私たちが伝えたい「建材の魅力」 Vol6~不燃木材~
本日は「不燃木材」について語ります。
不燃木材(ふねんもくざい)は、木材に耐火性や不燃性を付加する加工を施した材料で、主に建築や内装に使用されます。そのメリットとデメリットを以下に整理します。
不燃材料とは、一般的な火災の際に熱が加えられた時、他の材料に比べて発火が遅い建築材料のことです。発火までのスピードが遅く、かつ有害な煙やガスを発生させないことで、火災時に安全に避難する時間をつくります。
以下の条件を満たした材料が、不燃材料と呼ばれます。
1、 燃焼しないものであること
2、 防火上有害な変形、溶融、亀裂、その他の損傷を生じないものであるこ
3、 避難上有害な煙またはガスが発生しないものであること
<メリット>
耐火性の向上
加工によって火がつきにくく、燃え広がる速度が抑えられるため、火災時の安全性が高まる。
一部の不燃木材は法規制(建築基準法)にも適合し、特定の防火地域でも使用可能。
木材の質感を維持
天然木材の風合いや温かみ、デザイン性を保ちながら、耐火性を付加できる。
環境性能
天然資源である木材をベースとしているため、適切に管理された森林から採取されたものは環境に優しい選択肢となる。
適応性が高い
外装材、内装材、家具、デザイン素材など、さまざまな用途で活用可能。
法規制対応
防火・準防火地域での使用が認められ、設計の自由度が向上する。
不燃木材の最も大きなメリットは、仕上げ材料に制限を受ける範囲にも“天然木”を使用できるという点です。
不燃認定を受けた突板化粧板や木目がプリントされたパネル材もありますが、それらと比べても、質感や触り心地は本物とあまり遜色ありません。
また、万が一火災が起きて燃えてしまった場合も、木材なので有毒ガスが出ないところもポイントです。
<デメリット>
コストの高さ
不燃加工を施すため、通常の木材に比べて製造コストが高くなる。また、設置やメンテナンス費用が増える場合もある。
重量の増加
不燃処理により薬剤やコーティング材が追加されるため、木材が重くなる場合がある。
加工制限
不燃加工を施した後は、切断や加工に制約が生じる場合がある。また、加工時に不燃性能が低下する可能性がある。
耐候性の問題
屋外で使用する場合、紫外線や雨水の影響で不燃性能が低下することがある。適切なメンテナンスが必要。
廃棄処理の複雑さ
不燃処理に使用される薬剤の種類によっては、廃棄物として処理する際に特別な対応が必要になる場合がある。
不燃薬剤を染み込ませた不燃木材のデメリットは、薬剤が表面に浮き出て結晶化する“白華現象”です。施工直後は確認できなくても、時間の経過とともに発現する可能性があります。
また、不燃薬剤は水溶性がほとんどなので、空気中の湿気を引き寄せて木材の含水率を高めてしまい、反りなどの変形をもたらすリスクも否めません。
そして、現場塗装が難しい点もデメリットと言えるでしょう。
不燃木材の性能を確保するためには、均一な塗膜厚さを保った不燃塗装が必要なためです。
そして、薬剤を染み込ませるため、無垢材よりも比重が若干ですが増加する点も注意してください。
用途の例
住宅や商業施設の内装材(壁材や天井材)
公共施設や高層ビルの外装材
家具やディスプレイ用素材
不燃木材は安全性やデザイン性の面で優れていますが、導入コストやメンテナンスの手間を考慮する必要があります。用途や環境に応じた選択が重要です。
不燃木材は、内装制限や外装制限のかかる建築物においては欠かせない建築材料です。
ただし、不燃木材には白華現象が起こるというデメリットがあります。
これらの発現を抑える方法として有効なのが、不燃塗装です。
工場塗装された不燃木材でしたら、高い意匠性・防火性を維持できます。
「木質系建材を使いたいが既製品では難しい」
「国産材を使いたいがコスト面などでハードルが高い」
「希少樹種を使いたいが必要量の材料が確保できない」
「ウッドインテリアを採用したいが耐久性が心配」
そんなお悩みを抱えている企業様を、私たちがしっかりサポートいたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。