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03_研修デザインの裏_キャズム

このマガジンでは、ICT夢コンテスト2023で発表した内容のうち、私が担当したパートを公開していきます。一部、個人の見解や解説を加えていますが、所属する組織とは関係のないことを予めご理解ください。
このnoteが孤軍奮闘する仲間に届けば幸いです。

前回までのnoteでは、研修の個別最適化と、楽しさについてお話ししました。

今回は、研修のデザインに込めた、裏のねらいについてお話しします。
キーワードは、人材育成と業務改善です。

キャズムを超えろ

市内の教職員はおよそ230人です。そして、各学校にICT担当者が3,4います。市内小中学校は全部で10校なので、ざっくり計算すると次のようになります。

キャズム理論でよく見る図

16%というのは、イノベーター理論の「イノベーター」「アーリーアダプター」を併せた数です。
本市が、GIGAスクール構想における「キャズム壁」を越えられるかどうかは、研修の担当者にかかっていると言っても過言ではありません。

つまり、担当者のスキルが上がり活躍することと、それが同僚に広く認知され、メインストリームである「アーリーマジョリティー」の先生方に「安心感」を与えることが「裏のねらい」です。

では、担当者に身につけてほしいスキルとは何か?
1つ目は、準備段階におけるGWE(Google Workspace for Education)活用したリモートワーク。
2つ目は、オンラインワークショップ(一斉休講期間にオンライン授業などがなく、他地区よりも経験値が少なかった)のスキルです。

DXのロールモデルを

デザインのウラのねらいについて、もう少し詳しくお話しします。
セッション(オンラインワークショップ)を担当するチームは、基本的に他校の先生と組んでもらうことにしました。
担当者同士の交流や情報交換も期待できますが、ウラのねらいは別にあります。

それは、各学校にDXのロールモデルをつくることです。

各学校にDXのロールモデルを

各セッションのチームは、授業時間も勤務地も異なる為、非同期かつリモートで打合せをする必要性が生まれます。

すると、今までメールもなく電話や紙で打合せしていた職員室に、ICTを活用して他の学校の先生と仕事をする同僚の姿が現れることになります。

※すべてリモートに置き換えるべきという主張ではなく、対面が必要なことに注力するためにも、効率化によりその時間を確保した方がよいという考えです。

手伝える人を増やす

いつまでも得意な人に頼りっぱなしじゃ…

今回の研修では、市内小中学校10校をオンラインでつなぎ、
さらに各学校に4つのサテライト会場を用意する必要があります。
各学校のICT担当者は、自分が担当するセッションも抱えているので、
会場のセッティングや当日の操作やトラブル対応は、他の先生方に頑張ってもらうしかありません。

例えば、Meetへの接続方法、カメラの画角の調整、ハウリングの防止など、
実際にやってみないと気づけないことが沢山あります。
職員一人一人の「自分でできること(≒情報活用能力)」が増えると、ICTの利活用も推進しやすくなります。

今回は研修デザインのウラのねらいである、DXや人材育成についてお話ししました。

次回は、もう1つウラのねらいである「学びを自走する」についてお話しします。

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