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気分の上げ方


この欝々とした乾いた朝の空気が、暗くて悲しい気持ちにさせながら、
弟のお弁当をこしらえた日の朝。

ふと、弟はこのお弁当を見て、気分があがるのだろうかと考えた。


卵が高くて、ひとつでつくった小ぶりの卵焼きに
きもちばかりのブロッコリー
トマトや梅干しなんて、色添えに最高なのに苦手だから入れないでといわれるから、赤い色味すらないお弁当。


なんとなく悔しいから、ウインナーをたこさんにしてしまった。

高校3年生の弟は、姉のつくったお弁当のたこさんをみて、
気分が上がるのだろうか。


私の作る料理は、おふくろの味ではない。
だから、弟にとって母の味=姉の味というわけでもない。


時々思う、母のお弁当じゃなくてごめんねと。
母が忙しくて、毎日私がご飯を作っていた時に

俺は、お母さんの料理が食べたいといわれて、
作るのをやめたのを思い出してしまった。


いい加減、このいい感じに熟したかさぶたのようになった
その言葉を受けてしまったこの心の傷も、
たこさんウインナーによって、気分があがったりしないだろうか。


私の感情は家族に振り回されすぎていると思う。

母がこうしてくれなかった。
父がこうしてくれなかった。
兄がこうしてきた。
弟にこうされた。


それを無くした時には、自分というものがないのかもしれないとおもうほどに誰かの何かに対する反応によって私はできているのかもしれない。

これは、私にとってあまりよくない。


さがってしまった気分を少しでも上向きにするためには、まず、
フラットな状態に戻す必要がある。


温かい飲み物を自分のためにいれる。
背中のストレッチを自分のためにする。
鏡をきれいに磨いて、自分に笑いかける。

大好きな友人とおしゃべりをする。
良いにおいのお布団の中に顔うずめて眠る。

もちろん自分のためにウインナーをたこさんにしたっていい。


そしたら少しずつ自分の中の気分がフラットな状態になっていると思う。


そしたら、世界が少し明るくなってくると思う。





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