マザコンおじさん
俺の馬鹿野郎。
無職アラサー実家住みの反抗期野郎。
母が言う。「おはよ」
俺。「ん」
母が言う。「パジャマ洗濯するなら入れてね」
俺。「ん」
母が言う。「プリンあるよ」
俺。「ん」
母が言う。「言いたいことあるなら言ってね」
俺。「言いたくない」
俺の馬鹿野郎。
母から愛を信じたい。
気軽に話したい。
もっと聞いてほしい。
なのに、口から出る言葉はない。
なのに、母に背を向ける。
そして、母の寂しそうな顔を見る。
そして、心配そうな母の顔を見る。
面と向かって悪口も言えない
不安でいっぱいのおじさんの母への求愛行動。
ツンとして、心配をかけて気を引こうとする。
高校生の頃と何も変わっていない。
かっこ悪すぎる。
このまま家を出たら、どうだろう。
このまま母と会えなくなったら、どうだろう。
悔やんでも悔やみきれないだろう。
死んでも死にきれない。
俺は、母と気を遣わずに話がしたい。それだけ。
何も難しいことなんてない。
俺は、何をしてんだ。
ただ、話がしたいというだけ。
ただそれだけ。
ちっぽけな俺。
俺の大馬鹿野郎。
大人になれ。馬鹿ちんが。
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