”営業プロセス再構築”の気付き
SFA、CRMの導入、運用に苦労されている企業は依然として多い。私も現場に運用を徹底させることに大変苦労した経験があります…。
リード獲得から受注に至るまでプロセスを日々改善させ、均一化を図るのは効率の面から賛成です。なぜなら、プロアスリートのように細かなルール設定とルーティンを繰り返すことこそが圧倒的な成果を出す近道であると感じているからです。
一部記事の抜粋とメモ
上田さんは、商談が成功するかどうかは「プロセス・製品やサービス・人」で成り立っていると説明する。「思うように売れない場合、その3つのどこかに問題があるのですが、日本企業の多くはまず『人』を何とかしようとするんです。トップセールスのAさんはできているから同じようにやれ、Bさんの実力不足で受注率が低いなど。一方で、『プロセス』に目を向ける経営者やリーダーは少ないです」上田さんはこのように、プロセスの見直しがなされていないことが、日本の営業組織の多くが非合理的な原因だとみている。「営業に関するツールはいろいろと登場しているのに、活用する企業側で、しっかり数字データを記録して、改善につなげることが当たり前になっていません」と上田さんは話す。
・確かに商談フェーズ毎にプロセスの予実を確認して改善箇所を抽出するのは大切。
・上司がチェック機能を果たし部下を育成(指示)するのも大切であるが、部下自身で入力したデータから分析、改善、アクションに繋げる仕組みが別途必要。
これから選ばれる営業になるにはどうしたらいいのか。それは、顧客が「見えている課題」だけではなく、「見えていない課題」を見つけて提案できる営業になることだ。見えている課題に対して、各社が解決策を提示すると、似たり寄ったりの提案になる。すると、その後は価格での比較になる。こうしていると、提供する製品やサービスの価値が上がらない。しかし、顧客の見えていない課題を指摘して、「この手段で解決した方が良い」と提案ができれば、製品を売るだけの人間ではなく、顧客のパートナーとして価値が提供できる。
・「見えていない課題」は厳密にタームが2つに分かれるイメージ。現在と未来。「現在」であれば、顧客が足許の短期間で見落としている課題(検討事項)にフォーカスすること。「未来」であればより長期、1年後以降を見据えた時に懸念される課題(検討事項)にフォーカスすること。それぞれのタームに切り、顧客と擦り合わせすることが大切。
・「見えていない課題」を営業マンが見つけるには、企業の状況(有報、組織構造、社内の人間の力関係・好き嫌い、PL・BS・CFといった社内情報)、つまり商談する相手方の置かれた環境を理解しなればならない。特に顧客が大企業であれば社内政治といった裏事情も詳しい方が尚良し。大企業であればある程、ダークサイトスキルは活かされる。
・商談相手と最終決裁権限者がサービスを利用しているイメージ、組織のイメージ、PLインパクトなどの改善イメージをより鮮明に想像させるコミュニケーションが必要。それだけ距離感を縮めるには「交渉」ではなく「支援」のポジションを張ること。「社外」ではなく「社内」の立場のアドバイザーとして、顧客の良き理解者としてのポジションを意図的に築くことも重要。
最後に
プロセス改善を図ることは組織を運営する上では重要なことであるが、圧倒的な成果を出す営業マンは組織よりも個人の力に起因した要素が強いように思う。またそのような人に限って、ある種「モノを売らない」スタンスを貫き、プロセス改善を図る組織の動きと比例しないことも往々にしてある。
優秀な方は現状を把握した上で顧客にとって一番最適なカタチは何か?喜んでいただけることは何か?を四六時中考え、実行する人です。優秀な営業マンしか成しえなかった思考と営業プロセスが可視化できれば、営業そのものがより面白みを増してきます。生産性向上が求められる中、日本の営業組織をどこまで変えられるか、個人的には非常に興味深いです。