階段島シリーズ第2弾!『その白さえ嘘だとしても』を読みました。
『いなくなれ、群青』で始まる階段島シリーズの第2弾を読みました。
カットバック方式で数人視点で描かれています。
そして、最後にわかった秘密。感想を綴ります。
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クリスマスを前に通販が使えなくなる事件が起きます。そして、クリスマスに関係がありそうな七不思議が中心の物語でした。
前作と違って複数のキャラクター視点で描かれます。前作では脇役であったキャラクターの視点で描かれることで、過去の経験やトラウマが色濃く表現されています。複数の視点で語られる小説は多いですが、過去がわかるようになるんですね!
物語のキーキャラである「真辺」は本作でも、「真辺」ですね。「真辺」の視点で物語は進んでおらず、誰かの目を通して描かれます。でも、誰から見ても、ブレがあまりありません。主人公の七草だけが、「真辺」の解釈を肯定的に行っているようにも見えます。
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生きることに不器用なキャラクターが好きです。
本作に登場するキャラクターはだいたい、生きることに戸惑っています。
多くのキャラクターに共通するのは「なりたい姿と待ち受ける現実が違っていること」に悩んでいます。現実でも多いです。
「なりたい姿と待ち受ける現実が一致している人」は「真辺」です。
だから、悩みが全然ないように見えます。悩みの種類が違うともいえそうです。ここに「真辺」の特殊性があります。真辺は枷を壊すことができるのです。それをよく思っていないのが、委員長でしょうか。
悩みだと自分は思っているけど、いとも簡単に悩みにしない人がいたとしたら、自分はどんな感情を持つのでしょうか?嫉妬?見下す?それとも自分を卑下する?悩みって共感できるのか。とてもプライベートな領域にあるような気がした読書体験でした。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
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