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聖地巡礼記ミャンマー編⑩

2020年ミャンマーに中学校の娘を連れて
家族でバックパッカー旅をした話

僕らは上海に住む3人家族です。

僕;日本人
妻;上海人(劉さん)
娘;中学生(当時)→神に興味なし   

※軍事クーデターにより混乱したミャンマーに
静穏な日々が早く戻る事を願いつつ
魅力あるミャンマーの聖地巡礼記を
書き残したいと思います。

2020年2月1日午後

日本人の僕は
上海妻と反抗期突入したかもしれない
可愛いハーフ娘と
バンコクの炎天下の空の下で喧嘩し
半日しかない観光時間を無駄にし
戦地中国へ戻る為の緊急食糧を購入し
段ボール一杯の重たい荷物を置きにホテルに
もどった

ホテルに戻ると部屋には二人が
ベッドでゴロゴロしていた
僕は居たの?と妻は、ここの布団超フカフカ!と
満面の笑み

あれ?怒ってないの?と僕
何が?と
いやいや さっき怒ってたでしょう!

まだ気にしてるの?

いやいや気にするわ!
普通の神経だから僕

そんな事より夜ごはん 
いい店見つけたわよ
と劉さん

僕も最後のお願いを言う
そろそろ夕方だからさ
水上マーケットメインの場所でいいから
見に行ってから晩ごはん食べようよ
とまだ観光を諦めてない
再チャレンジを提案
バンコクに来たからには
水上マーケットは見たいでしょ?と説得

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そして僕らはホテルを出てバイクタクシーに乗り
メインの水上マーケットの船乗り場に向かった
大きな船に乗り水上マーケットがある区画に行き
小さい船に乗りかえるというミニツアー

そして船着き場に着いた時に
水上マーケットは5時で終わり!と
ちょうど5時で僕らは行く事ができなかった
えーっ5時までなの?と残念
もう少し早く来たらと後悔するが もう遅い。
諦める僕ら

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じゃ晩御飯でも行くか!と調べたタイ料理屋に行き
僕らは本当の最後の晩餐をする
もう本当に最後だね

もう二度と会えないかもね

パパはいなくても、ちゃんとママを助けて 
これから長い人生を生きていくんだよと!
事あるごとに、そんな発言してる僕

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パパ 戦争に行くんじゃないんだから!
大げさ!と娘

だから戦争だってば!これ21世紀の戦争なの! 
得体のしれないウイルスが蔓延してる中国に
行くんだよ
武漢での死者数だって
どこまで本当かわからないしさ

上海だって北斗の拳の世界になるかもしれないしさ
もう二度と会えなくなるかもよ

しかも中国人の君らが日本に避難して
何で日本人の僕が
態々こんな時期に中国に行くのさ!
絶対逆だから(笑)

後2日バンコク満喫し
パパ抜きで楽しむんでしょ?

じゃ一緒に日本行く?と娘
いやもういいよ。と僕 

じゃ そういう事だから文句言わないで 
と劉さん

これは文句じゃないの!
何というか、何か変な感じなんだよな~
歯車が噛み合ってないというか 
そう思わない?何か可笑しくなってきたよ
ハハハハハ、ウフフフ、キャハハハ・・・ 
僕ら家族は
この奇妙な旅行の結末が可笑しくて笑っていた

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そうやって最後の晩餐はいつもと同じく過ぎていく

食事後、僕らはナイトマーケットに向かった
ホテルから近い為
ここに寄ってからホテルに戻る事にした
ウロウロ買い物もして夜の9時にホテルに戻り
深夜2時の飛行機なので
そろそろ空港に向かう時間になってた
部屋から荷物を取り
段ボールを娘が持ってくれてEVにのり
ハァ~と僕はため息をつく

1秒1秒貴重な時間が過ぎていく
ホテルの前の道路で妻はタクシーを探す

ここで本当の最後のお別れだね
本当にもう二度と会えないかもね

まさかミャンマー旅行して
急遽タイのバンコクで
人生最後の別れを告げるとはね・・・

日本の親に宜しくね!

それとさ・・・

その時
妻がタクシー来たよ!早く乗って!って叫び

後ろのトランクに荷物と段ボールを押し込んで
ここで止まると後ろに邪魔だから
早く行って!と叫び

僕は最後の決めセリフを言う前に
押されるように後部座席に掘り込まれ
邪魔だからと 娘がガシャン!と
ドアを勢いよく 閉めた!

おい!コラ!まだ話の途中だろーー! 
ブゥ――ンとタクシーは走り出す。

僕は後ろを振り向き 
小さくなる二人の姿を最後に見た
(二人で笑っていたような)

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ミャンマーの神ってタイでは無力??

空港に着くと多くの人がマスク姿
中国行きは何しに中国へ行きますかとか
武漢は危険な状態とか色々言われ
それでも行くという同意書にサインを要求された
っていうか今更行かない選択はない

体温検査と消毒も義務付け
マスク必須

飛行機は深夜2時発 
朝の6時に上海に着く
飛行機の中で僕は何度か咳が我慢できずに
ゴホン!ゴホン!としたら、
一斉に周りの人が僕を見る!

誰かがこいつコロナだ!とか言うと大騒ぎになる
さすが にビビる

上海に着き心配していたが
無事に入国を果たし
タクシーで住むマンションに着いた

人で賑やかなマンションの前の通りも
人一人歩いていない
そしてマンションのメインゲートは封鎖で入れない

僕は荷物を持ちどうやって敷地に入るか探ってる
門番から、ここは閉鎖!と言われ 
あっちのサブゲートに回れと言われる

小さいサブゲートに向かうと
警備員から体温チェックとID
(外人なのでパスポート)の提示と
どこから来たか14日滞在履歴など
細かく記載させられ
住民である事をアピールするも外人なので
厳しくチェックされ30分くらい門前で止められた

そしてようやく許可を取り住民である
許可書を発行してもらい敷地内に入れた
えらい厳重になってて驚く
敷地に入るだけで疲れた
そして長い旅は終わり僕一人で家に戻って来た

そして僕は一人 
上海で隔離生活を過ごす事になる

劉さんと娘は
バンコクを満喫し日本も満喫し
満面の笑みで上海に戻って来た

色んな出来事がありすぎて
ミャンマーの旅の話が遠い昔のようになってる

そして随分と長い旅になった

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過去の遺産産業でミャンマーの観光は
成り立ってるが
歴史はさほど印象に残らない
カンボジアにしてもベトナムにしてもタイにしても
王朝と共に滅び新たな王朝に塗り替えられ
王朝がまた滅べば消滅するような印象だ
そして放置された都や仏は
長い年月の中で 
いつしか忘れ去られ埋もれている
形あるものは永遠には続かないという
無常観の仏教思想と似てる

物事は常に移り変わり変化していく
永遠に続くものはない
すなわち人生とは儚いものである

今は僕らは、
これらのミャンマーの仏や遺跡を
素晴らしい価値あるものとして見ているが
それもまた変化の途中

遠い未来でも今と同じく存在してる事を望んでも
仕方ない
美しいパガン王朝も滅び都は
800年程も放置され風化していく
長い地球の未来の過程の中にあり
僕らは西暦2000年という時代に生き
静止画のように歴史を切り取り見ている

ミャンマーで出会う仏たちの多くは
数百年もの間 放置されていたにも関わらず
まだ微笑んでいた
神はいつでも微笑んでいるのだ

上座部仏教の国 
ミャンマーには 大乗仏教にはない魅力が多くあり
原始仏教の持つ真理が垣間見える気がする
しかし、
そんな宗教的背景だが
政治は軍事政権が力を持つ国だ
長い内政事情により近代化への発展は遅れている
僕らは1年遅ければ
ミャンマーには旅行には行けてない
再びミャンマーに自由に観光できる日が
早く戻ってほしい
近代兵器により観光地が破壊されたり
この状況下で素晴らしい仏や遺跡が
被害を受けない事を祈るしかない

それは 望んでない破壊である

素晴らしい上座部仏教の宇宙観を
世界の多くの人にも知ってもらいたい

きつと、神の国と心から理解できる

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ミャンマー聖地巡礼記は終わる


最後まで読んで頂きありがとうございます

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聖地巡礼記 インド編↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


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