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【国際貿易論🌏】比較優位に特化することの恩恵💛 【最終章】

【国際貿易論】シリーズにおいては
私が現在学習している内容である国際経済学の分野についてアウトプットしていきたいと思います👍

今回の記事は「リカード・モデル」
について解説していきたいと思います

リカード・モデルは「比較優位」によって
貿易パターンが決定されるということを
メインに理論が展開されていきます📝

以前の投稿「リカード・モデルについて:Part③」もご一読いただいた上で今回の記事も読み進めていただけると幸いです💛


リカード・モデルにおける比較優位の概念について:Part④ Final

やっと、リカード・モデルの最重要ポイントである
「比較優位」の議論にたどり着くことができましたね💦

国際貿易論における比較優位とは、どのような概念なのでしょうか?
今までの学習内容を整理しながら、定義していきましょう💖

※記号やモデルの前提確認
P:大文字=相対価格
p:小文字=各財の価格
財は2種類(i=1,2)、国家も2つ、( j = A,B)
労働投入係数:αLi(=Li / yi) 
        ・・・一定の値を取ります

①投入係数比率による比較優位の定義

比較優位の本質は機会費用の格差にあります
換言すると、どれだけコスパよく生産できるかの違いということです

閉鎖経済の長期均衡において、以下の関係式が成り立っていましたね
P^≡(p1^/ p2^)
 =(w^αL1/w^αL2)=αL1/αL2・・・🌟

これは、労働投入係数比率という技術的制約で定まっている限界代替率
あるいは生産面での機会費用が
完全競争市場における自由競争を通して
均衡相対価格に反映されているという
インプリケーションがあります

では、A国とB国があるリカード・モデルに
おいて比較優位はどのような定義で表されるのでしょうか??

「A国において第1財を生産するための機会費用がB国におけるものよりも小さいとき(A国のほうが、第1財をコスパ良く生産できる状況であるとき)、A国はB国と比較して、第1財に比較優位を持つと解釈できます

すなわち(αL1^A / αL2^A)<(αL1^B / αL2^B)・・・①
という労働投入係数比率の関係式が成立しているのです
⚠αLi^j ( j =A,B)は、上付文字による「各国」を表す表記です🙏
※大変見にくくなってしまい
 申し訳ございません

もし、A,B両国の第2財における労働投入係数が、1であると仮定しましょう

すると、①式より、αL1^A< αL1^Bという関係が自然と見出されますね

この関係は、投入係数の定義式から
(L1^A / y1^A) < (L1^B / y1^B)とも
表すことができますから

要するにA国のほうが第1財をある正の単位生産するのに、相対的に少ない労働投入量で完了できるということですね👍

よって、A国のほうがB国よりもコスパ良く第1財を生産できるので
A国は第1財に比較優位を持つということが示されるのです💖

②国内均衡価格の比較による定義

ある国の閉鎖経済均衡において
P^≡(p1^/ p2^)
 =(w^αL1/w^αL2)=αL1/αL2・・・🌟
という関係式が成立していることは
大切なインプリケーションなので何度も記載しておきます📝

ここで、各国の閉鎖経済均衡相対価格である「P^j ( j=A,B)」についてもわかることがありそうですよね👍

比較優位格差が完全競争市場における「市場メカニズム」を通して相対価格が決定されていくことを考えますと、、、

A国の第1財の国内均衡相対価格がB国のそれより相対的に安価であるとき
「A国はB国と比べて、第1財の生産に比較優位を持つ」と考えられますね

要するに「P^A<P^B」という関係が成立しているということです
もし、ここで各国の第2財を価値基準財(ニュメレール)として考えると(すなわち、p2=1とすると・・・)

「p1^A < p1^B」という関係式で
表されるため、第1財のおける価格は
A国がB国よりも安いということが
自明となりました👍

③貿易パターン決定のメカニズム

では、最後に比較優位によってどのように国際貿易が展開されるのでしょうか?

という問いに対して、議論を進めていきたいと思います
すなわち、貿易均衡相対価格(範囲)の決定メカニズムを簡潔に整理します

今までは閉鎖経済を考えてきましたが、ここでA-B国において経済が開放され貿易が可能な状態になったとしましょう🌏

すると、国内の経済が新たな財価格に直面するなど変化があることが想定されますね
それでは一体どのような変化が起こるでしょうか?

国際貿易が実施されたときの価格メカニズムは以下の通りです📝

いままででも言及したように、全ての財が消費において不可欠である(=両方の財が共に正の数量消費されるような状態である)という仮定のもとで

貿易均衡相対価格(P*)は
両国A,Bの国内相対価格の中間の値になる
ということがリカード・モデルにおける
貿易均衡相対価格決定の流れです

よって「P^A≦P*≦P^B」という関係が成立している状態になりますね
*P*は貿易均衡相対価格です

この状態では各国はそれぞれ、比較優位を持つ財に生産を集中するようになり
国際貿易を通して「比較優位のある財に特化することによる恩恵を享受する」ことで
両国の経済厚生がより増幅する可能性が見込めるというのです

※詳しい余剰分析や厚生変化の図解など
においては、可能であれば
後日解説&投稿いたします🙏🏻

終わりに:リカード・モデルの問題点&分析の限界

経済学において存在する様々なモデルには
良い面と悪い面があります

すなわち、この仮定は本当に現実社会との整合性がありますか?
このような条件は本当に成立しうるのでしょうか?
もっと多様な財や法制度
情報の非対称性が存在するなかでこのモデルは妥当性があるのでしょうか?といった批判の視点はとても大切になりますね👍

最後になりますが、リカード・モデルの限界についても経済学を楽しく学ぶ学生として言及する必要があるように思いますね📝

リカード・モデルは
労働投入係数が一定なので、それに対応する
生産の機会費用を表す限界代替率も一定となります📝


すなわち、ある国の生産可能性フロンティアが直線になってしまうのです

ある国の生産可能性フロンティア

これは本当に現実と見比べてどうでしょうか??
限界代替率を用いた比較優位の定義は妥当で有り、有用でありますが

一般的に、企業の生産活動における限界代替率は一定ではありません

よって、一国の比較優位を限界代替率の値によって定義するには困難が伴うことも心得ておく必要があるように思いますね

また、市場均衡における相対価格が限界代替率を反映するので、「ある財についてある国の閉鎖均衡相対価格が他国と比べて安価である」
ことによって比較優位を定義することができますが・・・

そもそも完全競争市場が成立する世の中でもありませんから、この仮定もかなり現実社会との整合性は小さくなってしまいますね😢

しかし、相対価格を用いた比較優位の定義は、限界代替率が一定ではない一般的な場合にも適応が可能でありますから
市場における人々の経済行動を観察するという観点において、より有用であると結論づけることができるのです📝

私も将来のキャリアにおいて、貿易実務に携わることが多いと思いますので、経済学部卒業生として国際貿易には常に関心を持ち続ける人間でありたいと思います💖

最後までご愛読いただき誠にありがとうございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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