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体幹機能を高めるための土台!腹圧の向上には「○○呼吸!」

当ブログへ訪問していただきありがとうございます。

福岡県で理学療法士をしてますkenkenです*

日々のちょっとした疑問や曖昧なことに、"しっかりと向き合い"皆さんにとって有益な情報発信ができるようにお役にたてればと思います。

前回記事にて、「体幹トレーニングについて考える」のテーマでお話をしましたが、情報量が多かったので、そのテーマの溢れた分をお伝えしたいと思います。

https://note.com/kenken4500/n/n1674c75c5b8f

はじめに(前回の復習)

体幹のインナーマッスル4つ(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋)によって腹腔が囲まれ、内臓を支えるために腹圧を高めると述べました。


最後に結論として、「基本的なドローインに加えてブレーシングといった腹腔内圧(腹圧)を高めるトレーニングを併用することが大事」と括りました。

なぜこのような類似した運動で、運動効果が異なってくるのか、今回はその違いについて、「呼吸」に着目して考えていきたいと思います。


🔲 ドローインとブレーシングの腹圧の違い

XPERT 横隔膜および胸郭運動機能が他部位にもたらす影響 より引用

図の左側がブレーシング時の腹圧(IAP)、右側がドローイン時の腹圧(IAP)です。
IAPを高める効果はブレーシングの方が高いことを示しています。(K Tayashiki et al,2016)

では、なぜ似たような運動でこのような差がでてくるのでしょうか。

🔲 呼吸時の肺の動き方

それは、呼吸機能がとても深く関連してきます。下の図をご覧ください。


私たちは通常、息を吐くときには横隔膜が弛緩し胸腔が狭くなり(体積減少)胸腔内圧が上昇する(陰圧が弱まる)ことで肺にある空気が体外へでていきます


反対に、息を吸うときには横隔膜が収縮して胸腔が広がり(体積増加)、胸腔内圧が低下(陰圧が強まる)ことで肺に空気が流れ込みます。




横隔膜の動きが下方へしっかりと下がる(収縮)ことで、十分な空気が胸腔内にためることができます。🟰 腹圧(IAP)を高める


以上の内容を考慮して、
ドローインとブレーシングを再度比較すると、、

➖ ドローイン

お腹を凹ませた状態では横隔膜が下がるスペースがなくなってしまうため、IAPを高めにくくなり、また重心が上がりバランス能力が落ちる、呼吸が浅くなるなどのデメリットが生まれます。

➖ ブレーシング

横隔膜の上下動によってIAPを調節しています。ドローインとは異なり、横隔膜による適切な呼吸ができるため日々の生活で意識して行うことに適しています。

※腹式呼吸が推奨される理由でもありそうですね


以上のところをまとめると、

呼吸様式も含めて、腹圧を向上させるためには「横隔膜の可動性」がとても大事になってくることが分かりました!


また、横隔膜を下げて腹腔内に圧力が生じた結果、お腹は内側から外側(四方)へ膨らみ、腹腔を覆っている体幹のインナーマッスルが360度伸張されることになります。


これが、お腹が膨らみ固くなる仕組みであり、「お腹の内側から圧力」がかかると、それを押し返そうとして「お腹の外側からの筋力」も働くことになります。


この内側と外側の力により身体の中心である体幹とそれを支える脊柱が安定することで姿勢が整い、動作やパフォーマンスの向上に影響するものと考えられます。


一部同様の内容を支持する書籍として、「スタンフォード式疲れない体」の著者である山田知生氏は、著書にて「IAP呼吸法」を提唱しています。

➖ IAP呼吸法

息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法で、お腹周りを固くしたまま息を吐ききることが特徴。
著者はこの呼吸法を「腹圧呼吸」とも呼んでおり、従来の腹式呼吸と異なり、息を吐き出すときに「おなかをへこませる」か「へこませないか」という点が違いと述べています。

スタンフォード式 疲れない体「IAP呼吸」とは? より引用



座ってできる呼吸練習も紹介されていました。場所を問わず実践しやすく、分かりやすい内容です

スタンフォード式 疲れない体「IAP呼吸」とは? より引用


おわりに

 本日は「腹圧向上には呼吸が大事」のテーマで、前回の体幹トレーニングについての続きと、そのトレーニングの意義について呼吸の基礎から横隔膜の重要性、腹圧呼吸について紹介させていただきました。

日々の忙しい日常だからこそ、朝起きてすぐや昼休み、夜寝る前など動きや運動前の準備として取り入れてみてはいかがでしょうか。


最後までご覧になっていただきありがとうございます^ ^

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