聖地巡礼記チベットへゆく⑦天空鉄道の車窓に映る絶景に息をのむ
チベット(西蔵)へ聖地巡礼の旅
仏教は長い歴史において
実は今大きな転換期をむかえている
仏教史において後世語り継がれるであろう
時代を僕らは生きている
そして歴史の目撃者となる
天空鉄道の車窓に映る絶景に息をのむ
夜の20時 西寧の駅で上海から24時間かけて
乗って来た列車を降り
気圧調整のされた鉄道に乗り換える
20分ほど停車があり
なぜか皆必死で
車両の窓を拭いている
なんで??
と聞くと
明日の朝から続く景色を綺麗に見る為らしい
窓を拭いて綺麗にしてる
慌てて僕も自分の席の前の窓を拭いた
西寧から拉薩までは24時間
途中駅は何個かあるが止まるのは
たったの4つ
見どころは
途中で標高5072mのタングラ峠を通過する
世界最高所の駅
唐古拉(ダングラ)駅
標高5068mも通過する
悪天候や高山病になる人が出る事から
世界最高峰の駅では停車はしない
意識して携帯で地図と現在地を
見てないと見過ごしてしまう
西寧を出発し しばらくして寝る事にした
窓の外は真っ暗で何も見えない
そしてまだまだ鉄道の旅は長い
僕は寝台ベッドに横になりながら
チベット仏教の本を読みなおし
少し記憶を呼び戻し
いよいよ明日に迫る
拉薩入りにドキドキしていた
数年前から早く拉薩に行かねばと
思うようになっていた
一つは数年前より拉薩の治安が良くなり
外人も入境許可書が取りやすくなった事
もう一つにダライ・ラマ十四世が存命中に
訪れたいという想いがあった
ダライ・ラマ十四世は
もう かなりの高齢で
歴代ダライの中でも最長寿になる
もし十四世が亡くなれば拉薩で
動きがあるかもしれない
中国政府との対立がおき
入境がまた難しくなるのでは?と
少しばかり余計な事を考えてしまう
そうならない事を願いつつも
早く行かねばと思っていた
最後のダライ・ラマとなる十四世
私は転生しないと宣言してる
しかし、そうは簡単にはいかないと
僕は思ってる
十四世が そう宣言するのも
中国政府との駆け引だからだ
どちらにしろ
半世紀にわたり議論されてきた
この問題は
そう遠くない未来に新たな展開をみせる
そんな複雑な思いもあり
チベット仏教は面白い
チベット青海鉄道の車両は
先頭車両が見えないほど長い編成で走る
まさに大陸鉄道だ
消灯された暗い車内で
レールのキシム音と小さな振動を感じながら
眠りについた
翌朝 まだ日が昇る前の暗い時間に
ゴルムド駅についた
降りる人が何人かいて目が覚めた
僕は慌てて数少ない停車駅の
外の空気を吸おうと降りる
外はかなり寒かった
駅の看板を見て 直ぐに列車にもどる
ゴルムドという町は新しい町
チベット開拓する為に中国が作った都市で
人工の90%は漢民族が占め
平均年齢も30代と若い
目が覚めた僕は
少し寝て また起きて
そこから座り
少し明るくなりはじめた
窓の外を眺めていた
そこからの景色は太陽の光と共に変化をし
美しい高原を幻想的に演出した
刻一刻と景色は変わっていく
列車は綺麗な地平線まで続く
高地の大草原を走る
大草原には大きな樹木は育たない
いくつもの波の立たない水たまりがあり
鏡のように空や雲を反射し
天空を飛ぶかのように列車は走る
5000mを越える峠越えは迫力がある
生き物を寄せ付けない世界を
車窓越しにみる事になる
峠を越えると広大なチベット高原をひたすら走る
外の世界はまるで別世界
列車の中と乖離した世界は
綺麗な映像を窓越しにみてるようでもある
窓を挟んで外は空気がとても薄い
世界最高峰に位置する駅を通過し
拉薩を目指し進む
ようやく夕方に海抜4513に位置する
那曲(ナクチュ)に到着し扉が開き
皆 外気に触れたくて外に出る
空気が薄い
まず初めに感じる感覚だった
走ると危険だと体が教える
息づかいは直ぐに早くなる
看板の前で写真を撮り
大きく背を伸ばし開放感を感じながら
眼下に広がる町を見下ろす
こんな場所でも生活する人がいる
あと一駅
拉薩(ラサ)はもうすぐだ
列車にのり皆少しずつ荷物の整理を始めた
いよいよ終着駅が近づいている
48時間かけた長い列車の旅は終わろうとしていた
時刻は夜の7時過ぎ
北京時刻を採用する拉薩の空は
まだ明るい
鉄橋がいくつもあり大きな川を超えた時
少年が川の先を指さして叫んだ
その指の先に目をやると
数秒だけど遠くに
丘の上に建造された
赤と白のポタラ宮殿が見えた
ついにやって来た
この目でポタラ宮殿を見た瞬間に興奮した
一瞬で山に隠れ見えなくなったが
もう駅に到着する
天空鉄道の車窓に映る絶景に息をのむ
列車は静かに拉薩駅へ到着
ホームに降り冷たい空気を浴び見上げた先に
拉薩の文字を見た
⑧へ続く チベットの洗礼を浴びる
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