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淡竹の灰汁(ハチクのアク)

もうすぐ5月。田舎で暮らしている僕の家ではハチク(淡竹)が採れます。

知らない方のために、ハチクの説明を。
ハチク(淡竹)とはタケノコの一種で、5月ごろ竹やぶに生えます。
細長くてとんがった形で30~50cm。
伸びはじめたばかりの若く、柔らかい状態の竹です。
一般的なタケノコは孟宗竹(直径18cmくらいの太い竹)の手入れした竹林で採れます。
それと比べてしまうと味や食感など格下ですが、ウチのような田舎ではただで山ほど手に入ります。

調理方法は煮たり、炊き込んだり。
料理に使うには重曹を入れたお湯で茹で、アク抜きを行います。
僕の場合は夜アク抜きして、一晩放置し翌日まで待ちます。
つまり手順がちょっと面倒くさい。

それである日の昼飯時、朝採ったハチクを見てふと思います。
このまま炒めたらどんな感じなんだろうか?
ハチクは普通のタケノコより細いしアクと言っても大したことないのではなか?
このままいってみようと。

皮を取って薄切り、玉ねぎ、豚肉を加えて炒めて、塩コショウで味付け。
シンプルに野菜炒めっぽく調理してみる。
実食。
エグみがすごくきつい、、。
渋い、というか苦いというか。
アク抜きしたものにもわずかにエグみは残ります。
普通はそれを風味として食べていますが、それの濃縮したものを口にするようなきつい刺激です。
こんな感じか、、初めて知った。
あと茹でないと結構かたい、、、。
美味しくはないが他の食材も入っているので食えなくはない。
無理に完食。

異変が起こり出したのは食後一時間くらいでした。
なんだか喉がガラガラする。
「あれ、風邪をひいたか?」と思う。
(厳密には風邪のそれとはちょっと違うのですが)
気分も悪く、ちょっと横になってみる。
(胸やけのような症状が出る)
ちょっと熱があるような気がする。
(↑全くそんなことはないんですけど、風邪だと思い込んでいる)
「このところ、風邪っぽかったかなー。」と最近のことを一生懸命思い返してみる。
(そんな憶えがあるはずがない)
そして、ようやく気がつく。あっ、さっき食ったハチクだ!
(↑アホ!)

幸い、吐いたり、体に変なものが出るとかは無かったのだけれど、とにかく胃がムカムカ気持ちが悪い。
風邪とは違う症状だけど喉がガラガラする。
喉、食道、胃までが最悪といった感じ。

どうしようもなくて、そのまま寝ることに。
夕方になると、軽減して動き回れるようになりました。
が、まだかなり気持ちは悪い。
一日半ほどで気持ち悪さは解消。
でも薄っすら残っていて、完全に消えるまで数日かかりました。

アクってなんだろうと思っていましたが、完全に“毒”です。
強く言っておきます。
アクは取らないとだめ!絶対!

こんなことを経験すると、ちゃんとアク抜きしたタケノコやハチクでも、僅かに残ったアクに敏感になります。
しばらく美味しく感じませんでしたが、今はまた普通に食べています。


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