐみ 編集=KIDS SNACK LAB編集部
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?