ジャストアイデア禁止令
十分に気をつけていても、ついついやっていまう「思いつき」の発言。
確かに、閃きは大切です。
しかし、一人の軽率な発言が、ムダな議論を生むことに繋がるケースも少なくありません。
ちなみにジャストアイデアとは、思いついたことや頭に浮かんだことを指す言葉です。
今回は、ジャストアイデアを発言してしまう心理や、その対処法について考えてみたいと思います。
最後までお付き合いいただけると幸いです。
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ブレーンストーミング、という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
ブレーンストーミングとは、ある議題についてアイデアを出したい場合や、問題点を列挙したい場合などに、複数人が集まって自由に意見を述べる方法のことである。この方法により、新たな発想を生みだすことが期待できる。
(IT用語辞典バイナリより)
個人的な意見ですが、ブレーンストーミング(略して「ブレスト」)の有用性に疑問を持っています。
引用ばかりになると、本旨がボヤけるので書きませんが、ブレストにはいくつかのルールや手法がありますが、そのあたり、興味のある方は検索してみてください。
さて、ブレストのメリットとして、よく挙げられるのが「否定されない環境下で、リラックスした雰囲気を作りだし、参加者のさまざまな意見から自由なアイデアが生まれること」があります。
この側面だけを見れば、実にイノベーティブな作業のように感じます。
しかし、現実にはジャストアイデアの応酬で、何も形にならず、脱線することもしばしばあります。
これは、単純に参加者のレベル感だけの問題ではなく、何かブレスト=ブレーンストーミングそのものが、イノベーションを生み出すものと錯覚してしまう社会通念があるのではないかと思うのです。
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ブレーンストーミングは、1950年ごろにアメリカの実業家であり著作家でもあるアレックス・F・オズボーンによって考案された会議方式のひとつです。集団発想法と言われています
そもそもは、一人で悩んでいた問題を周囲の人の何気ない一言で解決したという、誰しもが経験したことのある出来事を、意図的に再現させる手法と言えます。
この「一人で悩んでいた問題」について、自由な発想で解決するのがブレーンストーミングであり、よく陥りがちな「とりあえず、ブレスト」という発想自体が、私はおかしいと思っています。
極論、適当なテーマには適当な回答しか出てきません。
自分一人では練りあげられないアイデアの付加と統合こそ、ブレーンストーミングの神髄だと思うのです。
私には、「とりあえず、ブレスト」という風潮が、単に深い議論から逃げる口実にしか聞こえないことがよくあります。
まさに、ジャストアイデア=思いつきの応酬で、何も成果がないという経験も、実は多くの方が経験されているのではないでしょうか?
ブレーンストーミングを有効に活用するには、まず一人で考え抜く作業が必要なのではないでしょうか?
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ブレーンストーミングの大きなデメリットは、思いつきを正当化してしまうことだと私は考えています。
会社の会議などでも、参加者同士が友好的な関係の場合、突き詰めなければならない議論に、この思いつきを持ち込むケースがあります。
ましてや、友人間で何か企画を練る場合は、不用意なジャストアイデアによって、大切な議論の場が、ただのムダ話の場に成り下がってしまうことも多々あります。
いちいち空気を乱すようなことはしませんが、時間の浪費に辟易することもあったりします。
ブレーンストーミングは、真剣に進めなければ、簡単に形骸化してしまうというリスクを、再度確認すべきだと思います。
では、ブレーンストーミングを円滑に、そして有効に活用するにはどうすればよいのでしょう?
私は有能なファシリテーターの存在が不可欠だと考えています。
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ここでのファシリテーターの役目は、大きく二つです。
一つは自由な発想を生み出す雰囲気をつくること。
もう一つは、霧散してしまいそうなアイデア群を統合させていく、高い処理能力を持っていることです。
ファシリテーターは、ただの進行役ではありません。
オーケストラのマエストロのように、その場を支配しつつも、柔和で受容的な態度で参加者に接しなければなりません。
また、リラックスした雰囲気を作ればいいだけでなく、ある程度、アイデアが練られていく段階で、全体に共有するべく意見を統合させることができなければ、数は在れど質が低いものしか出来上がりません。
とは言え、そこまで高い要求をせずとも、中立的で寛容なファシリテーター役を置くことで、ブレストの質はグッと上がると思われます。
…あくまで個人的な見解を述べさせていただきましたが、本当に必要なのは、しっかりと練り上げた意見を相互に、自由に述べることであり、参加者全員の存在があってこそのアイデアを現実にできるモノであることだと考えます。
あなたは、どうお考えになるでしょうか?
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さて、毎週のように忘れてしまっていますが、noteからうれしいお知らせをいただきました。
スキを推してくださった方々、ありがとうございます<(_ _)>。
ということで、最後までお読みいただきありがとうございました。
今回の投稿は以上です。