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【貿易と経済成長🌈】自由貿易と比較優位がもたらす偏向的経済成長✨国際貿易論:Chapter②

【国際貿易論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
国際経済学の分野についてアウトプットしていきたいと思います👍


今回の記事は「比較優位」によってもたらされる生産構造の変化や偏向的経済成長について考えていきたいと思います

これまでの投稿では、①ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデル(以下、HOSモデル)

② 「特殊要素モデル(specific factor model)について解説してきました

国際貿易を理解する上で非常に大切なこの2つのモデルの特徴や違いについても言及できたらと思います🔥

HOSモデルは「生産要素賦存量」によって貿易パターンが決定されるということをメインに理論が展開されていました👍

しかし、特殊要素モデルは少し説明が若干異なる点があります

私たちはそこに焦点を当てて、国際貿易論について踏み込んでいくのでした✨
ちなみに、前回の投稿は以下となります📝

今回の記事では、国際経済における三面等価の原則ならびに、比較優位がもたらす偏向的な生産構造と経済成長について考えていきましょう

国民所得計算における三面等価の原則


三面等価の原則とは、「生産面」「分配面」「支出面」で測った国民所得(Y)が等価となることを示す原則です
※なお分配面は、要素所得としても考えることができますね👍

数値例を挙げますと、ある工場で10,000円分のパンを生産しました
この生産に貢献したAさんは、賃金として10,000円を得ました
そして、このパンを消費したいAさんは、10,000円を支出し購入しました
この結果、パン屋さんに10,000円の利益がもたらされました
という至ってシンプルな原則が「三面等価の原則」です
※手数料や税金は存在しないこととします・・・

$$
Principle  of  "three"sided  equivalence: \\Y^{produce} = Y^{distribute}=Y^{expenditure}
$$

三面等価の原則を考慮すると
一国の国民所得ならびに家計の予算制約式は
以下のように定式化することができます

$$
[Total  expenditure] : p_1 \times{x_1} + p_2 \times{x_2} \\
= [Total  factor  income] : Wage + Profit(π) \\
=[Total  production] : p_1\times{y_1}+p_2\times{y_2}
$$

比較優位と偏向的生産構造🌟

私たちは、いままで、HOSモデルや特殊要素モデルを学習してきました
まずは、この2つのモデルを整理することから始めましょう

需要条件が同じであれば、他国と比較して
ある財の生産に偏った生産可能性フロンティアを持つ国は、その財に比較優位を持つ傾向がある
というインプリケーションを説明してきたと思います

賦存量の多い生産要素を使用した方が、その国にとって都合が良い(=コスパ良く生産できる)ことが多いというイメージはなんとなくできるでしょう

下記に「生産要素賦存量」によって貿易パターンが決定されるという2つのモデルから結論づけられるインプリケーションをまとめました

HOSモデル

「ある国は、他国と比較して
自国に豊富に存在する生産要素に集約的に利用して生産される財に比較優位を持つ」ということです


特殊要素モデル

「ある国は、他国と比較して
特殊要素が多い財に比較優位を持つ」ということです

ぜひこの2つの結論は非常に大切だと思いますので、しっかり覚えていただけると幸いです💖


以下では、引き続き図解を用いながら
「比較優位」がもたらす偏向的な生産構造や
経済発展
についてまとめていきたいと思います

お復習い:閉鎖経済均衡で実現すること

今一度、ここである国における「閉鎖経済均衡」について図解を用いて再確認しましょう👌

閉鎖経済均衡の確認

以前の投稿でも確認しましたが
ある国の閉鎖経済均衡において

$$
The  slope  of  PPF : F(y_1,y_2) = The  slope  of  Indifference  Curve : U(x_1,x_2)\\
equivarent  to  MRT_{12} = MRS_{12}
$$

という関係が成立しているのでしたね📝

この一致条件から、生産者は自身の利潤最大化(⇔費用最小化)、並びに消費者は効用最大化(⇔支出最小化)の行動を完全競争市場環境下で選択したところ、国内での均衡相対価格が
決定されるのです

$$
Domestic  Equilibrium: P^* =(p_1/p_2) \\=MRT_{12}=MRS_{12}
$$

比較優位がもたらす生産構造の偏向的な拡大

以下の図は、生産構造の偏向と比較優位ついて
モデルを踏まえたインプリケーションを確認しましょう

要素賦存量が異なる国において
どのような変化が想定されるのかイメージ
しながら理解を進めてください💝

図解:生産の偏向と比較優位

ここでも再度、以前学習したHOSモデルと
特殊要素モデルとの比較を考えましょう

HOSモデルのインプリケーションは
「ある国は、他国と比較して自国に豊富に存在する生産要素に集約的に利用して生産される
財に比較優位を持つ」
ということです

同様に、特殊要素モデルのインプリケーションは「ある国は、他国と比較して特殊要素が多い財に比較優位を持つ」ということです

ぜひこの2つの結論は非常に大切だと思いますのでしっかり覚えていただけると幸いです💖

需要条件が同じであれば、他国と比較して
ある財の生産に偏った生産可能性フロンティアを持つ国はその財に比較優位を持つ傾向がある
という比較優位に基づく国際貿易の基礎理論から得られるインプリケーションを説明してきたと思います

よって、ある生産要素の賦存量が増加したり
国際貿易の開始など外性的な価格の変化が
発生したりしたときにこのような
「生産構造」の偏向が発生するのです
これが国際貿易によって想定されうる
「偏向的経済成長」となるのです

上記の図では、国際貿易の開始によって
新たな国際相対価格(P^)が与えられたとします
市場が海外へ開放されても完全市場競争の仮定は変わりませんので、生産者と消費者は所与の価格のもとで最適化行動を選択します

ここでは、当初決まっていた国内閉鎖経済均衡価格よりも大きい値を取る国際相対価格が与えられたと仮定しましょう
国内市場の値については(domestic)の「d」を
海外市場の値については(world)の頭文字である(w)をそれぞれ添えることにします

$$
P^d= ({p_1}^d/{p_2}^d) < ( {p_1}^w/ {p_2}^w ) = P^w
$$

以下の図では、オレンジ色のa点にて、新たな国際相対価格に対応した均衡が実現しようとしています

開放経済で直面する国際相対価格とその変化

消費者は、与えられた国際価格による予算制約下において
自身の効用関数を最大化させようと行動します

$$
Max: U(x_1,x_2)  subject  to \\
{{p_1}^w}\times{x_1} + {{p_2}^w} \times{x_2} = {Income}^w
$$

同様に、生産者(企業)も与えられた国際価格に対応した生産量の調整に入るのです
簡単にベクトル表記で定式化すると以下のようになりますね

$$
Max: π({p^w}, y_i)  = {p^w}\times{y_i} - C(r,w)
$$

よって、新たに与えられた国際相対価格に対する均衡点では以下の関係が成立してることがお察しいただけるでしょう

$$
MRT_{12} = MRS_{12} = P^w ( = {p_1}^w / {p_2}^w)
$$

比較優位に基づく偏向的経済成長

解説はいかがだったでしょうか?

要素賦存量が異なる国同士において「比較優位」が形成されていく仮定や国際貿易を説明する上で基本的な定理やモデルの概要などを理解いただくことはできましたか?

私も投稿を作成する中で、キーポイントや大切な考え方などを整理できているので、非常に有意義な活動かと思っています💖

次回以降は「貿易の利益」というテーマについて考察していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします✨

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