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【国際貿易論✨】要素賦存量によって説明されるHOSモデルと貿易メカニズム:Chapter④

【国際貿易論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である
国際経済学の分野について
アウトプットしていきたいと思います👍

今回の記事は「ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデル(=HOS model)」について解説していきたいと思います🔥

ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデル
(以下、HOSモデル)は「生産要素賦存量」によって貿易パターンが決定されるということを
メインに理論が展開されていきます📝

ヘクシャー・オリーン・サミュエルソンモデルについて:Part④

前回の記事(下記URL)よりHOSモデルについての解説を始めました


ぜひPart①からご覧になって、本投稿を読み進めていただけると更に理解を深めていただけるのではないかと思います💖

確認:HOSモデルに使用する表記一覧

HOSモデルの説明において以下の記号を用いることとします

存在する財は、2種類(第1財、第2財)
2つの生産要素(資本:K、労働:L)から
HOSモデルは成り立っています📝

yi:第 i 財の生産量
αKi:第 i 財の資本投入係数
αLi:第 i 財の労働投入係数
資本集約度:

$$
Capital  intensity = αK_i / αL_i
$$

K:資本の総量(資本賦存量)
L:利用可能な労働の総量(労働賦存量)
以降は、これらの記号を主に使用しながら解説していきます📝

リプチンスキー定理

以下では、HOS定理から導かれる国際貿易論を説明する上で非常に大切な定理を解説していきたいと思います✨
まずは、リプチンスキー定理について解説します

リプチンスキー定理のインプリケーションは、以下となります
「財価格を一定とするとき、ある生産要素賦存量の外生的な増加は、その要素を集約的に利用して生産される財の生産量を増加させ、また、そうでない財の生産量を減少させる」

この定理はどのようなことを示唆しているのでしょうか?

HOSモデルの仮定より、第1財は資本集約的な財でありましたから
投入係数による比較式が成立することになります

$$
(αK_1/ αL_1)>(αK_2 /αL_2)
$$

$$
(αK_1/αK_2 ) > (αL_1/αL_2)
$$

となりますね

ここで資本賦存量(K)が外生的に増加したケースを考えましょう

第1財の資本集約度は第2財の資本集約度よりも高いため、第1財の生産は増加します
一方で、資本集約度の高くない(=労働集約的な)第2財の生産量は減少します

このようにリプチンスキー定理より、以下のことがわかるのです
どちらかの生産要素賦存量の外生的な増加は「偏向的経済成長」をもたらします
偏向的経済成長とは、ある国では資本に偏った経済成長、もしくは労働が中心となった経済発展を遂げていくという経済成長のプロセスになります

これは、他国と比べて、ある生産要素量が
相対的に多い国は、その生産要素を集約的に
利用して生産される財の方向に偏った生産可能性フロンティアを持つ
ことになっていくということですね

図解:リプチンスキー定理

図解:リプチンスキー定理

資本の制約と労働市場の資源制約は以下の通りです

$$
K_1+K_2=K
$$

労働量の制約

$$
L_1+L_2=L
$$

これらの式を満たすことが前提条件でした👍

また、各生産要素投入係数の定義より

$$
「αK_i=K_i / y_i 」&「αL_i=L_i / y_i」
$$

であることはすでに
ご理解いただいていると思います👍

よって、資源制約と生産要素投入係数の関係式を変形して組み合わせると

$$
αK_1×y_1+αK_2×y_2=K \\
αL_1×y_1+αK_2×y_2=L
$$

というある国における
生産要素の完全雇用関係式が導出される
ということを踏まえて

リプチンスキー定理を図解することを試みましたが、オレンジ色の(y)は
均衡における生産量
になります✍🏻

上記では、資本賦存量が
「K0 からK1 へと増加したケース」
を想定しています🙄

すると、赤色で表記している資本市場の均衡線

$$
Capital  Market:αK_1×y_1+αK_2×y_2=K
$$

が右側にシフトすることになりますね🔥
※労働賦存量(L)は変化していないので
労働市場の完全雇用を示す青色の直線は変化しません!!

$$
Labor  Market: αL_1×y_1+αK_2×y_2=L
$$

「図解:リプチンスキー定理」より
生産均衡点が(y)から(y^)へと
変化していることが理解できます

この仮定において、資本集約的な第1財の生産量が増加していますね(Δy1>0)

その一方で、労働集約的な第2財の生産量は減少しています(Δy2<0)

これよりリプチンスキー定理の直観的な証明の完了となります💖

ここで、今一度確認したいことは
想定される生産可能性フロンティアが
資本賦存量の増加により

資本集約的な第1財の方向へ偏って
大きくなっている
ことを抑えておきましょう👍
これが「偏向的経済成長」のインプリケーションでもあります📝

今回の記事は、ここで一旦終了しますが
また次回Part④以降もご一読いただきHOSモデルについての理解を深めていただけたら幸いです💖

最後までご愛読いただき誠にありがとうございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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