予測される危機④!!
以前投稿した予想される危機①でご紹介した世界的食糧危機について、現在のそれに関わる状況をお伝えします。
サバクトビバッタの現状
東アフリカから異常発生しているサバクトビバッタの現在の状況について。
今回のサバクトビバッタについては、聖書でも伝えられている、バッタなどの異常発生に対する蝗害(こうがい、英: Locust plague)による食糧危機による災害の事になります。
始まりは、東アフリカで、2度の記録的サイクロンにより、大豪雨が発生した。土壌に十分な水分が満たされ、卵や幼虫が育ちやすく、えさになる雑草などが生えたことで、大量発生に至ったとの見方が強い。
バッタは、1日100-150㎞移動するといわれ、1個体2gの体重に対して、2g食べるとの事。その数は当初1平方キロメートルあたり、4000万匹だったのが、現在8000万匹に増殖し、さらに指数関数的に増殖を続けている。
一説には6月に500倍に増えるとしている。4000億匹の重さは80万トンにも及ぶ。バッタの大群は東京や神奈川県の空を覆いつくすほどだ。
バッタの及ぼす被害は、アフリカ大陸では、最大2500万人が飢餓に苦しむとされている。これは、東京都2つ分に相当。
現在、東アフリカでは、ケニア、南スーダン、ウガンダ、エチオピア、ソマリアそういった国々を襲っている。
食糧危機以外の影響
東アフリカの人の中には、バッタの死骸を食べ、中毒を起こすケースが問題になっている。
バッタを殲滅するために、殺虫剤をまいており、その殺虫剤の影響で、バッタ自体の毒性が強まっているという。
使用している殺虫剤には、有機リン酸塩が入っており、通常より強力な殺虫剤を空中から飛行機で散布している。
この有機リン酸塩というものが、地下鉄サリン事件で使用されたサリンや、金正男が暗殺された際に使用したVXガスと同様の強い毒性が有機リン酸塩にはある。
サリン
VXガス
殺虫剤を散布で浴びたバッタを食べると、痙攣発作や高熱の発症にいたる危険がある。その為、ケニア政府、オーストラリアの大学なども食べないよう警告している。
今回のサバクトビバッタの被害を受けている中東のサウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェート、イラク、アフガニスタンなどに含まれるクウェートで、1980年代、有機リン酸塩の大量中毒の事件があった。
クウェートはアラビア半島の付け根にあるイラクの下の国。
クウェートは、伝統的にサバクトビバッタを食す分化がある。
その料理は、バッタを煮込みスープで食べるというもの。中毒の大量発生時は、死骸を集めスープで食べた人が多かった。
さらに、パキスタンでは政府が、サバクトビバッタの死骸を一袋10円程度で買い取っていた。
農家がコロナ禍の自宅待機指示やバッタによる農業被害を受け、経済的困窮に対する救済措置だが、マスクやグローブもせず素手で作業を行ってしまうため、人体的被害を防止するため救済措置は中止された。
当初、東アフリカで発生したバッタの大群は、イラン高原→パキスタン→インドに到達。今後、中国に侵入されるとより深刻な世界的食糧危機が広がると危惧されていた。
しかし、中国とインド、パキスタンなどとの国境沿いにあるヒマラヤ山脈がある。
サバクトビバッタは、高度2000m以上では飛行できないこと、低温に弱い事で、国境沿いにあるヒマラヤ山脈を越える事は難しいとされ、ヒマラヤ山脈を越えられなかったサバクトビバッタの群れは、再度東アフリカに戻るとされていた。
現在、予測通り、東アフリカに戻り第2、第3世代が東アフリカの食料を再度襲っている。しかし、一部のサバクトビバッタは、パキスタン、インドで猛威を振るっている。
また、中国ではなく東南アジアに向かう可能性もあると一部ではいわれている。
中国当局は、万が一に備えて、3月より農薬散布の演習や10万匹のアヒルの準備、パキスタン側に監視カメラ設置する対応を実施していた。
現在ではパキスタンへ、サバクトビバッタ対策に対して、多額の支援を行っている。
インドでは、被害が広がり、農村から都市部、住宅地にまで侵入してきている。
バッタは、ラジャスタン州に飛来し、マディヤ・プラデーシュ州に至り、さらにマハーラーシュトラ州へ南下を続けている。
ラジャスタン州や、マディヤ・プラデーシュ州の農作物は、壊滅的被害を受けており、住宅地に侵入した後、庭のマンゴーの木などにもバッタの大群が群がり、食べつくし、自宅にも侵入してきている。
サバクトビバッタの群れは、大小の群れに分かれ、インド全土に広がっている。
先日ラジャスタン州は、インド政府に日本円で、12億円の追加支援を要請。
インドでは、新型コロナウイルス対策の為、全土で1か月に渡り封鎖措置を実施。その影響で苦しむ農家にサバクトビバッタが追い打ちをかけている。
被害は食料だけではなく、航空へも影響を及ぼし始めている。
インド当局(民間航空省)は、バッタの大群が旅客機の影響に深刻な影響を及ぼすと警鐘を鳴らしている。
危惧されている事態として、窓ガラスに大量のバッタが張り付いたり、エンジンに大量のバッタが入り込むなどのバードストライクのようなトラブル危機である。
また、別の懸念事項として、世界中のサバクトビバッタ被害の撲滅の対策で実施している農薬散布。
その農薬散布剤を被害国などへ輸送する必要があるが、その輸送がコロナの影響により航空便の便数が減少しており輸送が滞っている。
サバクトビバッタとコロナの影響で、より航空貨物の行き来を妨げるのではとの懸念がある。
懸念材料は他にもある。
インド政府、FAO(国連食糧農業機関)が、6月からさらに被害が拡大すると強い危機感を示している事がある。
FAO(国連食糧農業機関)
なぜ、6月か?
来月には、「アフリカの角」と呼ばれるエチオピア、ケニア当たりのアフリカ北東部地域から、さらなるサバクトビバッタの群れがインドへ飛来すると予想されている。
アフリカの角
「アフリカの角」周辺が、6月以降多発するとされるサイクロンの影響を受けやすいそうだ。
6月のサイクロン多発について、ウェザーマップ所属の気象予報士、片山由紀子氏によると「インド洋熱帯域の海面水温は、2019年初めから、高い状態が続き、夏にかけて基準値より高いか、基準値に近い状態で推移する」と予測されている。
つまり豪雨、サイクロンが多発するという事だ。
また、熱帯性低気圧の影響で、水面の温度が上昇し、大豪雨が襲い掛かる可能性が高まおり、乾燥地帯が豪雨により湿気が増す。湿気が増すことで、サバクトビバッタが大量に産卵する。
サバクトビバッタの成虫は、乾燥地域には強いが、幼虫や卵は乾燥に弱い。そのため、湿った場所に産卵を好む。
大豪雨により乾燥地帯の変化が、サバクトビバッタの増殖サイクルを促す原理になる。
6月以降、サバクトビバッタの増殖になり、現状がさらに悪化する恐れがあるという懸念につながっているのだ。
気象環境が最悪のシナリオのカギを握り、一説では、サバクトビバッタの数は最悪の場合、200兆匹に膨れ上がる恐れがあるとの見解もある。
ひとつのポイントになるのが、中国への侵入の可否である。
先程述べた通り、国境には天然の要塞ともいうべきヒマラヤ山脈があり、サバクトビバッタが、超える可能性は低いとされている。
しかし、4月に入り、中国側でサバクトビバッタが発見された。
ヒマラヤ山脈を越えたわけではなく、西アジア、パキスタンからの船で運ばれた、輸送コンテナ梱包用の木箱から見つかったと上海税関が発表した。
コロナ禍の状況を考慮し徐々に増えている輸送による人為的理由で、中国へ侵入した形だ。
中国政府も、特にパキスタンからの貨物コンテナでの侵入が可能性として高いと睨んでいるという。パキスタンからの物資は年間18億ドル(1800億円程度)の多くの貨物が中国へ出入りしている。
パキスタンという国は、中国の掲げている重要な国策である一帯一路構想の要所であり、今後の中国経済にとって物資輸送なども含め、ペルシャ湾に出る重要な場所である。
中国から、パキスタンの南北を貫きグワダル港までを、道路とパイプライン物流網を作り、所どころに経済特区や、工業団地を作ることを両国政府で合意している。そのため、中国はパキスタンに対して多くの支援を行っている。
過去にも日本では、輸送により、南米に生息するヒアリが侵入したことがある。
輸送での侵入であれば、日本や各国へも上陸可能で、侵入後の繁殖も十分考えられる。
今回、上海関税で見つかったサバクトビバッタが氷山の一角である可能性もある。
日本の兵庫では、過去にないレベルでカメムシが大量発生する可能性が高いとされる。
カメムシが大量発生
この写真のように街中がカメムシだらけになる恐れがあるそうだ。
また、都市伝説や地域の伝承で、カメムシが大量発生した年は、記録的大雪(寒波)と重なっているそうだ。
今後、日本では、台風やゲリラ豪雨の季節になり、自然のバランスが崩れ、昆虫が異常発生する恐れがある。
コロナ禍、昆虫の大量発生、異常気象のトリプルパンチに加え、米中関係摩擦による経済悪化や戦争リスクの上昇、どれも食料に密接に影響する。
東アフリカのケニア、エチオピア、ソマリアでは、食糧危機は起きており、インド、パキスタンでもサバクトビバッタ関連のニュースが連日報道されている。
日本からみて、対岸の火事ではなく、大きな問題である。
食糧の動向、輸出規制
色んなメディアや報道でも、食糧危機について特集され始めている。
コロナ禍により疫病の危機が発生し、経済活動の自粛の影響で、食糧危機がくるとの見方が強まっている。
その中で、台風、大豪雨、地震、津波、噴火などの自然災害も大きく影響する。
食糧危機は早くて、秋ごろから冬にかけて起きる可能性がある。
5月30日の日本農業新聞によると、
コロナウイルス感染拡大は、食料の生産、流通を妨げている。国連食糧農業機関(FAO)は、「すべての人々の食料安全保障を脅かし、最も貧しい国々に住む特に困難な状況にある人々を直撃する」と警告。
世界食糧計画(WFP)は、2020年栄養不足で苦しむ人は、前年より増え、2億6500万人に増加するとし、危機的状況だ。
地球温暖化による干ばつ、サイクロンなどの異常気象も世界で多発し、食料生産を脅かす。
昨年から記録的な山火事が発生したオーストラリアは、今年の牛肉生産が前年より14%減少する報告もある。
サバクトビバッタの大発生も脅威。
東アフリカや中東、西南アジアでサバクトビバッタが大発生し、FAOは、東アフリカの国々で2000万人が食料不足と発表している。
パキスタンでは、サバクトビバッタへの非常事態宣言を発令。
中国は監視観測体制を強化。さらに、「今年の食料生産量は必ず6億5000万トン以上を実現しなければいけない」(農業農村部)と発表。
米国農務省の2020年度穀物需給の見通しは、世界の生産量と消費量は27億トン台に増加、生産は過去最高になる見込み。期末在庫率も32%台に上昇。
現在のコロナ禍、サバクトビバッタ、自然災害などの「複合災害」で生産が減少すると、状況は急変する可能性は高い。中国などで食料不足となれば、国際市場も混乱するのは必至。
農産輸出国の輸出規制の動きを注視しなければいけない。農水省によると、現在、19の国・地域が輸出規制を導入。
世界貿易機関(WTO)農業協定では、輸出規制を新設する場合はWTOに通報を促すも、通報は4か国のみである。
各国が自国民の食料確保を優先に動き始めているのが、国際社会の現実だ。
FAO、WFP、WTOは、新型コロナ禍が「輸出規制の波を引き起こし、世界市場で食料不足が生じる可能性がある」と共同で発表。
韓国は、輸出規制による輸入減少時の対策の点検を始めた。
日本は食料の多くを海外に依存し、自給率は37%と低迷。
輸入頼みのため、輸出規制のあおりを受ける可能性が高い。
国内生産を振興し、自給率を引き上げ、国際的なリスクの高まりに備えるべきだ。
日本農業新聞は、上記の内容を発表している。
別の報道では、以下のように述べられている。
ロシアなど十数カ国が食糧品の輸出規制を導入。輸出国の行き過ぎた囲い込みが相次げば世界的な食料危機を招きかねない。
G20の農業大臣は、世界の食料安全保障を守るため緊密に連携し、具体的行動を取ると明記した声明を採択。
コロナウイルス感染拡大を受け、小麦輸出大国のロシアが穀物の輸出枠を設定。ウクライナも小麦やソバの実の輸出制限・禁止に動き、カンボジアやトルコ、エジプトも輸出を規制。
世界貿易機関(WTO)は、穀物などの食料品が危機的に不足の場合は、一時的な輸出制限を認可している。
輸出国に輸出規制措置が拡大すると、食糧品の価格が高騰する可能性も高まる。
具体的な状況
スーパーの食品が7割程度減少。
世界から輸入に頼っている穀物が大きく減少し、パン、ラーメン、肉類も減少するとみられている。
穀物は、豚、鳥、牛など家畜の飼料(小麦、大豆、トウモロコシ)になるもので、飼料が手に入らなくなると、養豚業、養鶏場などの経営が困難になり、供給量が大きく減少する。
その頃には、食料は配給制になっている可能性がある。配給になった場合、都市部では、十分な配給制が機能せず、戦後日本にあったような闇市経済が出現する可能性がある。闇市経済により、飢餓の回避が必要である。
パンは手に入らなくなるなる可能性が高い。
日本はパン用小麦の自給率がわずか3%しかなく、97%輸入に頼っている。
サバクトビバッタが小麦の収穫期を襲い、大打撃を受ける可能性がある。そうなると、パンの原料が無くなってしまう。
ラーメンは、店舗で、いっぱい1万円になるのではとの見解もある。日本では、中華めん用の小麦の自給率が5%しかない。
さらに、チャーシューに使用する豚肉の自給率が、輸入飼料が制限されると48%から6%へ減少する。
店舗だけでなく、カップ麺の価格も急騰しスーパーの棚から姿を消すとされている。
他にも多くの食品や調味料が大量に不足する可能性がある。
食料危機の原因
商品が不足する原因として考えられるのが、
①各国の食料輸出規制、②備蓄が尽きる、③国内の低自給率がある。
①各国の食料輸出規制
先に、報道の情報を伝えたが、農業大国である、アメリカ、ロシア、東南アジアの諸国が相次いで、穀物などの輸出規制に傾きつつある。
当然国内供給を保つ事を優先させるためである。
実は、農業国でも生産率は減少している。それは、労働者不足によるもの。
コロナ禍での感染防止で、外国人労働者の渡航の制限により、季節労働などの受け入れが出来なかった。そのため、労働者が減り、生産量も減少。
他国へ輸出する分が足りないということだ。
日本は輸入に頼っている食料品目が400品目あるが、中国からの輸入が、4分の1の110品目でトップシェアになる。
中国からの輸入が危機的であるとの見解があり、その原因の一つとして、熾烈を極める、米中間の経済戦争である。米中戦争のリスクも日々上昇している。
5月29日 トランプ大統領の声明があり、それが以下の内容だ。
1:新型コロナの情報隠蔽
「米国は中国との開かれた、建設的な関係を望んでいるが、その関係を実現するには米国の国益を精力的に守る必要がある。中国政府は米国や他の多くの国々への約束を破り続けてきた。中国による「武漢ウイルス」の隠蔽により、疾病は世界中に拡散した。世界的な大流行を引き起こし、10万人以上の米国民、世界中で100万人以上の命が失われた。」
2:WHOとの関係断絶へ
「中国は世界保健機関(WHO)を完全に支配している。彼らは我々が要請した必要な改革を実施しなかったため、本日、WHOとの関係を断絶する。資金の拠出先は世界的でふさわしい、他の差し迫った公衆衛生ニーズに振り替える。」
Tedros Adhanom Ghebreyesus
3:産業機密保護へ入国制限
「中国政府は長年にわたり、米国の産業機密を盗む違法なスパイ活動を行ってきた。本日、私は米国の極めて重要な大学の研究成果を保護するため、潜在的な安全リスクとみなす者の中国からの入国を停止する布告を出す。」
4:中国上場企業の慣行調査
「米国の金融システムの健全性を守る措置を取る。金融市場に関するワーキンググループに対し、米国の市場に上場している中国企業の慣行を調査するよう指示する。今週、中国は香港の安全に一方的な統制をかけた。これは、1984年の宣言で英国と結んだ条約に対する、中国政府による明確な義務違反だ。」
5:香港政府への自治侵害は条約違反
「中国による最近の侵害と、香港の自由を悪化させたその他の出来事をみれば、中国への返還以来、米国が香港に与えてきた優遇措置を続けるための正当な根拠となる自治がないのは明らかだ。」
「中国は、約束した「1国2制度」方式を「1国1制度」に置き換えた。このため私は米政権に、香港を特別扱いしてきた政策をやめるプロセスを始めるよう指示する。本日の私の発表は、犯罪人引き渡し条約から軍民両用技術の輸出規制まで全ての範囲の合意に影響する。」
「香港への渡航勧告についても、中国治安当局による刑罰や監視の危険の増加を反映して見直す。」
6:関税など優遇措置を撤廃
「関税や渡航の地域としての優遇措置も取り消す。香港の自治侵害と、自由の抑圧に直接的または間接的に関与した中国と香港の当局者に制裁を科すのに必要な措置を取る。」
以上がトランプ大統領の声明であり、中国に対して宣戦布告ともとれる厳しいものであった。
もし、今後米中戦争が勃発すれば、戦場は南シナ海が可能性が高いとされる。南シナ海は、中国の太平洋への防衛や経済ラインにとって要所となる重要な場所である。
南シナ海で戦争が起きた場合、政情不安なども影響し、沖縄に駐留するアメリカ軍との衝突により中国の太平洋への輸送路が閉ざされ、中国から日本などへの輸出が困難になる。
②備蓄が尽きる
現在の日本の食料の備蓄は、国民に対して少ない。
大豆は2週間分。小麦は2-3ヵ月分。飼料用穀物1か月分。
輸出大国であるアメリカが、コロナ禍の第2波、第3波による悪化により、海外への輸出を制限すると、各国は備蓄の政策を取らざる得ない。
今回の日本政府のコロナ禍への対応のように、食糧危機に対して、政府のちぐはぐで、非常に遅い対応になれば、飢饉が蔓延する恐れがある。
そもそも、備蓄に対する国の国家予算が800億円しかあてられていない。これは、国民1人当たり670円ほどしかない。
輸入品が減少し備蓄を放出。それが尽きると、小麦がなくなり、パン、ラーメン、ケーキなどが全滅する。もちろん、飼料も尽き肉も無くなる。そこからは、食糧品の価格の高騰、経済の悪化という負のスパイラルが生じる。
③国内の低自給率
日本の自給率は37%と世界の先進国でも最低の自給率である。
1946年の終戦直後には、自給率は88%もあったが、GHQの介入により、統治下にあった日本は、アメリカの食料政策の影響を強く受け、アメリカから輸入するような措置が取られた。
給食では、パンや牛乳を提供された。学校生活を通じて生活に浸透し、思考も変化していった。
マクドナルドのハンバーグなども小さなころから食し、大人になっても家族づれで店に行き、それが続いていく。ファーストフード分化が浸透し、食品の工業化、世界のグローバル化なども影響し、徐々に自給率が低下していった。
私も含めて、自給率への危機意識の低さが一番の悪化の原因なのかもしれない。
農業はご存知の通り、高齢化、過疎化の波を大きく受けている。さらに農業が儲けずらいビジネスになっていまっている。
海外に比べ日本は農業への投資もあまりしていない。
アメリカは、100%近く国の補助金で収入が成り立っているそうだ。
日本は補助金の割合が30%程度だ。
販売に関しても、農協を通すと、儲からない上に、いろんな業者などが関与しロスが生じ、直販率が低い状態である。直販にはマーケティングが必要だが、農家は遅れているため、農協に頼りすぎている。
今後の対応策
農業の重要性と、国と農業の関係をしっかり伝えるような啓蒙活動などを中心に、農業の振興が第一に重要となる。
このまま食糧不足が深刻化すると、社会の中で食糧のニーズが一番高くなり、第一の成長産業になる可能性が高い。
農林水産省や、農協の組織の見直しや構造の改革が必要になる。現在農協の上に存在する農林中金が経営危機との見方もある。
農林中金は、CLO(ローン担保証券)という、リーマンショックのものよりはるかに危険な金融商品を、利回りが良いという事だけで、世界でも有数に買い込んでいる。それが7.7兆円もの額に上る。5月に入り4000億円損失を出している。
現在のコロナ禍や米中の貿易戦争の状況を考えても、さらに世界経済が悪化する可能性が高い。
今後を考えれば、個人としての食料の備蓄は必ず必要であると思われる。
さらに、産業改革を推進し、例えばコメによる麺を作成しビーフンを製造するような、あるものを工夫し食べ物のイノベーションを図る必要がある。
栽培ではサツマイモも注目されるのではないだろうか。
流通の工夫も必要。配給制になった場合を考えると、現政府が行ったアベノマスクなどから分かるように、配給制がザルである。しかも、家族の人数に関係なく2枚の配給しか行わないという愚行であった。
そのため、足りなくても価格は高いが、買い足せるという自由主義経済である闇市経済が必要になる。
経済的自由主義は、それが他人の自由を侵すものでない限り、個人が自らの金銭により選択する事をとても重要視するものである。
まとめ
これから、食糧危機という最悪を想定した時、いかなる、農業振興を行い、個人の自給率を向上させるかという事が、結果的に国の自給率を上げるために重要になってくるのではないだろうか。
そのためには、これまでのような海外の人を対象に、観光や季節労働に依存するのではなく、いかにローカルの枠組みを強化していくかが、今後の国の食糧という部分での自立のカギを握っているかもしれない。
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