【夏休みの宿題問題】締切ギリギリまで仕事が終わらないのは、果たして本当に悪いことなのか
こんにちは、ナンバーナイン取締役の後藤です。
今回は神血の救世主について書こうと思っていたんですが、このnoteを書いている今現在(11月2日夜7時。今日最新話配信なんですけどね・・)まだ読み返せていません。。なので今回は別のトピックでnoteを書いています。神血の救世主マジ面白いので読んでください。
さて、今回は、神血の救世主を読めなかった原因にもなった、タスクが期日の手前で積みあがる問題、私は個人的に「夏休みの宿題問題」と名付けていますが、仕事にぎりぎりまで着手できない問題について書いてみたいと思います。
これは本当に悪いことなのか
タイムラインを想定して仕事を進めているから、締切直前に仕事に追われることにはならないです、みたいな話をする人がいます。私はタスク管理ツールを使ってもそんなにすんなりいかず、結局自分の作業は一番最後、タイムラインがギリギリになりがちな状況から脱却できていません。
もっと時間を使えばいいアウトプットになったかも、とか、うまい仕切りがあったかもと思うことはありますが、未来永劫これは直らないのかもしれない。今思えば中学生の時以降、夏休みの宿題は8月31日になってやっと着手するけど、全然終わらないみたいな感じで人生ここまで来ています(笑)
そもそもこれが習慣だから直らないんじゃないか。なんだったら、修正する必要なんてないんじゃないか?と最近では開き直っています。そこで、夏休みの宿題問題が解決しない理由とそのメリットについてさらに考えてみました。
マネジメント業務と現場仕事
なんで十分なゆとりをもって仕事に着手できないのか、これは結構シンプルな理由かもしれません。プレイングマネージャーって単純にやることが多いのだと思います。ベンチャーだから、という事もありますが、私は普段の仕事としてマネジメントワークだけでなく、現場業務も一部持って並行で回しています。平日のビジネスアワーはだいたいずっと会議で埋まります。そうするとスケジュールが埋まるので、普通に自分の作業は出来ません。加えてつい夜飲みに行ってしまうので、夜中も仕事が出来ません。
解消方法としてマネジメントワークだけに絞り、現場タスクはそれを受け持ってくれる人をアサインすべき、という考え方もあるかと思います。教科書的には正しい解決方法なのでしょうが、貧乏性の自分にはなかなかできない。この業務に対応するためにもう一人メンバーを増やすと、その分収支が悪くなる・・自分がストレッチすればいいだけだし、現預金水準的にも余裕ないしなぁ・・とか思うと、必要最低限以上の採用はついためらいがちになってしまいます。そんなこんなで、いつか利益を上げてこれを解消したいとは思いますが、アウトプットに著しく悪影響が出ない限りは、ひとまずこのままでいいかなぁとも思っています。
「夏休み」は終わる、のでマジ有難い
そもそも時間がないから、毎回やらないことを決めるところからのスタートです。時間があればあれもこれも出来るかもしれないけど、全部やろうとすると身が持ちません。仕事を減らす理由になるので(!)、時間に限りがあることは本当に有難いことです。時間がない中で仕事を回すために、意識していることがいくつかあるのでご共有させて頂きます。「8月31日」にならないと仕事に着手できない他の皆様の参考になれば幸いです。
削る業務は自分の作業であって、マネジメントワークではない
やらないことを決める、と言っても、何でもかんでも仕事を削るというわけではありません。マネジメントワークというよりも、自分の作業の中でやらないことを決めるようにしています。よっぽどのトラブル事案への対応でない限り、マネジメントワークの方がやらないことによる影響範囲が広く大きくなります。マネジメントの仕事は組織に関連するあれこれを決めることです。プレイングマネージャーが多忙で意思決定を放棄すると、組織としての仕事が停滞することになるので、かえって悪影響が出ることになり、自分を更に忙しくすることになります。
目的から引き戻して仕事を考える
時間がない中でアウトプットを担保しようとすると、目的を実現するために、できるだけ最小限の工数で済ませていく方法は何かを考えるようになります。業務の中で時間対アウトプットが下がってくる、イールドカーブがサチる(作業対効果が悪くなってくる)ときには、やり方を変えるか、それでよしとするかを決めるようにしています。そこで仕事を止めたとしても、主要なゴールが達成できそうであれば、自分の中にある「完璧なありかた」の実現は求めずに、次の仕事に着手する様にしています。
他の人を頼る
自分でなくとも対応できる作業は率先して他の人にお願いしていくことにしています。これはマネージャーからメンバーへ、という流れだけでなく、メンバーからマネージャーへ、という流れもあると思います。仕事を人に依頼できない、あるいは依頼しても結局修正が多いので意味がない、と思う人もいるかもしれません。そういう人は自分の仕事の進め方や、アウトプットのありかたにこだわりすぎている可能性があります。手段にこだわっても仕事のスピードは上がらず、幅も広がりません。目的が達成できるように進んでいればそれで良しとし、人に仕事をお願いするときの作業の不満足・不充足感を甘受出来る様になることをおススメします。
自分がやるべき作業を把握する
チームを見渡して、自分がやるべきことを意識し重点的に時間を使うようにしています。自分がやるべきかどうかの決め方には基準があります。まず、自分が一番得意な作業をやるという考え方です。これには絶対的に自分の得意な仕事である、という観点もあれば、他のメンバーと比べたときに、相対的に自分にアドバンテージや経験がある場合もあるかと思います。あとは、誰かがやらないといけない仕事で、ボールが落ちると将来問題になり得る事項は拾い、自分の仕事にする様にしています。
目的ベースで仕事をこなしていくことは本当に重要
人のメンタルキャパには限界があって、決める事が多いと判断が鈍り、選択の質が下がっていきます。メンバーに仕事を任せることの一番のメリットは、実作業が減る事以上に作業を進める際に出てくる細かい、全体には影響しない決めごとの判断をメンバーに任せていくことにあります。
メンバーがそこそこ正しい選択肢を選んで進めていくためには、メンバーが目的を意識し、適切な手段を自発的に選べる状態になっている必要があります。マイクロマネジメントを良しとする人もいるかもしれませんが、それではメンバーのモチベーションは上がっていきません。自分で選択した仕事の結果からしか人は学ばず、また満足できない性質を持っています。マネージャーが箸の上げ下げまで判断をしていくとその場での確動性は上がるかもしれませんがメンバーの成長にはつながらないことと、自己肯定感が生まれないので自発性も出てきません。中長期的にはいつまでも仕事が滞る悪循環が続いてしまいます。
また一方で、メンバーが自分で仕事の進め方を決められない、作業を能動的に進めていく状況を作れないとマイクロマネジメントをすることと同じくらい効率が悪いので、こういった状況は解消していく必要があります。目的の共有をしていくことは当然のこととして、メンバーに対して能動的に動いてもらいたいことを明示的に言葉で伝えることも必要になります。
日本の学校教育・会社組織の弊害かもしれませんが、作業の手順を間違えることに対する嫌悪感やためらいが強い人も中にはいます。そういう場合はまず間違えることに慣れてもらう事から始めています。その人にとって新しい仕事の進め方に慣れてもらうためと思って、足元での業務効率は諦め、まずは間違えることは悪いこと、恥ずかしいことではない、と知ってもらえるよう環境を整えることを意識しています。
「夏休みの宿題問題」から、最後は判断の話になりましたが、実際のところ、マネジメント仕事の方が判断する数も多いので、累積で考えるとメンバーよりもよっぽど多くの間違った判断をしています。こういう経験をちゅうちょせずに共有できるほうがメンバーから信頼されるんじゃないかな?あと、間違いをメンタル的に引きずらない、面の皮が熱い人がマネジメントに向いているのかもしれませんね。これらのトピックについてはまた別の機会に考えてみたいと思います。
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