#7 自分の信念から抜け出す | 読書ノート
『迷路の外には何がある?』スペンサー・ジョンソン
Kindle Unlimitedで読了しました。自己啓発書の一つとして人気になった『チーズはどこへ消えた?』(スペンサー・ジョンソン)の公式の続編です。私がこのシリーズをおすすめしたいのは、いわゆるハウツー本とは違って「寓話」として人の人生を考えさせてくれるからです。
ハウツーのように超具体的ですぐに趣旨が掴めるものは、「すぐに使える」が故に、自分が消化しきれないという欠点があると考えています。(ハウツー否定派ではありません。気になるハウツー本は片っ端から読んでしまいます)
それに対して、寓話として描かれることで、そのキャラクターや設定を通じて自分自身を投影しながら思考しやすいのではと感じました。
ページ数が少ないのにもかかわらず、何時間も自分を見つめ直すきっかけを与えてくれた本です。ぜひ読んでみてください。
あらすじ
シカゴのとあるセミナー中のグループは「チーズはどこへ消えた?」を題材にディスカッションを重ねていた。最後に発言した青年の疑問「残った小人ヘムはどうなったのだろう?」をきっかけに、変化したくても仕切れない自分達に気づく。「チーズはどこへ消えた?」のその後の物語を通じて、「変化に適応するためには具体的にどこから始めれば良いのか?」の答えを見つけていく。
前作「チーズはどこに消えた?」
迷路のなかに住む、2匹のネズミと2人の小人。彼らは迷路をさまよった末、チーズを発見する。チーズは、ただの食べ物ではなく、人生に おいて私たちが追い求めるもののシンボルである。
ところがある日、そのチーズが消えた! ネズミたちは、本能のままにすぐさま新しいチーズを探しに飛び出していく。ところが小人のヘムとホーは 、チーズが戻って来るかも知れないと無駄な期待をかけ、現状分析にうつつを抜かすばかり。しかし、やがてホーが新しいチーズを探しに 旅立つ決心を…。
その後の物語「迷路の外には何がある?」
小人のホーがチーズのあった部屋から消えて何日も経ったが、小人のヘムはそこに居座ったまま。さすがにチーズを探さなければ本当に死んでしまう。今まで探した方法を思い出し、昔から使っていた道具を持って再び迷路の中に繰り出すことに決めた。ところがいくら探しても見つからないまま。失意の中、空腹に倒れるヘムの前に謎の小人ホープが現れて…。
信念のお試し期間!今ならお得!みたいなノリで
この本の中で心を開いてくれた言葉たち。
「あなたとあなたの信念はイコールではない。あなたは自分の信念を選ぶことができる」
「どんな信念でもテストしてみる価値がある。カギとなるのは、自分の信念に基づき、テストしてみることだ ーー 必ずしも捨て去る必要はない」
わたしが大切にしたいと考えていた信念そのものは、自分自身の全てだと思っていた。そこに向かえない自分は自分でいてはならないと思っていた。でもどうやらそうではないらしい。ただ、テストしてみればいいんだ、と。
お試しの信念。なんか急に軽くてキャッチーなものに思えるから不思議だ。お試しでどうぞ!なんて言われるとお得だなと思ってついやってしまう。尊いことだ。
休職中のわたしは今までの信念から離れることを余儀なくされた。そのままの信念で走り続けていた結果、身体と心が悲鳴をあげたからだ。その結果、自分の信念を振り返ることができるようになった。大学卒業から今までの信念は「変化こそ全て」「自分の影響力を高めるために自分の視点を変え続けることが全て」「そうすることでいつも周りより変わっている自分」というものだった。
逆にいうと「停滞」「止まる」「何か一つにこだわる」「周囲と同じ自分でいる」ことは自分の信念に反することだったのだ。
「そう考えるからといって、それを信じる必要はない」ヘムはつぶやいた
そう。停滞している自分はダメだ、と考えても、それを信じる必要は全くないんだよね。それを信じるのも信じないのも自分が選ぶことができるんだ。
今、その信念のテスト期間を一度終えたような感覚でいる。この本のおかげで。
さて、わたしが掲げてきた信念のテスト結果はどうだったのだろう。
現時点での結論は、どちらも必要、ということである。
「必ずしも捨て去る必要はない」
この言葉に首がもげるほど頷いたし、救われた。「変化」するために、一度立ち止まることは必要だし、「何かにこだわる」時間や、「停滞=何も変化しない」時間でパワーを溜めることが必要だった。
自分には両者必要で、実はそれが自分をみたすこと(=チーズ)に近づく価値観なのだ。
私たちが直面している「迷路」とは何のこと?
「迷路から出ることは自分の古い信念の檻から出るのと同じことがとヘムは思った。多分それが迷路の本質なのだ」
「僕が抜け出さなくてはいけない迷路?それは自分自身の思考なんだと思う」
この言葉を受けて、わたしが抜け出さなければならない「迷路」は、「変化」か「停滞」かという二項対立に囚われていること自体なのかもしれないと気づいた。
穏やかさ、平穏さ、フラットで今ここにいる自分をそのまま味わえることに幸せを感じている。この状態でいられるために、その手段として自分を「変化」させる時もあれば、そのまま「停滞」させることもあるということなのではないのかな。
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