04_あせり
今回のnoteおよびマガジンは、2019年8月20日に開催された第7回教育カンファレンスでの発表内容及び、「これからの教育の話をしよう6/インプレスR&D」に寄稿したものです。
GIGA端末のリプレイスを見据えて、改めて2019-2020年のbefore GIGAを振り返りたいと思います。
(前回の続き)
良かれと思い、eboardやまなびポケットをGIGAスクール構想よりも前に導入しようと試みたが…
最初は正論を言えば提案は通るだろうと思い込んでいました。
「学力向上には個別に最適化された学習が必要」、「不登校の子どもにも教育機会確保を」…
しかし、うまくはいきませんでした。
そこで、「自習、全部ください」とお願いしたのです。
私の学年は、生徒数的には2クラスですが、いろいろ事情がありまして現在3クラスになっています。ということは単純計算して35コマの授業が増えるのです。教員数が増えないのに35コマ増えるとなると、教務が頭を抱えます。そこで、時数の調整が難しいコマを「全部ください」とお願いし、パソコン室でeboardの活用を始めました。
デジタル・ディバイドへの焦り
私が、個人レベルで執拗にICTを推進していこうとするのには訳があります。デジタル・ディバイド(情報格差)に対する焦りです。
熊本市で行われた九州ICT教育支援協議会でのことです。熊本市の中学生がインタビューに答えているのを見て愕然としました。
「ICTが導入され、先生たちが自由な授業をするようになった」
そして、タブレットを使って楽しく学び合っている低学年の児童の姿。
私の目の前にいる子どもたちには、1人1台のタブレットはおろか学校に1台もタブレットがない状態です。かたや、熊本では小学校2年生がタブレットを持って学びあっている。学習環境が異なっても、5年後、10年後に出ていく社会は同じなのです。
そして、同じ公立学校でありながらタブレットもWi-Fiもいない自治体で働く私。かたや、ICT環境が整った学校で実践を重ねていく先生方。
5年後、私は必要な職能を身につけられているのだろうか、と不安がおそってきました。…(つづく)
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