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【知は力なり🔥】為替レートの決定理論とその応用モデル解説:国際金融論💖No.8

【国際金融論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
「国際経済学の分野」について学んだことを
アウトプットしていきたいと思います👍


前回の記事は、こちらになります

はじめに:モデルの導入前に

開放経済における対外取引は、財・サービスに係る「経常取引:Current Account」と、金融資産に係る「資本取引:Capital Account」に大別されるということは、こちらの記事で解説しています💖

これらの取引の根本的な相違点は、次の2点です

  1. 資本取引の単位費用が、経常取引の単位費用より小さいこと

  2. 資本取引の所要時間が、経常取引の所要時間より短いこと

これらの相違から、国際取引に障壁(=資本規制や取引数量制限、莫大な取引費用の存在など)がない場合
内外の資産市場はほぼ常時均衡状態にあると見なせますが
内外の財(サービス含む)市場は必ずしも均衡状態にあるとは限らないのです
資本の移動というのは、時間が掛かることが多いです

「金融市場における資本」とは少しニュアンスが違うかもしれませんが、材市場における資本を考えるみます
工場や家を建てる時間が1年以上掛かるケースが多いことに対して、鉄鋼原料が貿易される時間は相対的に短いというイメージで良いと思います📝

短期と長期の違いについて

今一度、ここで「長期と短期の違い」について確認しましょう
国際マクロ経済学における「長期」とは、財市場と資産市場の両者が均衡状態 に達する期間を指します
その一方で「短期」とは、瞬時に均衡状態に達する資産市場のみが均衡す る期間を示していると理解してください

私が解説する内容は、内外の財市場・資産市場が共に均衡状態にある場合の為替レートの決定理論 を取り扱うことにします

以下では、まず為替レートの均衡に関する古典的な概念である
「購買力平価説」および購買力平価と密接な関係にある
「実質為替レート」について説明することを試みます

その次、貨幣市場に着目した為替レートの長期均衡理論である
「マネタリー・アプローチ(貨幣接近)」について考察してみようと思います

また、購買力平価説およびマネタリー・アプローチに基づく為替レートの実証分析についても言及します

そして、私が卒業論文を執筆するときに留意点を指摘しながら理解を深めていくことにします💝な

為替レートの短期的均衡モデル:Part②

為替レートの決定理論について、これから丁寧に解説していきたいと思います
長期均衡モデルで大切なことは「財・資産両市場の均衡」を考慮することでありました
しかし、実際の経済は「短期」的な変動によって
経済のファンダメンタルズが変化することも多いです


以下では、財(及びサービス)市場における均衡が成立せず、相対的に取引に係るコスト・時間が短い資産市場における均衡のみが達成されるような短期における為替レートの決定理論をご紹介することにします
ここでは、産出量、物価水準、内外金融資産の供給残高は所与と見
なされますので、ご留意ください

短期と長期とはまた異なる視点を持っていることは
上記で解説いたしましたが
今後は為替レートの決定理論における
長期のモデルではなく
短期のモデルを順番に解説していきたいと思います


登場する記号一覧は、以下の通りです

$$
P_i : the  price  of  No.i  good    \\
S : Local  currency  exchange  rate \\
{P_i}^* : the  price  of  No.i  foreign  good \\
( i = 1, …, n )\\     \\
i :  interest   rate
I : Investment  or  Profit \\
* : Foreign  Variables \\
F : forward  rate \\
e :  Expected  value\\
s,f : logarithm  of  S,F
$$

カバー付き金利平価(Covered Interest Rate Parity: CIP)🌟

投資家が為替リスクを嫌うならば、外国建て通貨資産を保有する際に、先物市場での為替の先渡契約を通じて収益額を確定させることができますね
つまり、満期時(t+1 時点)にドル資産の収益額を先渡レート(F)で売却するという契約を結ぶことにより、資産購入時(t 時点)に円建て収益額が与えられることになるのです
この場合の金利裁定式は、以下の通りになりますね

$$
Covered  Interest  Rate  Parity\\    \\
CIP: (1+ i_t) = (1+{i_t}^*) \times(\frac{F_{t,t+1}}{ S_t} )\\   \\
or,    i_t = {i_t}^* + f_{t,t+1} - s_t  …②
$$

なお(ft,st)は自然体数値を表す値になります
要するに、変化率を表しているということですね📝

この関係は、先渡契約により、カバーされた無リスクの裁定条件であるという意味から、「カバー付き金利平価(Covered Interest Rate Parity: CIP)」と呼ばれるのです

なお、上式の右辺の f は「先渡プレミアム(もしくは現先スプレッド)」と呼ばれ、CIPが成立するためには、内外金利差が先渡プレミアムと等しくならなければならないことがわかりますね

例えば、満期時における先物レートが直物レートより1%下回っている(自国通貨高)場合、外国金利は国内金利を概ね1%上回っている必要があるということです

CIPは、国際資本取引に対する障壁がない限りにおいて成立します
事実、日米間の3 ヶ月物預金金利差とカバー付きの金利平価を示す資料からは、両国間の現先取引が完全自由化された 79 年 5 月以降、両者がほぼ同一の軌跡を辿っているというデータがあります

今回の解説はいかがだったでしょうか?

次回も引き続き、金利平価についての理解を深めていきたいと思います
今回はカバー付き金利平価でしたが、次回はカバーなし金利平価を解説することにしましょう

ぜひ為替レートの決定理論について理解を深めて、経済情勢を把握できる人間を目指しましょう


For You:マガジンのご紹介🌟

こちらのマガジンにて
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

また、経済学理論集などは
こちらをぜひご覧ください💖

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
何卒よろしくお願い申し上げます📚


Ending:最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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