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『対話の技法』でどきりとする|読書ノート

こんにちは。ひすとりです。
本日は、読書ノート。

東大教授/納富信留 著『対話の技法』(笠間書院)を読んで考えたこと。

そもそも「対話」とは何か?
ふだんの日常会話、一方的な説得や意見の押し付けと混同されがちなその定義の見直からスタートし、15回のテーマに分けてわかりやすく解説。
「対話の成功=相手を思い通りにすることではない」、「目の前にいない相手と対話する難しさ」など、言葉を通じたやり取りのシチュエーションが多様化するなかでこそ意識したい心がまえを提案しています。

上手な話し方や相手を論破するテクニックのハウツーとはひと味違った、「人と人がわかり合うこと」の本質に迫る一冊。
新型コロナ禍による様々な変化のなかで、コミュニケーションに悩む方にとくにおすすめです。

amazon本の概要より


心が動いたフレーズ その1

対話とは、自分が結局は大切なことは分かっていないのだ、自分自身のことすら知らない存在であると自覚させてくれる契機です。わからないという事態を明瞭にしてくれることが対話の本質であるのに、それを自覚しないで傲慢にもそれを利用しようとしたら、それこそ対話とは正反対の精神になってしまいます。

同著p.61~p.62

傲慢にも、という一言にものすごく「どきり」としてしまった。

わたしは教師として学校を改革したいと燃えていた時に、「対話」をベースにした先生たちとのコミュニティをつくろうとしていた。
組織開発の研修や書籍によると「対話」が大事だ、と書いてあったから。

いま思うとその考えは「傲慢」だったのだ。
だって、そう思っていた私は「組織を変えるためにみんなが知らないことを知っている」と上から目線で実践しようとしていたのだから。

本来の対話で得られる「自分は知らないことがある」というマインドとは真逆。「対話」という手法を「利用」して、他の教員を変えてやれ、というマインドだったのです。

いやはや、大きな反省と気づきがありました。


心が動いたフレーズ その2

他者との対話が組織で合意形成する際の「甘い特効薬」ではなく、「苦い漢方薬」である。理由として、違う意見に触れた時の感情のコントロールが必要だから、とあった。

感情の律する際に、著者は「言葉の豊かさ」をあげている。

言葉の豊かさが感情の豊かさと連動すること、反対に言葉が貧困になると感情をコントロールできなくなることです。…自分の言いたいことを丁寧に発信できないと言葉以外の部分で相手に圧力をかけざるを得なくなります。
…何よりも、言葉を豊かに持っていない人は、語る本人が自分でもどかしくなると、言葉をすり抜けて暴力に走ってしまいます。…言葉の暴力です。

「言葉が豊か」であると、自分の感情と思考の正体に気づける。
逆に「言葉が貧困」だと、自分の感情や思考の正体に気づきにくく
、モヤモヤがイライラに変わりやすい。

なるほど確かに、SNSなどで強い言葉で誹謗中傷している表現をみていると極端な表現が多い気がする。
もし丁寧にその人のどんなところが自分と「違う」のかを表現できていれば、一つの提案だったり「意見」として読むことができるのだろう。

このことは特に生徒たちに伝えてみたかったなぁ、と思う。
「キモい」「ヤバい」「ウザい」で会話できちゃうんだけど、それってどんな感情なのか、言い表してみようよ、って。

そういえば過去に読んだ『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』にも、子供が自分の感情を翻訳するための質問をしてあげるといい、って書いてあったっけ。

感情のコントロール・自律の教育にご興味のある方は、おすすめです。



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< 自己紹介 「7つの習慣と教師とわたし」>



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