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水出しコーヒーをつくってみた

初めて家で、アイスコーヒーと水出しコーヒーをつくってみた。

同じ豆でホットコーヒー、アイスコーヒー、水出しコーヒーを飲み比べてみたけれど、まったく味わいが違う。だけど、全部おいしい。私がいつもホットで飲んでいるコーヒー豆は、アイスと水出しでもおいしかったんだ。ホットしか試してこなかったことに、豆をつくっている人たちに申し訳なさを感じた。コーヒー豆への敬意が足りていなかった。コーヒーって本当に奥深い。

アイスコーヒーは思ったよりも濃い目に抽出することに驚いた。本当にこの濃さで大丈夫なのだろうか、飲み物として成立するのだろうかと心配で何度も分量を確認した。濃い分、香りも高くなるみたいだ。氷が溶けだして、味わいが変化していくのも面白い。ホットコーヒーよりもトロピカルなフレーバーを感じやすかった。コーヒーは、温度帯によって出やすいフレーバーが変化するらしい。だから、ホットとアイスとでは、同じ豆でも味が変わる。

水出しコーヒーは、甘くてジュースみたい。ごくごく飲んでしまう。口当たりがもったりしていて、まろやか。熱がかかっていない分、味がクリアになりやすいのだとか。ミルで砕いて粉にしたものをパックに詰め、ボトルに入れる。そこに適量の水を注ぐ。一晩寝かせるのも翌日の楽しみができていい。

今まで、挽き目の粗さをあまり気にしてこなかったのだけど、今回のコーヒー豆は粗めで挽いてみた。粗いほうが苦味よりも酸味を感じやすいらしい。

他のコーヒー豆でも、アイスや水出しを試したくなったし、
挽き目の粗さも変えて、味の違いを楽しんでみたくなった。

今回、水出しのためにミルも買ったので、
ドリップもやってみたいな。

沼だ。ついに足を踏み入れてしまった。普通の感覚から離れるのは、それはそれで不自由なこともある。おいしいコーヒーの定義が人と離れていくから。話が合わなくなるし、簡単に選んだとわかるコーヒーのプレゼントに喜べなくなる。でも、もう引き返せない。どっぷり浸かる覚悟を決めた。

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吉野千明
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