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【船荷証券の危機 Part➁】海上貨物の輸送スピードに対応するための対応と電子船荷証券の登場🎊:貿易実務検定B級対策 No.17

今回も引き続き「船荷証券の危機」という
テーマについて、海上貨物輸送の高速化等
への対応を中心に学習していきます👍

なお「船荷証券の危機」とは、アジア域内など
航海期間が短い海上輸送において、すでに
貨物が揚げ地に到着しているにも関わらず
船荷証券の原本(オリジナルB/L)が
届いていないために貨物が引き取れない
という事態のことを指します💦

今回は、サレンダードB/Lをはじめ
電子船荷証券の登場という点についても
整理していくことにしましょう!


前回のお復習い💖

Surrendered B/L🚢

輸入者が早期に貨物を引き取りたい場合に
積地の船会社が輸出者の白地裏書を受けた
B/L全通を回収した旨と、輸入者への引渡し
を輸入地の代理店に連絡し、ニーズに応える
という方法があります!

この場合における回収されたB/Lのことを
サレンダードB/Lと呼びます👀

これは、送金ベースによる貨物代金決済で
利用されることがほとんどなのですが
輸入者は代金回収のリスクを負い、また
貨物の担保権が銀行にもありません💦

このため原則として銀行は荷為替手形の
買取をしないことになります👀
そして、信用状統一規則でもその取扱方法は
定められていないことになっているのです…

詳細は貿易決済と輸入金融というテーマで
述べますが、時として信用状に運送書類として
"surrendered non-negotiable copy of B/L"
等と規定して要求してきた場合には、信用状
取引であっても取り扱われるのです👍

サレンダードB/Lによる貨物代金決済

それでは、簡略ながらサレンダードB/L
による貨物代金決済の流れを確認します👀

➀船会社は荷送人(輸出者)から貨物を受領
②船会社は輸入地へ貨物を輸送

③通常の船荷証券全通(通常は3通)
 を発行し輸出者へ譲渡
④船会社は、輸出者の依頼により
輸出者の白地裏書された船荷証券全通を
輸出者から回収し、保管

⑤B/L原本の代わりに輸出者へB/Lの
Non-Negotiable Copyを譲渡

⑥輸出地の船会社は、輸入地の自社の船会社
またはその船会社の代理人にEメール等で
荷受人(輸入者)への貨物の引渡し指図の実施

⑦輸入地の船会社または船会社の代理人は
輸出地の船会社から受けた内容と貨物とを
照合確認のうえ、荷受人(輸入者)に連絡

⑧輸入地の船会社または船会社の代理人は
荷受人(輸入者)に荷物の引渡しを実施

このような➀~⑧のステップを経て
サレンダードB/Lによる貨物代金決済が
行われることを覚えておきましょう🔖

保証状荷渡し

近距離からの輸入の場合は、B/Lが銀行に
到着する前に貨物が先に到着する
というケースも十分想定されます👀

しかし、海上貨物がB/Lと引換えでなければ
引渡されないとなると、輸入者は商機を
逃してしまう可能性があります💦

そこで、輸入者は保証状(L/G)を作成し
船会社に差し入れるとともに引換えとして
荷渡指図書(Delivery Order)を受け取ります。

このD/Oと引換えに貨物の引取りを行います👀
このようにB/LなくしてL/Gで貨物を引き取る
ことを「保証状荷渡し」というのです!
※詳細は、貿易決済と輸入金融で🙇

直送B/L扱い🚢

船荷証券の1通を輸入者から輸入者に
直接交付させ、そのB/Lで貨物を引き取る
という扱いを直送B/L扱いといいます。

なお、直送B/Lは信用状発行銀行の担保権
が侵害されるため、信用状ベースでは
信用状発行銀行が許可しない限り
L/Cが開設されることはありません🏦

この直送B/L扱いは、輸入者と輸出者とが
同一企業グループ内取引(海外子会社等)
である場合や、輸出者と輸入者とが長年の
取引先で特に問題が無い場合に行われます👌

また信用状取引では、輸入者が信用状発行
銀行に信頼がある場合以外は、原則として
直送B/L扱いはありません。
※事故事例等も含めて今後解説予定🙇

電子船荷証券:Electric Bill of Lading💻

現在の貿易取引の決済は、ペーパーB/Lを
担保にした荷為替手形により実施されます👍

しかし、船舶の高速化、荷役作業の迅速化
近隣諸国からの輸入の増加などにより
海上貨物の輸送スピードに船積書類の流れが
追い付いていけない状況が見受けられます💦

このため紙ベースのB/Lでは、貿易運送と
決済との間に問題があるということが
露呈されることになってしまったのです…

そこで今日における新しい物流の変化に
対応できるシステムとして、船荷証券と
同等の電子データ交換(EDI)の形式で授受
できる電子船荷証券が開発されたのです🌈

この電子船荷証券が広く採用されるかどうかは
従来の船荷証券が果たしてきた役割・機能や
経済的便益が電子船荷証券でも得られるのか
どうかにかかっていると言えるでしょう👀

補足事項ですが、以下に代表的な
契約会員組織やTEDIサービスをご紹介します!

しかし、電子船荷証券の役割や機能、また
そこから生じる法律関係を包括的に規定する
条約や法令は存在しておりません…

なお万国海法会(CMI)は「電子式船荷証券
のためのCMI規則」を採択したのですが
この規則は条約ではなく、契約当事者が規則
に従って取引をする旨の合意にすぎません📝

本日のアウトプットはここまでとします💖
・サレンダードB/L
・直送B/L
・電子船荷証券

などについてご理解いただけたでしょうか?

次回は、複合運送証券と
世界の主な物流航路について
一緒に学習していきましょう💛

なお、本投稿シリーズ作成における
参考資料は、以下の通りです。

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2024年8月9日:貿易実務検定B級合格💮

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最終的には、B級、そしてA級の取得を目標に
英語学習も含めて取り組んでいきます!

※なお、本稿はあくまで試験対策の内容です。
したがって、実際のケースとは異なる場合や
簡略化した点が若干ありますが、その点に
関しましてはご了承ください🙏

これからnoteでアウトプットするなかで
皆さまに「貿易実務」の魅力
お伝えできたら幸いです!
ぜひ、最後までご愛読ください📚 

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今後、さらにコンテンツを
拡充できるように努めて参りますので
何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご覧いただきありがとうございました🌈

まだまだ浅学非才な私ですが
noteという最高の環境を活用して
日々、成長できるように精進します🔥

アウトプット前提のインプットを体現する
ことができるのは、本当に有意義であると
思いますし、成長の記録としても残るので
非常にやりがいを感じています。

社会人になってもnoteはなるべく
継続していきたいことではありますが
あくまで趣味としての取組みになりますので
優先順位を大切にして活動していきます!

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