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【基礎が大事🌈】為替レートの決定理論&モデル解説:国際金融論💴No.2

今後、定期的に投稿していく
【国際金融論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「国際経済学の分野」について学んだことを
アウトプットしていきたいと思います👍

前回の記事は、こちらになります

はじめに:モデルの導入前に

開放経済における対外取引は、財・サービスに係る「経常取引:Current Account」と
金融資産に係る「資本取引:Capital Account」に大別されるということは
こちらの記事で解説しています💖

これらの取引の根本的な
相違点は、次の2点です

  1. 資本取引の単位費用が
    経常取引の単位費用より小さいこと

  2. 資本取引の所要時間が
    経常取引の所要時間より短いこと

これらの相違から、国際取引に障(=資本規制や取引数量制限、莫大な取引費用の存在など)がない場合内外の資産市場はほぼ常時均衡状態にあると見なせますが

内外の財(サービス含む)市場は必ずしも
均衡状態にあるとは限らないのです

資本の移動というのは
時間が掛かることが多いです

「金融市場における資本」と
少しニュアンスが違うかもしれませんが
財市場における資本を考えるみます

工場や家を建てる時間が1年以上掛かるケースが多いことに対して、鉄鋼原料が貿易される
時間は相対的に短いというイメージで良い
と思います📝

短期と長期の違いについて

今一度、ここで「長期と短期の違い」について確認しましょう
国際マクロ経済学における「長期」とは、財市場と資産市場の両者が均衡状態 に達する期間を指します

その一方で「短期」とは、瞬時に均衡状態に達する資産市場のみが均衡す る期間を示していると理解してください

私が解説する内容は、内外の財市場・資産市場が共に均衡状態にある場合の為替レートの決定理論 を取り扱うことにします

以下では、まず為替レートの均衡に関する古典的な概念である
「購買力平価説」および購買力平価と密接な関係にある
「実質為替レート」について説明することを試みます

その次、貨幣市場に着目した為替レートの長期均衡理論である
「マネタリー・アプローチ(貨幣接近)」について考察してみようと思います

また、購買力平価説およびマネタリー・アプローチに基づく為替レートの実証分析についても言及します

そして、私が卒業論文を執筆するときに留意点を指摘しながら理解を深めていくことにします💝

為替レートの長期的均衡モデル:Part②

為替レートの決定理論について、これから丁寧に解説していきたいと思います
長期均衡モデルで大切なことは「財・資産両市場の均衡」を考慮することにあります

短期とはまた異なる視点を持っていることは
上記で解説いたしましたが
まずは長期のモデルから順番に解説していきたいと思います

登場する記号一覧は、以下の通りです

$$
P_i : the  price  of  No.i  good    \\
S : Local  currency  exchange  rate \\
{P_i}^* : the  price  of  No.i  foreign  good \\
( i = 1, …, n )\\

w_i : the  weight  of  Good_i  in  the  Domestic  Price  \\
{w_i}^* : the  weight  of  Good_i  in  the  Foreign  Price
$$

購買力平価と実質為替レートの関係性

(2)絶対的購買力平価と相対的購買力平価

2-A :絶対的購買力平価

ミクロ的な概念である一物一価の法則を
マクロの均衡条件として一般化したものを
「購買力平価(Purchasing Power Parity:PPP)」というのでしたね

つまり、PPPとは国内外の財市場間の裁定を通じて、国内外の一般的な物価水準が等しくなるという考え方になります

PPP の概念は、以下の通りに定式化されるのでしたね

$$
Purchasing  Power  Parity≡
P = S \times { P^*}   ・・・(1)
$$

$$
P ≡ \sum_{\mathclap{i=1}} w_i  P_i ,  where… \sum_{\mathclap{j=1}} w_j = 1\\
P^*≡ \sum_{\mathclap{i=1}} w_i  {P_i}^*,where…  \sum_{\mathclap{i=1}} w_i = 1
$$

また、PPPの式(1)は以下のように変換できます

$$
Exchange  rate : S = P / P^*  ・・・(2)
$$

(2)式は、為替レートが国内外の物価水準の比率
あるいは物価水準の逆数(1/P)として
表記される国内外通貨の購買力の比率であるというインプリケーションを得ることができるのです💗

国内外経済間にて上式の関係が成り立つとき
「絶対的購買力平価」が成立していることになります

$$
Absolute  Purchasing  Power  Parity
≡ S = P / P^*
$$

絶対的購買力平価が成立するための条件

$$
Term①: P_i = S \times{P_i}^*    ・・・\forall  i  (= 1,・・・,n)
$$

条件①は、すべての i について一物一価の法則が成立していること
というインプリケーションがありますね📝

$$
Term②: w_i = {w_i}^*  ・・・ \forall i  (=1,・・・,n)
$$

条件②のインプリケーションは「すべての i について両国のウェイトが等しいこと」になります

絶対的購買力平価説に対する評価

では、本当に絶対的購買力平価説も
現実経済や社会の流れを説明するために
どれくらいの整合性が在るのでしょうか?

条件①においては、国内外市場において
「裁定取引」が実行できない非貿易財(Non-tradable Goods)の存在を勘定する
かなり難しい仮定になるのかなと思います

また、条件②においても
各国において、消費や生産のパターンが異なりますから消費バスケットや物価水準に占める
第 i 財のウェイトが等しくなるとは一概にも言えないのです

この意味で、絶対的購買力平価は
一物一価の法則と同様に、厳密な意味では
成立し得ない仮定であると結論づけることに
なるのです💦

今回の説明は、いかがだったでしょうか?
次回も引き続き、購買力平価説に関係する理論を説明します

絶対的購買力平価説に対して
議論が展開される相対的購買力平価説についても解説していきたいと思います💗

For You:マガジンのご紹介🌟

こちらのマガジンにて
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

また、経済学理論集などは
こちらをぜひご覧ください💖


今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚


Ending:最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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