『対話の技法』でどきりとする|読書ノート
こんにちは。ひすとりです。
本日は、読書ノート。
東大教授/納富信留 著『対話の技法』(笠間書院)を読んで考えたこと。
心が動いたフレーズ その1
傲慢にも、という一言にものすごく「どきり」としてしまった。
わたしは教師として学校を改革したいと燃えていた時に、「対話」をベースにした先生たちとのコミュニティをつくろうとしていた。
組織開発の研修や書籍によると「対話」が大事だ、と書いてあったから。
いま思うとその考えは「傲慢」だったのだ。
だって、そう思っていた私は「組織を変えるためにみんなが知らないことを知っている」と上から目線で実践しようとしていたのだから。
本来の対話で得られる「自分は知らないことがある」というマインドとは真逆。「対話」という手法を「利用」して、他の教員を変えてやれ、というマインドだったのです。
いやはや、大きな反省と気づきがありました。
心が動いたフレーズ その2
他者との対話が組織で合意形成する際の「甘い特効薬」ではなく、「苦い漢方薬」である。理由として、違う意見に触れた時の感情のコントロールが必要だから、とあった。
感情の律する際に、著者は「言葉の豊かさ」をあげている。
「言葉が豊か」であると、自分の感情と思考の正体に気づける。
逆に「言葉が貧困」だと、自分の感情や思考の正体に気づきにくく
、モヤモヤがイライラに変わりやすい。
なるほど確かに、SNSなどで強い言葉で誹謗中傷している表現をみていると極端な表現が多い気がする。
もし丁寧にその人のどんなところが自分と「違う」のかを表現できていれば、一つの提案だったり「意見」として読むことができるのだろう。
*
このことは特に生徒たちに伝えてみたかったなぁ、と思う。
「キモい」「ヤバい」「ウザい」で会話できちゃうんだけど、それってどんな感情なのか、言い表してみようよ、って。
そういえば過去に読んだ『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』にも、子供が自分の感情を翻訳するための質問をしてあげるといい、って書いてあったっけ。
感情のコントロール・自律の教育にご興味のある方は、おすすめです。
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