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【教育の経済学✨】教育投資モデルから最適教育年数と生涯キャリア形成の在り方を考察してみた:経済理論解説 2023/07/28📚
学校教育の有する経済学的意義💫
今回の投稿では、学校教育を経済学的な視点
より考察していくことにしましょう
人的資本というのは、今後の労働生産性向上において非常に大切とされていますから
議論の余地はたくさんあるのです
以下では、教育投資モデルについて解説します
学校教育は⼈的資本(Human capital) への投資を考えます
教育によって、その個人の限界生産性が
上昇したことになれば、それは賃金が上昇することに繋がると考えます
説明に使用する記号や定義は
以下の通りでした
⼤学院進学ならびに学部卒での就職という人生の意志決定メカニズムモデルは以下の通りです
$$
X_i:Principal(元本)\\
ρ: Subjectve Discount Rate\\
DPV:Discount Present Value\\
\\
w^H : wage of high school graduate\\
w^U:wage of university graduate\\
C: Direct Cost (tuition fee)\\
C_{opt}: Opportunity Cost
$$
$$
Discounted Present Value of X\\
DPV(X_1) = \frac{X_1}{1+ρ}\\ \\
DPV(X_1)_A=\frac{X_1}{1+ρ_A} < \frac{X_1}{1+ρ_B}=DPV(X_1)_B\\ \\
where,ρ_A>ρ_B\\
A is seen as inpatient \\for the Future Value
$$
$$
Making the Decision for Master Cource\\ \\
if ,DPV^M > DPV^B \\
⇒Going to Master Course
\\ \\Given the following conditions \\ \\
\frac{w_{25}^M-w_{23}^B}{(1+ρ)^6}+\frac{w_{26}^M-w_{24}^B}{(1+ρ)^7}+・・・+\frac{w_T^M-w_T^B}{(1+ρ)^{T-24}}\\ \\
> (C_{M1} + w_{23}^B) +\frac{C_{M2}+w_{24}^B}{1+ρ} …(1)\\ \\①ρ:Subjective Discount rate is bigger\\
DPV^M< DPV^B \\ \\
②C: Direct Cost ΔC>0\\
DPV^M< DPV^B\\ \\
③Δw^M > 0\\
DPV^M > DPV^B\\ \\
④Δw^B > 0\\
DPV^M< DPV^B\\ \\
⑤Work Time :ΔT > 0 \\DPV^M > DPV^B\\ \\if DPV^M> DPV^B has established,\\
He will go to the Master Course!!
$$
進路選択の定式化についてのお復習いはここまでにしましょう
※まだ公開されていない記事の内容です🙏
今回は、いよいよ一般的な教育投資モデルに
入っていきたいと思います
教育投資モデル:Educational Investment Model 📚🌟
まずは、モデルで説明に要する記号の確認をします
$$
S: Education Years \\
w(S): wage for education years\\
w'(S):Marginal wage increase of \\ additional education year\\
r:Market Interest rate\\(=ρ:Subjective Discount rate)\\ \\
for simplifying\\ Direct Cost:C =0 \\
Given, the perfectly competitive market.\\
・Perfect imformation\\
・Rational thinking\\
・No transaction cost\\ \\
There is no discrimination of \\ wage level for
Educational background\\
⇒everyone has the same\\ "age-wage profile"
$$
⼀般化したモデルの導入と仮定の整理
下記では、教育年数が連続的なケースにおける最適な教育投資を考えていきたいと思います
ただし、連続時間の場合における割引現在価値は以下のように定式化されるのです📝
$$
DPV of contimuous time\\ \\
\lim\limits_{n\to∞}w(1+\frac{r}{n})^{-nt}=w e^{-rt}…(1)\\ \\w(S): wage for education years\\ \\
MRRS = w'(S) > 0 \\
Concave Function, w"(S)< 0
$$
モデルの仮定は以下の通りになります
教育年数Sの労働者の賃金をw(S)とします
また年齢-賃金プロファイルは
各学歴について一定と想定します
※この仮定には若干おかしな点があると思いますが🫢💦
なお、w'(S)は、追加的な教育投資による賃金上昇とします📝
労働市場環境については以下の想定がなされています
まず、個人の主観的割引率(ρ)は
市場の利子率(r >0 )に等しいとします👍
議論単純化のために、直接費用は0とし
この労働者は一生働きづけるとします(つまり、無限期間のモデルということですね💖)
そして、完全競争市場を想定します
具体的な仮定とは、借入制約無しの資本市場は完備であるとし合理的な労働者の存在を想定することになります
このような設定のもと、教育投資モデルに
ついて考えて行くことにしましょう✨
教育-労働所得プロファイルへの理解
図は、労働者の任意の教育年数Sについて
企業が支払うw(S)の軌跡を表したものであり、wage-schooling locus または
教育-労働所得プロファイルと呼ぶことにしましょう
![](https://assets.st-note.com/img/1690519321731-JO3jNgfhFI.png?width=1200)
wage-schooling locus の性質
①右上がりの形状を持つこと
②傾きw'(S)は教育の限界収益率を示すこと
③原点からみて凸型(concave)関数であること
これは、人的資本蓄積ならびに教育に対する
限界収益率の逓減を仮定しているということ
なのです
労働者の最適化⾏動
以下では、こちらの先行研究を参考に
教育投資モデルに基づく、労働者の最適化行動を考察していくことにしましょう💖
①モデルのセットアップ🆙
ここで、労働者の効⽤関数を
以下のように仮定します
$$
Utility of Labor\\
U(S,w) = \log w(S)…(1)
$$
加えて、所得の割引現在価値(DPV)は以下のように導出されます
$$
\intop_S^∞ w(S)e^{-rt} = w(S) \frac{e^{-rt}}{r}…(2)\\ \\Mathmatical Process\\
\intop_S^∞ w(S)e^{-rt}dt = \lim\limits_{b\to∞}\intop_S^∞ w(S)e^{-rt}\\ \\=
\lim\limits_{b\to∞}w(S)[- \frac{e^{-rt}}{r}]^b_S\\ \\ \\=\lim\limits_{b\to∞}w(S)(- \frac{e^{-rb}}{r}+\frac{e^{-rs}}{r})\\ \\=w(S)\frac{e^{-rs}}{r}
$$
②教育投資の最適停止条件(stopping rule)
個人は、所得の現在価値を最大化する教育水準Sを選択するから、その1階の条件は、以下の通りとなります
$$
-rw(S) \frac{e^{-rt}}{r}+w'(S)\frac{e^{-rS}}{r}=0\\ \\
⇔\frac{w'(S)}{w(S)} = r …(3)\\ \\
MRRS(S*) = Market Interest Rate(r)…(4)
$$
この(3)式より得られるインプリケーションは以下の通りです
このように生涯所得の最大化を図るように労働者が行動した結果、動学的な労働市場の均衡点において、限界的な教育投資の収益率(MRRS)と利子率が等しくなる、という結論を得ることができたのです👍
![](https://assets.st-note.com/img/1690519321091-FHjcV5BwNv.png?width=1200)
ここで、利⼦率rが与えられると
最適停止条件は(4)式のように表されるのです
したがって、労働者は
他の資産の投資の収益率である利⼦率と
教育投資の限界収益率が均等化するS*まで
教育投資を行うことがわかりますね
外生変数の比較静学分析
まずは、➀個⼈間で能⼒は同⼀
しかし、(主観的)割引率が異なるケースを考えます
労働者Aは、労働者Bよりも割引率が大きいので現在志向であると言えます
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111934007/picture_pc_25cff381c05f3f465a22f163634e8cb9.png?width=1200)
両者の能力は同一であるので、(4)式の均衡条件「MRRS(S*)=r」より、Aさんの最適な教育水準はBさんのそれよりも小さくなることになるのです
また、右図のwage - school locus の性質を考察すると、教育年数が相対的に少ないAさんの賃金水準は、Aさんよりも教育年数を受けているBさんよりも低くなることがわかります
総じて、割引率が⾼い労働者ほど、他の条件を⼀定として、教育年数が短くなることが言えます
この結果、年間労働所得が低くなってしまうのです
次は、能⼒の効果について考察します
②個⼈間で割引率が同⼀ですが、各個人の能⼒が異なるケースを想定します
すなわち、労働者Aは、労働者Bより⽣まれつきの能⼒が⾼く、教育の限界収益率が⾼い、という設定で議論しましょう
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/111934031/picture_pc_7e4b2ed79027df797427ead25128763b.png?width=1200)
左図より、任意の教育水準Sにおいて、Aさんの教育に対する限界収益率が、Bさんのそれよりも大きいです
したがって、最適な教育水準の決定条件より、AさんはBさんよりも長い教育水準が最適となるのです
そして、右の wage - school locus よりAさんの賃金水準はBさんよりも高くなります
しかし、能力が高いほどwage - school locusは上方に位置しています
よって、異なる労働者の間に観察される賃金格差(Δw)には、教育年数の際によって生じる格差に加えて、生まれつきの能力差に基づく格差が含まれているのです💦
これは、教育投資から得られるリターンの推計における ability bias の問題として認識されているのです📝
総括:教育投資モデルの検証可能命題
教育投資モデルから得られる
インプリケーションは以下の通りです📝
①追加的に進学する労働者ほど、⽣産性が高くなること
②追加的に進学する労働者ほど、生涯的にわたってより⾼い賃⾦を受け取ること
③教育の限界収益率は、およそ市場利⼦率に等しくなること
④学校教育の費⽤はどの年齢でも同じであるが、そこから得られるリターンは卒業して
初めて得られるため、働き始める前(若いうち)に教育投資を⾏うことが現実社会と整合的であること
これらのインプリケーションを踏まえて
学校に通う時間を大切にしたいですね📝
人生の中で、どれだけ教育が大事なのか
ということをご理解いただけたのではないでしょうか?
親御さんの経済力は、子供の学力水準に大きく依存するということも想起できるはずです
だからこそ、勉強だけではなく何事においてもより主体的に行動し、成長できるように
この学生の期間を過ごすことが、望ましいと
いうマインドセットに至るのではないでしょうか?🎊
本日の解説は、以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺
おすすめマガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚
また、こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです
改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました🍀
だからこそ、ご縁を大切に
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば
大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
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