後ろ姿に年齢が表れる
わたしたちは人の姿を遠目で見ても、その人の年齢をそれなりに推測しています。歩き方、脚の形、肩や背中、頭と首などの後ろ姿から.何となく年齢を察知します。
1.顔ではなく後ろ姿で年齢が分かる
正面から人を見ると案外顔から眺めた年齢が気になってしまいますが、私はその人の後ろ姿には生き様や姿勢が表れているように感じてしまいます。例えば、男女を問わず若くてもO脚の人はいますが、それでも中高齢者と比べると歩き方の勢いや背中の丸味などが違います。複数で歩いていても、同年配が連れ沿っているのか、親子で歩いているのかなどと想像します。
2.背中の丸味と首直下の頸椎の丸味
近づいてあらためて後ろ姿を眺めると、背中の丸味や首に長さがやや縮んだように感じられる頸椎の丸味は、人の年輪を感じさせます。よく背中の丸味は猫背といわれますが、元気さや若さを感じない背中です。
不思議なことにさらに上部の頸椎が丸くなると、ますます老いを感じる後ろ姿になります。背が縮むことを物語るのが頸椎の丸味です。こうなると若い頃と比べて背が低くなっているはずです。
3.股関節の柔軟性に気を配る
ではいつからそのような老いが始まっているのでしょうか。18歳頃には体の成長がひととおり達することになりますが、早い人では30代には自覚する人もあるかもしれません。自覚できた時にはたいていはそれなりに若い人と歩く速度に大きな差があることに気づいたときですから、現実には差が小さかったとはいうものの20代に始まっているのかもしれません。
その歩く速度に関わるのが股関節ですが、日常生活で股関節を意識することはほとんどありません。柔軟体操をしない限り脚を開いたりしません。まして股関節が硬くなってくると、殿筋も衰え、大腰筋も衰えて体の代謝に異常が出ていることが推測できます。上体をまっすぐしたまま片足を大きく前に踏み出して、股関節の可動域を測ってみます。簡単にしっかり踏み出せたでしょうか。その感覚の違いを自分ながらに覚えておくと、自信の状態を知ることができます。
4.下肢の筋肉量は減っていないか
健康を気遣う人は体重はよく気にしますが、筋肉量はなかなか意識できません。年齢を重ねて体重だけを維持しても、知らず知らずに筋肉の量は大きく減っています。早晩、いずれかの生活習慣病になって表れます。長年の運動不足、ひいては筋肉不足から、わたしは30代前半には脂質異常症だと指摘されました。
残念ながら、脂質異常症は自覚らしいものはありません。たいていの方は放置しますが、真面目な方で高血圧を併発した人は、両方の薬を飲んで横紋筋が解けたという方もあります。薬の飲み合わせは、怖いものですね。
5.老化と姿勢
姿勢は、老化現象を端的に表します。背中が丸い人は、それ以前に骨盤も傾いています。そのバランスを取ろうと背中に影響を及ぼします。同時にもっと上部の頸椎に丸みが出るころにはかなり骨の捻じれが進んで、身長も低くなっています。
40代から10年で1㎝以上縮むといわれます。1㎝以上と少なくめに言われていますが、現実にはもっと進んでいる人は多いようです。姿勢を矯正するのは年月がかかります。出来る限り若くしから、まずは股関節の柔軟性を維持することからはじめると、骨盤も立ち上がりやすいようです。同時に、背中や頸椎の丸みを帯びないように、体の左右のバランスも差異がなるべく大きくならないよう配慮しながら、意識的に動かしたいものです。